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【ボクシング】初回からクリンチ&ホールドの嵐。オコリー自滅で陥落

☆5月27日(日本時間28日)/イギリス・ドーセット州ボーンマス/バイタリティ・スタジアム
◇BOXXER
WBO世界クルーザー級タイトルマッチ12回戦
○クリス・ビラム・スミス(イギリス)1位
●ローレンス・オコリー(イギリス)チャンピオン
判定2‐0(116対107、115対108、112対112)

 初回からいつもどおりのクリンチのオンパレード。オコリーの長い腕は有効に利用されることはなく、ひたすらにスミスの攻撃を寸断することに執心。距離を取り、入り込む足もあるのだが、それも後ろ向きな思考によって活用されることがなかった。

 どこからどう見ても、オコリーの技術が上に見えた試合。だけれども、一所懸命に一撃を狙っていたスミスのそれが4ラウンドに炸裂した。左フックを振って体が流れ、バランスを乱したオコリーに、カウンター気味に左フックがヒット。オコリーはこれでキャンバスに落下してしまったのだ。
 スミスの詰めの稚拙さがオコリーを救った形となったが、ただでさえクリンチ、ホールドの達人であるオコリーは、いっそう殻に閉じこもってしまった。それまでも、マーカス・マクドネル・レフェリーは再三注意をしていたが、とうとう堪忍袋の緒が切れて、5ラウンド、7ラウンドとそれぞれホールディングでオコリーに減点1を与えた。
 にもかかわらず、オコリーのエンジンはいい方向に全く向かなかった。10ラウンドにはかすったような左フックでふたたびキャンバスに落ち、11ラウンドになってようやく攻めの姿勢を見せてスミスの左目上をカットさせたものの、またまたダウンを追加されて万事休す。初回から、いや、そもそものボクシングの作り方が、到底逆転KOという流れになっていなかった。

 厳しい言い方をすれば、反則・失格負けを宣せられなかったことが救いだった試合。マクドネル・レフェリーの温情、試合を楽しみに集まった観衆を慮った裁量だった。

《Sky Sportsライブ視聴》

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