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ナチュラル・ボーン・ウィナーズ

バカはバカのまま死ねよって手をつなぎ、ふたりで花畑に立っている

ゆきのまちはうつくしい名を持っていて発音できないのだあなたには

あたしはときどき、ダメだ。未来の地下鉄で少女が広げている鳥図鑑

わたりきるまでが橋 可視の腕のばしあそびのようなけっこんしきを

春まけて 最終回には まだ早い カーラジオから スローバラード

いつかきっとつかい尽くしてする愛を、愛とは呼ばずくるまを買おう

永劫回帰のなかでなんどもしぬいぬがなんどもはちみつを好きになる

それに乗ればディズニーランドにゆけると言う電車に乗って花冷の町

齟齬はそのままにあたしたちはつよいつよいうそつきだからいいんだ

好きにやれ。あなたの夜に降るそれらすべてはひかる花びらだから。


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2015年発行の百合詞華集『きみとダンスを』に寄稿した連作です。