プロをめざす方のための コーヒー自家焙煎セミナー (2019版)概要 その1

まず「スタートアップ経営セミナー」2日間コースを受講いただきます。

上を受講した方たちにご参加いただきます。したがって、「ステップアップ」セミナーは少人数制、焙煎実習主体、必ず受講生の皆さんに焙煎していただきます。

ステップ[1]2日間コース
基礎のカッピングを学びます。
「カッピング」は、コーヒー生豆の評価をして仕入れに活用します。
また、焙煎したコーヒー豆の品質管理に活用します。
基礎の焙煎技術を学び、焙煎機の操作手順を習得します。
ハンドピックの基本を学びます。
各自焙煎実習し、カッピングによって焙煎した味を確認します。

「ステップアップ 1」焙煎実習の結果事例

20数種の中からコーヒーを選び単品で焙煎し、カッピングを行い特徴を知ります。 下記は、12名の受講生の12の作品。 全員初めて焙煎しました。 12種類のコーヒーは持ち帰り、日をおいて自宅で再度カッピングしていただきます。

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ステップ2以降は焙煎実習によって、コーヒーの味作りの基礎を学びます。

ステップ2以降で学ぶ、コーヒーの味作りの基礎

焙煎度による味の変化

バッハでは下記のモデルに照らして、様々なコーヒーの特性を引き出すべく、焙煎度を決定します。

まず、焙煎度の味の変化を理解し、焙煎度による多様な味わいを携わるスタッフ同士が共有します。

さらにそれをお客様と共有することで、お客様の好みの味わいを的確にお勧めできるようにします。

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「コーヒー味わいのこつ」「田口護のコーヒーの技術」参照

縦軸方向は、各味の量的変化をイメージ化しました。

横軸方向は、時間と置き換えてもよいのですが、装置などの焙煎条件によって変化するためおおまかな目安と考えます。

この図には、いくつかバリエーションがあります。ちなみに応用として4つの模式化を示します。下図は特徴的な4つのコーヒーを基本モデルに従ってイメージ化したものです。

カフェ・バッハでは、各コーヒーの持ち味を最大限に活かすよう下記の焙煎度で提供しています。

ブラジル、ブルーマウンテンは「ハイ-シティの間」で。コロンビアは「シティ-フルシティの間」。

ケニアは「フレンチ-イタリアンの間」。

どこで「煎り止め」しても構わないのですが、イメージ上でバランスのよいところを「ベター」「ベスト」と考えています。

AタイプからBタイプのコーヒーのイメージ

「焙煎過程における味の変化」を基礎にして、4つのコーヒーについて、それぞれどうイメージが変わるかを示します。右は「ブラジルW」を表現したもの。「酸味」が少ない中で深くまで保たれること、「渋味」がミディアム程度ですっきりぬけてくれることが特徴と考えて模式化しました。フレンチ、イタリアンでも「味が少なくなって浅薄」という印象にはならず、意外な深煎りストレートでもよさをだします。

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BタイプからCタイプのコーヒーのイメージ

ブルーマウンテンは全体に味の量が控えめですが、イメージ以上に香り「風
味」を強く感じます。「酸味」「苦味」「風味」のバランスがよいため、特に「ハイ」「シティ」程度で「風味」が突出して感じます。深煎りは、経営効率を考慮して敬遠。「ジャマイカが深煎りしているから--云々」というのは、もはや理由にならないでしょう。

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CタイプからDタイプのコーヒーのイメージ

全体の味の総量の豊富さが理解できます。注目は「苦味」の変化、あるところから急激に「苦味」が支配的になります。以前なら「酸味」がかなり深くまで多く残っていましたが現在では、「苦味」の急激さに目立たなくなっています。「酸味」と「苦味」のバランスが交替するポイントを見極めることが課題です。

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Dタイプのコーヒーのイメージ

最高にリッチなコーヒーのひとつの理想像。たっぷりとした川の流れのような「酸味」は途絶えることなく、「苦味」「風味」も末広がりに多くなります。「渋味」が残らないように焙煎度を設定して十分に他の味が豊穣です。浅煎り側で「渋味」や「酸味」を調節しようというのは、不可能ではないが、かなり技術的に「ムリムダムラ」があると考えられます。

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ステップ[2] 2日間コース
共に実習テーマを考えます。
各自、計4回の焙煎実習の「生豆」「焙煎度」「焙煎機」を選択します。
テーマは、初級「煎り止め」練習、タイプ別生豆比較、ブレンド作りなど様々です。
カッピングによって、各受講生が様々なテーマで焙煎した味をお互いに確認します。
その後、各自のテーマについてディスカッションします。
ステップアップの焙煎実習の様子です。演繹的「目的の味」を学びます。


(続く)