KJ法 -渾沌をして語らしめる-

去る10月某日、KJ法の研修を受講してきました。
覚書程度に、受講するまでの経緯と得られたものについて書きたいと思います。

KJ法とは

まず簡単に「KJ法」とは何かを挙げてみます。
● 考案
川喜田二郎(民族地理学者)が「野外科学」の実践から考案した手法。
● 目的
仮説を「発想」するための手法。
● 特徴

己をむなしくして、渾沌をして語らしめる。
 •既成の概念にとらわれることなく(己をむなしくして)、全体性を保ちつつ(渾沌をして)「統合」による概念化を行う。
● 構造
 取材学
 狭義のKJ法(単に「KJ法」という場合は、狭義の「KJ法」を指すことが多い)
 応用:累積KJ法

KJ法研修の受講

● 受講の経緯
そもそも学生時代に「ブレーンストーミング」で出た意見を「KJ法」でグループ化することは学んでいたのですが、パターンランゲージをつくっていて、いまいち「KJ法」自体を理解できていない気がしていました。
そこで復習しようと本を買って読んでみたところ…
大きな勘違いが発覚!!
加えて「図解化」と「文章化」というものがある!!
と言うことがわかってしまいました。
どうやら学生時代は、KJ法の前菜をかじっただけだったようです。
○ 勘違いポイント
 ・グループ化≠分類
 ・グループ化の先に「図解化」と「文章化」がある
と言うことで勘違いを修正すべく、(一応、「発想法」「続・発想法」を読んで実践してみましたが…納得するために)研修を受けることにしました。

● 得られたもの
今回の研修で得られたものを、箇条書きに簡単にまとめると以下のようになります。

1. KJ法の理解の確認
 • KJ法による正しい「グループ化」(グループ化=統合)
 • 図解化・文章化の概念と手順
2. 概念の整理
 • 分析(分解+分類)と統合の概念の理解
 • 「分析」は意識的に、「統合」は無意識にしていたことを認識
3. パターンランゲージ作成の手法・成果物の質に対する確認・再認識
 • 「パターンの作成=成功の経験則の統合・概念化」の再認識
 • パターンの元ネタのグループ化の基準(分類ではなく、統合)
 • パターンの質(元ネタから成功の要因を抽象化するのではなく、意味的な統合≒概念化)

特に「概念の整理」ができたことは大きな収穫でした。

「分析」と「分類」と「統合」

ここで、一番の収穫であった「分析」と「分類」と「統合」とは何かを整理してみます。

●「分析」とは
ある物事を分解して、それらを成立させている成分・要素・側面を明らかにすること。
●「分類」とは
複数の事物や現象を、何らかの基準に従って区分することによって体系づけること。
そうして作られたグループをカテゴリという。
●「統合」とは
二つ以上のものを合併して一つにまとめること。

KJ法では「分析」は「分解」+「分類」のことを指し「統合」とは「意味」によって統合し、新たな概念を創り出すことを指しています。
「分析」と「分類」「統合」を図解していきます。
内容は、以前「ふりかえりのふりかえり」を開催した際に上がった問題です。

図1.分析(分解+分類)

図1_分析

図1の左側、「分解」で「時間が足りないため、リーダーが主にしゃべり、仕切る」という「問題」が発生する「要因」の抽出をしています。(内容はかなりいい加減ですが…)
図の右側「分類」は「分解」によって抽出した「要因」を「人」「発言」「時間」と言った「カテゴリ」に振り分けています。
別の言い方をすると「分類」を足掛かりに「問題」を「要因」に「分解」し「原因」を特定するという言い方もできます。

図2.分類と統合

図2_分類と統合

図2の「統合」をかなり乱暴な書き方をしていますが、この「『要は』でまとめる」ところが難しいところで「己をむなしくして、渾沌を語らしめる」ところ、そして「KJ法」の最重要ポイントです。

おわりに

今回はここまでです。
次回、狭義のKJ法の流れとポイントをまとめて投稿したいと思います。
投稿自体が4か月ぶりとなってしまったので、なるべく間隔をあけずに…汗

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