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1月22日新木場大会の見どころ

タカツカヒデキ（大日本プロレス）

保土ヶ谷、日比谷と連戦が続いた大日本プロレス。
ちょっと休みになりましたが、週末は新潟プロレスさんへの参戦や大阪3団体合同興行などが続きます。今回はそのまた先になる22日(月)新木場1stリング大会の中で急に決まったこのカードを紐解きます。

青木優也 vs 菊田一美

突如、勃発した菊田一美への問題提起。
これすごく難しい論点だと思います。ただ１つだけはっきりしていることはこの流れを作り出した青木優也の発言からわかります。

青木優也は菊田一美がダメなやつだから、見限ってこの日のバックステージで問題提起したわけではないでしょう。菊田はデビューも人より遅く、同期よりも後輩よりも遅れを取ってきたプロレスラー人生です。その中で自分の居場所を作るためデスマッチアイテムの作成やトラックの運転、そして大会準備の陣頭指揮をとり、後輩たちに何が大事なのかを教え続けてきたどちらかと言うと日陰の人です。

本人のバックボーンもあり、簡単にいうと口が悪く、うとましく思われたこともあるでしょう。それでも大会を成立させるためには、とにもかくにも前に進めることを優先して後輩たちのお尻を叩き続けてきました。

青木優也は同じ時期に道場に住んでいたのでその良さも悪さもずっと見てきたことでしょう。そう言った姿も見てきた中で花開いて欲しい思いと歯がゆい思いがあったのではないでしょうか？

裏方作業は評価されるべきか

誤解してほしくないのは裏方を頑張っているから菊田はもっと評価されて然るべき、などと言う甘いことを言うつもりはサラサラ無いです。彼の職業はプロレスラー。強さと共にお客様からの支持を受けない限りこの世界で上に行くことはないでしょう。

話は脱線しますが僕は新卒の会社に入った時、研修先のお店でまず最初に備品担当という役割を与えられました。その時の先輩に言われた言葉を今でも覚えています。

「高塚くん、備品担当は出来てなかったら怒られるけど、やってあっても誰も褒めてくれないからね」

要するにトイレットペーパーや店舗運営に必要な消耗品が無いと「なんで確認しておかなかったんだ」と言われますが、そこにトイレットペーパーの在庫があっても誰も「予備のトイレットペーパーあるね、すごいね！」なんて言う人はいないと言うことです。裏方作業とはそう言うもの。
今、菊田がしている団体を支える作業はプロレスラーと言う人前に出る仕事をしている中ではなんの評価にも言い訳にもならないのです。

菊田一美に渦巻く叱咤激励

仮に今の立ち位置に菊田が安穏としているように見える人がいるとしたら、そんなことはないです。ジレンマと葛藤を繰り返して、それでもやるべき事を放棄しない彼には近くで見ていて強さを感じます。彼がコメントやSNSなどで言う言葉はそう言った事をひっくるめて大日本プロレスと言う自分の家を守りたいと言う本心なんだと思います。

ただ、そう言った裏で見えない動きや苦労を軸にして表で言葉にしてしまうように感じるから、ファンの方の中で違和感が生まれるのかな、と。特に日本人は謙虚さが好きです。負けた菊田が「俺から目を離すな」と言ってもお客様からは「？」となってしまうんだと思います。そういった部分を今回青木優也が指摘したんだと思います。もっと素の菊田一美の方が魅力的だとわかっているからではないでしょうか。後輩に先を越されたり負けたら、泣いて悔しがるくらい感情を露わにすることがあっても良いと思います。どこか強くあろうとし続ける菊田一美の根っこの部分はまだ誰も見たことが無いのかもしれません。

変わって欲しいのか、ダメ出ししたいのか

菊田一美が今までなかなか結果を出せなかったのは事実です。何度かそのチャンスはありました。若手時代、対抗戦で空気を読まずに諏訪魔選手に突っかかっていった試合、飛艶でのアジアタッグ・BJW認定タッグ奪取、そしてデスマッチへの参入。

何度も言いますがプロレスラーは強さだけでなくお客様からの支持がない限りは評価は得られません。リング上の菊田一美に奮起を促すことはどんどんしてほしいです。が、彼の歩んできた道を全く考えずに、物足りなさを強い言葉で本人にぶつけないであげてください。それを言えるもしくは伝えられるのはやはりリング上だけであり、青木優也がそこに足を踏み入れたのは人間的な成長があってこそだと思います。今回のこの流れを見て、本当に団体を支えるエースになってきたなと感じています。

グダグダいってもプロレスラーの会話はリング上でされます。
青木優也と菊田一美。その会話をぜひその目で見届けていただきたいです。
そこに答えがあるはずです。
なんとなく上手くまとめられませんが今はそんな気持ちです。

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