短い回想

いつもとは違う停車駅で降りる
ゆっくりと街を歩いてみる
空は昨日より早く薄闇が広がっている
辿り着いた並木道
何度もあなたと歩いた道
一人で歩くとこんなに長いんだ
手を繋いだら離さないと
守れない約束を笑いながら言った
あれから誰の手も重ねてない手を
そっと、ジーンズのポケットに入れた
ここであなたを待っていたら
いつか会えるかな?
そんな奇跡を信じるほど
もう私は小さな少女ではなかった
足を前へ運びながら
あの日落とした足音に
足の裏を合わせるように
まるで祈るように

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