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アメリカ横断テント旅〜夢のラスベガス〜

旅は中盤。
我々はラスベガスへ向かった。
目的はもちろんカジノ。
毎日インスタントラーメンばかり食べていたので、一発当てて豪華なディナーでも食べに行きたかった。

3人中1人はギャンブルに全く興味がなかったので車でお留守番。
2人でカジノに繰り出した。

私はトロント在住中、アラブ人の男に気に入られて何度かカジノに連れて行ってもらった事がある。
彼らはオイルマネーで潤っているのか、とても羽振りがよかった。
カジノへ行くと100ドル札を渡され、好きに遊ばせてくれた。
それが無くなるとまたお金をくれた。

人の金でやるギャンブルは何故か勝つ。
欲がないからだろうか。
前も友人に連れて行かれて打ったGODで当たったことがある。
演出とかよく分からなかったので、モンスト片手にテキトーに打ってたら、横で友人が大興奮していたのを覚えている。

しかし私は賭け事にめっぽう弱い。
賭けボーリングも、最初の練習で180とかスコアを出すものだから、女子ハンデが貰えず、いざ本番になると女子みたいなスコアしか出せなくなったりする。
じゃんけんもしかり、何かを賭けるとすぐ負ける。

そしてラスベガスでのカジノ。
貧乏旅行の最中で所持金が少なく、軍資金はたったの100ドル。
ブラックジャックで瞬殺された。

とぼとぼとルーレットをしている友人の元へ向かった。
友人は赤黒どちらかに賭けるスタイルで、ちまちまチップを増やしていた。
見ると軍資金は倍くらいに増えていて、調子は良さそうだ。

しかし私が現れてから、負けに負け続け、チップが一瞬で無くなってしまった。
自分が賭け事に弱いだけならまだしも、友人を負けさせる能力まで備えていたなんて。

悲しみに暮れながらホテルの無料ショーに興じてラスベガスを後にした。

ラスベガスとゆうギラギラした街には立ち寄ったが、我々の宿はやはり空き地に張るテントである。
眠らない街から少し離れた所に空き地を見つけてテントを張った。

いつかまた来る時には大金持ちになってやる。

7年後、再びこの地を訪れて盛大に負ける事をこの時はまだ知らなかった。

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