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日本で一番好きな和食店 晴山

晴山ってどんなお店?

私が最も通っている和食のお店は、間違えなく晴山だと思います。

2011年、まさに震災のころ東京三田にお店をオープン。今では、紹介のみの予約困難店ですが、オープン当初は暇だったんですよ、なんて昔話も伺ったことがあります。私は、山本さんがもともと働いていた岐阜のお店に知り合いがいるという方のご縁で、オープン1年目くらいから、通わせていただいています。

季節の食材が、山本さんのオリジナリティで、最高の一品に変貌していく様は、いつも感動的。是非カウンターに座って、山本さんの包丁捌きを堪能しながら、食材のお話を伺いつつ、料理を楽しんでみてください。

ミシュランガイド2つ星☆☆

                                                       日本料理晴山                                                              〒108-0073東京都港区三田2-17-29
グランデ三田 B1F
TEL/03-3451-8320
営業時間
ランチ/12:00~14:15 (土日のみ)
ディナー/17:30~23:00 (L.O. 20:30)
日曜営業
定休日:月曜日

大将の山本晴彦さん

1979年9月生まれ。栃木県出身。

おじい様が食道楽で子供のころから、東京までご飯を食べに来ていたそうです。やはりそのころから鋭い味覚が鍛えられたのですね。勉強が得意な兄姉の下で、勉強はあまりしなかったそうなのですが、ふとつくった料理をご両親に「お前は天才だ!」と褒められ、料理に開眼したそうです。

19歳でエコール辻東京を卒業後、岐阜の日本料理たか田八祥に入社、高田晴之氏に師事。修行はとても厳しかったそうで、お店を逃亡し、実家まで帰ってしまったことがあったそうです。その時に高田氏自ら迎えにいらしたとうエピソードも伺ったことがあります。山本さんを敬愛するお弟子さんから、山本さんの下を育てる姿勢など伺ったことがあるのですが、高田氏から受けついだものなのかもしれませんね。

25歳で支店のわかみや八祥、29歳でこがね八祥の店長を経験したのち、31歳で独立、日本料理晴山を開業。

これからも晴山でお弟子さんを育てながら、素晴らしいお料理を沢山の方に食べていただきたいのですが、将来的には小さなお店で、少人数の方に、すべてにこだわった趣味のようなお店をだしてみたい、なんてお話も伺ったことがあります。すごく楽しみなのですが、超超超予約困難店になってしまいそうで、そうなったら寂しいな、なんて思いもよぎってしまいます。

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春のメニュー

私が訪れたのはひな祭りが近い2月の終わりごろでした。お品書きは春満載。

まずは北海道、長万部(おしゃまんべ)の北寄貝とホタテ、かぶのムース。春らしい一品です。かぶのムースがクリーミーでおいしかった!ちょっとフレンチのようですね。晴山は何年も通っているのですが、このお料理は初。いつも山本さんの挑戦する姿勢には頭が下がります。

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お椀は車海老とフカヒレの真薯。大きいです。うるいの上にちょんとのった梅がアクセントになっています。

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お次はなごりで冬の味覚のメニュー。あん肝と河豚です。これは日本酒じゃないと思いきや、酸味がしっかりしているので、白ワインでもいけます。アンティークラリックのお皿も素敵。

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お魚はねじマグロの漬け。とろけるようなマグロがおいしかった。こちらは赤ワインと合わせます。鰹やマグロといった赤身のお魚を軽めの赤と合わせる組み合わせお勧めです。

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お次は浜名湖の鰻と蕨。下にはもち米が。わらびが春を感じさせる一品です。こちらはに合わせるワインは白でも赤でもいいですね。

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赤ワインも飲みたいので、我々のスペシャルメニューにはいつも必ずお肉がメニューに入っています。

素敵な玉手箱の中に入っていたのは

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佐賀牛の筍巻きです。筍は九州大間産です。冬から出始める筍ですが、筍はやっぱり春の風物詩ですね。こちらも牛に合わせて、赤でもいいし、筍に合わせて白でもいけます。筍とシャルドネの組み合わせは苦みのマリアージュで鉄板です。

揚げ物は宍道湖の白魚にからすみがかかっています。白魚は殿様魚といって将軍様が好んで召し上がったお魚。宍道湖は昨年行った島根県の出雲を思いだします。大きくて立派な白魚でした。揚げ物には泡がいいですね。

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お次はこちらもなごりのメニュー、松葉蟹と蓮根餅。柚子の風味がアクセントで、まさに今年最後の松葉蟹を名残惜しむようにいただきました。

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ごはんの前にもう一品。白子です。これも今シーズン最後かな。クリーミーな白子をごはんとまぜていただく贅沢な一品でした。

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ごはんは筍とハラミの炊き込みご飯。我々の会は、かなりの実力者揃いなので、いつもお米は1升炊いていただいているようです。。。もちろんおみや分も含めてですが。大盛のお替り+おみやをもらって帰る強者もいます。

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いつも酔っぱらって写真を撮るのを忘れるデザート。柑橘でさらっとおなかに入る爽やかな味わいでした。

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季節を感じさせる素敵な品の数々。常に挑戦している山本さんの、どことも違うスペシャルなお料理と温かいおもてなし。やっぱり晴山がマイベストな和食屋さんです!唯一の難点は予約が取れないことですかね。。。

持ち込みワイン

Champagne Henriot Millesime 2008 (シャンパーニュ アンリオ2008):乾杯にふさわしいさわやかな1杯です。北寄貝とホタテ、かぶのムースとあわせました。

Puligny Montrachet 1er Cru Les Champs Gains 2016 (ピュリニィ モンラッシュ プルミエクリュ シャンガン 2016):車海老とフカヒレの真薯のお椀と合わせます。海老とか甲殻類にはブルゴーニュの白がよく合います。このシャンガンはプルミエ(クラスが上)だけあって、かなりしっかりした味わいでした。

このあたりから、泡や白などグラスを2つおいて同時並行で行きます。各自好きにお料理にあわせる感じです。

Champagne Miniere F&R Blanc Absolu NV (シャンパーニュ ミニエール ブラン アプソリュ NV) :2015年からワインをリリースした新星のミニエールはジャック セロスの下で修業をし、多大な影響を受けたといいます。私もまだあまり飲んだことがなくて、アプソリュは初でした。ブランド ブランというシャルドネ100%で造られているシャンパン、かなり酸が高くて、ミネラリーでした。もう少し置いておいてもいいかもしれません。あん肝と河豚とこの酸を合わせてみました。河豚はシャンガンと合わせるのもよかったです。

Vosne-Romanee Domaine Michel Noellat 2017 (ヴォーヌロマネ ドメーヌ ミシェルノエラ2017) :ブルゴーニュで最も華やかなワインといわれているヴォーヌロマネ村のワイン。赤系果実に、花の香り、スパイスのニュアンスと、とてもよい香りがします。味わいは伝統的でしっかりしていました。こちらはねじマグロの漬けにもあったのですが、ちょっと強いかな?ということでもう1本赤を開けます。こちらは残しておいて佐賀牛と筍と合わせました。

Vosne Romanee Domaine Charlopin Tissier 2016 (ヴォーヌロマネ ドメーヌ シャルロパン ティシエ 2016):こちらも偶然同じ村のワインでした。有名なドメーヌ シャルロパンの長男がつくっている小規模ドメーヌのワイン。赤系果実あふれる、やさしくピュアな味わい。ねじマグロにはこちらがばっちりでした。

Prager Ried Archleiten Stockkultur Gruner Veltliner Smaracd 2016 (プラーガー アハライテン シュトッククルトワ  グリューナー フェルトリーナー  スマラクト 2016) :オーストリーを代表する品種 グリューナーフェルトリーナーのワインです。我々の会はシャンパーニュ、ブルゴーニュが多くなってしまっているので、オーストリーは珍しいです。しっかりとしたボリュームと酸があり、余韻に心地よい苦みが残ります。こちらは鰻と蕨に合わせました。

D. Massion Millesime 2005 (D マッサン 2005) :こちらはシャルドネ50%、ピノノワール50%のブレンド。シャンパーニュは乾杯だけでなく、食中、締めにも飲みます。今回は白魚の揚げ物にあわせました。揚げ物にはシュワシュワしたものを合わせたくなります。

Meursault Arnaud Ente 2007 (ムルソー アルノーアント 2007) :なんと熟成アントです!持ち込みワイン会はこういう貴重なワインと出会えるからうれしいですね。熟成して少しゴールドがかった色になっていたワインは飲み頃でした。かなりしっかりしていて、やっぱりアントは熟成してこそ進化を発揮する気がします。でも滅多にお目にかかれないのですよね。。。

Corton Charlemagne Grand Cru Simon Bize &Fils 2011 (コルトン シャルルマーニュ グランクリュ シモンビーズ 2011) :最後にグランクリュです!ビーズのコルシャルは好きで古いものを何本も飲んでいるのですが、こんなに新しいのは初でした。まだ若々しく、ミネラルたっぷり。

アントとビースを松葉蟹、白子と合わせました。和食とワインを合わせるときは酸に注意が必要なのですが、山本さんがワインもかなりお好きなので、いろいろ工夫がされているのでしょうね。今回も素晴らしいお食事とワインとのマリアージュを楽しむことができました。

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