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東芝の6000億円増資のポイントまとめ

東芝の6000億円増資の詳細が出てきたので、取り急ぎポイントをまとめます。

①メモリ事業譲渡にかかる税金負担が今期3400億円発生

まず、先に発表されたメモリ事業の事業譲渡によって、東芝は1兆800億円の資本増強効果が得られることになっています。しかし、このメモリ事業譲渡は非適格会社分割の時価取引として扱われるため、事業譲渡の完了にかかわらず時価評価にかかる税金負担3400億円が発生してしまいます。仮にメモリ事業譲渡が2018年3月期中に終わらなかったとすると、一方的に税金負担3400億円だけが今期にのしかかり、債務超過回避が一層遠のきます。


②調達した6000億円は、ウェスチングハウス社にかかる親会社保証は5,848百万ドルの支払いに充てられる。

東芝苦境の原因になったウェスチングハウス社は、今年3月にチャプターイレブンを申請して破産手続きを開始しました。その中で東芝は、ウェスチングハウス社の再生にかかる損失を確定するため、親会社保証としてサザン電力に対して3,680百万ドル、スキャナ電力に対して2,168百万ドルを支払うことで合意しました。

これにより合計5,848百万ドルで損失が確定したものの、まだ為替変動リスクが残っていました。今回、増資の6000億円によって債務保証額5,848百万ドルを一括支払いすることで、為替リスクを払拭しつつ、なおかつ社内のウェスチングハウス問題対応リソースを軽減させることを狙っています。


③資本増強効果は増資6000億円+税金負担の軽減額2400億円

さらにウェスチングハウスの親会社保証を一括返済し、ウェスチングハウス社に対して東芝が負担した金額の求償権を得ることで、求償権を含む債権やウェスチング会社株の売却が可能になり、これによってメモリ事業譲渡に伴う税金負担2400億円を軽減することができます。


以上の結果、今期末に7500億円の債務超過に陥る状態から、6000億円+2400億円の資本増強ができ、債務超過を回避することができる見込みです。また、この影では第三者割当によってエフィッシモが東芝の筆頭株主になっています。またその他多数の海外ファンドが東芝の株式を持つことにもなり、今後の株式市場にも大きな影響を与えると思われます。

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