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出版社の新刊・近刊案内に2024年出版予定の拙著の案内が掲載されました。

 2024年(うまくすれば)2月、ことばや言語などに関する学術出版に定評のある「ひつじ書房」さんから、拙著『昭和前期における口演童話の変遷―教育・ラジオへの展開と戦争協力』が刊行される予定です。〈口演童話〉という児童文化の歴史をたどる内容です。
 このたび、その本の案内が、新刊目録『未発(ひつじはつ)ジュニア 2023年秋冬号』の刊行予定書籍ページに掲載されました。
 書籍には「マイナンバー」ならぬ「ISBNコード」という個別番号が割りふられますが、そこに「1224」という並びがふくまれていました。「〈クリスマスイブ〉じゃないかっ!」と、なにやら縁起のよさげな数字に希望の光をみました。
 書誌事項、内容の紹介は下のほうにあります。2020年9月に提出した博士論文に増補・改稿をほどこしました。7本の研究論文をもとにしています。

 研究の起点は2015年3月ぐらい。その昔、童話の語りという興行的なパフォーマンスがあったと知り、「ほぉ」と思い、おもしろそうと惹かれ、試みに調べはじめました。そのときから約8年半が経ったことになります。
 まだまだ出版に向けた作業は道なかば――「この期におよんで、まだそういう検討をしているのか」という課題のいくつかに取り組んでいます。「なんとかうまく進めていかなきゃ!」という気合の入れ直しのためにも、ここにこそっと置いておきます。

【出版予定本】
◆中村美和子『昭和前期における口演童話の変遷―教育・ラジオへの展開と戦争協力』(2024、ひつじ書房)A5判 978-4-8234-1224-0
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子どもを集めて物語を聞かせる口演童話は、20世紀前半の日本で人気のあった児童文化で、ラジオ登場前は児童出版以上のマスメディアだったといわれる。口演童話は若い教師たちの話しかた研究に重宝され、口演童話家たちはラジオ初期のタレントとして活躍した。発展の過程でたくわえられた技術・人脈は、戦時体制が進むなか、積極的に活用される。本書は語られた話材の分析をとおし、昭和前期の口演童話の展開をたどった歴史書である。

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