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カレンダーガール

ひとさじのもらった苺パフェ甘い このさき忘れるぜんぶがひかる

途中下車しようTSUTAYAに行こうあと三駅ぶんを歩いてみよう

はげかけのマニキュアはそのままに見る映画にわかれゆく少女たち

精密な虫よ 画面に飛んできてわざと読みまちがう誰かの詩

父母のこと言うとき時間が直線のような気がする わかる? わかるよ

左耳にゆれるピアスの金具からこおってしまう。と思う日がある

性と詩を思う あたしはひたすらにタンポポの繁茂てつだう風だ

せいぜんは生まれる前のことだよと笑って公園の鳩を散らす

落下する水 ついてくる猫 おっぱい いま死ぬみたいにはなす きいてて

総集編のような気持ちがふたりにも夜毎おとずれるでしょう(予言)

なんどでも地図はたたまれあたしたちの故郷、故郷のくしゃくしゃのキス

空港でピンキーリング選び合うだれも死なないまま物語

おそろいのマニキュアを見せびらかしてわかれゆくとき ガール、いいんだ

(また出会いましょう! ほんとうを言うのとおなじ気持ちで打つメールだよ)

いっせいに暮れるパラレルワールドにきみを決断ごと愛してる

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2014年発行のフリーマガジン『あるところに、vol.4』に寄せた連作です。
誌面上では素敵なイラストとセットにしてもらってわくわくでした。