見出し画像

「ポジティブシンキングで成功できるでしょうか?」について考えてみた

あなたは、ポジティブかおめでたい人か?

ポジティブシンキングって、成功とどのくらい関係があるでしょう?

自己啓発の世界では、ポジティブな思考がポジティブな物事を引き寄せると言われます。

たとえば、年収500万円のサラリーマンが「今年の年収1,000万円になりました。」と紙に書き続けます。ただし、やっていることが、毎日会社に行き、そのうちに独立しようとして週末に自己啓発の勉強会に参加しているだけでは、願いが叶う可能性は低いと思います。

「思う」と言ったのは、私の見解です。自己啓発の勉強会で、運命の人と出会い、一緒に仕事をすることで、年収が1000万円になるかもしれません。

ここでお話ししたいのは、ポジティブなことを考えることがポジティブなのかということです。

結果が行動(原因)によってもたらされるとしたら、どう考えるのかだけでなく、どう行動するのかが大切でしょう。そもそも、行動しないでポジティブなことを考えるということ自体が、ポジティブかどうかが疑問です。

なんでもかんでもポジティブに考えればいいという人は、思考を停止させているおめでたい人に見えるのは、私だけでしょうか?

ポジティブとネガティブは成功に関係するのか?

実際、ポジティブだと本当に成功するのでしょうか?

情熱的なリーダーとして有名な近藤太香巳さんの言葉を紹介します。とても、わかりやすいポジティブな人でしょう。


まずは目の前のことに情熱を持って挑戦してみてください。
きっと夢はそこから始まるはずです。
三流は期待されない人、二流は期待されてもできなかった人、一流は期待通りのことをした人、そして超一流の人は期待した以上のことをした人。
感動できる人にしか、感動は与えられない。

こうした言葉は人に勇気を与えます。特徴的なのは、ほとんどすべてのメッセージに行動が伴っていることです。

一方で、全国に店舗を構える100円ショップの「ダイソー」の創業者矢野博丈さんは、その発言がネットで話題になる。

・商品の値段を100円に統一したのは面倒だったからです。
・ダイソーなんて底の浅い商品ですからやがて潰れるに決まってると確信を持っていました。
・私の欠点は数えきれません。
・わし自身、何もないんですよ、中身が。
・物事は、ずっとうまくいくことはありえないんですよ

この発言は、ポジティブでしょうか、ネガティブでしょうか。

根暗な発言とも取れますし、謙虚な発言とも取れますし、リスクに敏感であるとも取れます。受け取り方は、なんでもいいのではないかと思います。

事実として、ダイソーは店舗数を拡大し、魅力的な製品を投入し続けています。もちろん、ネクシーズも積極的な事業展開をしています。考え方や発言がポジティブかネガティブかは重要でなく、行動をすることが大切で、適切な行動が成功をもたらします。

もし、行動できないので、行動するためにポジティブ思考を取り入れたいとするなら、スタートラインに立つために気合いを入れているというレベルです。

そもそも、ポジティブって何ですか??と考える必要がありそうです。

ポジティブに考えるのは難しい?

本質的には、成功する方法を考えて、その通りに行動すれば、成功するはずです。

しかし、わかっていても行動ができなかったり、行動している途中で不安になることもあります。

私自身は、割と心配性で、理由なく自分に明るい未来が待っているとは思えません。とは言え、大失敗するとも思わず、なんとかなるかなというイメージは持っています。しかし、毎月の生活のことや支払いのこともあるので、お金のことは気になります。入っている仕事を計算して、「今月は大丈夫、来月は大丈夫」という具合です。

これ、私はポジティブ思考で、お金の計算をしないで、「大丈夫、なんとかなるさ!」なんて考えていたとすると、我ながら恐ろしいです。

こうした恐ろしい儀式めいた人をやっている自己啓発のグループもあります。典型的なのは、「バカになれ!」を連呼している人たちですね。

かなりキモチワガルイと思うものの、私がとやかくいう話ではないのですが、なんのためにバカになる必要があるのだろうと思います。

「賢い人は考えすぎて行動できないので、バカになって行動しよう」的な話かもしれませんが、これは麻薬と同じです。

実際、考えすぎて行動ができないということはありません。考えすぎて行動ができないというのは、長い時間考えているけれど、確実性のある方法に至っていないということです。

この場合、考える内容やアイデアの出し方を変えるべきで、思い切りをつけるためにバカになるのはかなり危険でしょう。

なぜ、「ついてる」を口癖にしようとよくいわれるのか?

ポジティブシンキングで、「ついてる」と繰り返し言おうとすすめられることがあります。

これは、なぜか?

まぁ、「ついている」を口癖にしたら、ついていることが起こるという話でしょうね。

ところで、ついている人は、本当についているのでしょうか?

わかりやすい「つき」というものもありますが(抽選に当たるとか)、たいていの場合は、自分でついていると思うことのような気がします。

しかし、この「ついていると思う」というのがとても重要だと思います。

「ついていると思う」人には、ついていることがやってくるからです。成功している人で、「自分はついていない」と思っている人はいないでしょう。で、彼らはついている状態を続けるためには、ついている人と付き合うことが重要だということを知っています。

また、ポジティブな人は、周囲から好感を持たれやすい傾向があります。

この理由は、私たちの教育された環境にあると思います。

学校では、「元気がいい子ども」「人前で意見を発表する子ども」がよしとされます。
このタイプの子どもが学級委員や部活のリーダーになります。教育者としては、好ましいし、ほかの子どもたちの同意も得やすいからです。職場でも経営者から見れば、「がんばります!」と言う社員は頼もしいものです。

松下幸之助さんは、「自分は運がいい」と思っている人間を採用したと言います。

こうしたエピソードは、「前向きに考えよう」「ポジティブでいこう」という話を肯定的に感じさせます。

しかし、「ついてるな」「運がいいな」と考えている人にとっては、それが普通のことで、特にポジティブに考えているということではありません。

さらに、「ついている」を口癖にしようというのは、成功している人から見て、「あなたはついてなさそうに見えるので、ついているように振る舞った方がいいですよ。」というありがたいような、ありがたくないようなアドバイスのような気がしてなりません。多分、「私は毎日、ついていると100回唱えています。」と言うと、ついている人の仲間には入れてもらえないでしょう。理由は、キモチワルイからです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?