テクニック検定の採点基準(ベーシック検定1級におちた話と初期のインストラクターの話)

トライフォースのテクニック検定を受けたい人に心構えをさせるためには、マスター検定満点合格の私ですが舐めて受験したベーシック検定1級には落ちましたよ、というだけで充分です。

今と以前ではいくぶん事情が違う事情も込みですが、おちました。

落ちた一番の理由はまちがいなく何を聞かれるのかがわからなかったということに尽きます。問題の傾向と対策さえわかればたいていの問題は合格最低点をとれるのですが、そこらへんをつかみきれずに受けたのが一番の敗因です。なぜ傾向と対策がつかめなかったのかというと一般会員経由でテクニック検定を受験したのはたぶん私が最初で、最初というか私が最初の実験体だったので、そもそも情報が無かったからです。

その他の理由もいくつかあります。

まず私が受験したベーシック検定は6レッスン(30テクニック)でした。今は5レッスン(25テクニック)です。減点方式の試験なので減点される要素が多くなると難易度が上がります。
また、採点基準にもおそらく大きな変遷があります。テクニック検定はインストラクター資格の必須要素となっていることからもわかるとおり指導者としての視点や素養も必要になります。なのでトライフォースが指導者に求める基準の厳しさがそのままテクニック検定の採点基準の厳しさになっているものと推測されます。
トライフォースの指導者増員計画の方針を見るに、消防士軍団とか朝柔軍団と言われている人たちが指導者になった時代があり、その次にエビゾウさんとか[略]さんとかがビシビシビシとなかなか厳しい基準で審査されていた時代があり、今はその中間地点の時代にいます。私はビシビシビシの時代の終わりの時期だったのでかなり減点基準が厳密でした。

そして私がテクニック検定に不合格になった一番の理由は、テクニックのパートナーにしんみょうさんが指名されたことでしょう。リアルキン肉マン。ゆでたまごせんせいのつよいご希望によりキン肉マンの着ぐるみショーではキン肉マン中の人に抜擢されているというしんみょうさん。例によってなにも断れない男が例のごとく私のテクニックのパートナーだったわけです。
当時私は紫ルースターだった記憶ですがトライフォースできら星のように輝く軽量級の人たちではなく、巨人を相手に検定を受けたのが大きな障害でした。アームスロー(背負い投げ)の審査のときには自分の膝と腰が絶対にこわわれることを確信したので、ものすごく婉曲的な言い方をすると超スムーズな実演をして、それをみた早川先生から、おい俺のしんみょうを〇す気かと言われながらことなきをえました。小柄な人間にとってでかい人をパートナーにするスタンディング2(とスタンディング3)はかなりの苦行で、トライフォース志木の初期ではテクニックを受けられる人がいなかったのでそのせいで半月板をぶっこわしました。ゆっくり実演すればするほど膝がつらい。
しんみょうさんも多分やりたくてやってるわけじゃないしただでさえ絶命寸前に疲れているのにテクニックのパートナーに指名され、今よりも実演時間が長い検定の後半になるとどんどん意識がもうろうとしてきたようすで、私がトライアングルチョークをしかけたら突然ブロロロロオオンと私の両足をブチっと引きはがしスタッキングパスのカウンターを仕掛けにきました。めっちゃ正しいフォームでしたがそんな殺人ピエロみたいなことは要求されておらずそのテクニックの採点結果も当然不可。ブロロロロオオンは私の責任か。しょうがないか。言及するのやめとこうか。

トライフォース志木でベーシック検定を審査するにあたり早川先生にどの程度の厳しさで審査するべきかを伺ったとき、たとえばサイドコントロール2のキムラアームロック通常バージョン(高専柔道式腕がらみ・チキンウィングアームロック、いろんな表現がありますが)、相手の左手首を右手でとらえたとき、ベースポイントにするべき右ひじがマットから少しでもでも浮いていたらそのテクニックは不成立ということでよろしいでしょうか、と念のために、当然早川先生はそんなテクニックはテクニックじゃない別の技法としてカテゴライズするべきで微粒子レベルでも浮いていたら許せない許さない不可だというに違いないという意味で自分の知っている早川先生の審査基準を確認しました。ところが、おいおい杉村それは可だ、最大効率の力が出ていないかと言われたら出ていないけれど痛いかと聞かれたらそれなり痛いからそれなりに点数をつけろよ、と言われ、丸くなった丸くなった何かが丸くなったぞと心の中で震えたわけです。とうぜんトライフォース志木のテクニック検定もそんなかんじの基準を取っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?