2024.3.30

式の受付開始が11:00で、朝起きた時間的に余裕はあったのに何故か時間ギリギリに家を出てダッシュで駅を向かう。スリーピースのスーツをレンタルしてめかし込んでいるのに寝坊しました感が出るのが嫌で少しでも爽やかに見えるように走った。この季節にしては気温が高かったことに加えて電車は肩が触れ合うくらいには混んでいて、おまけに走ったせいで汗が滲む暑さ。汗を拭こうとしてハンカチを忘れたことに気がつく。レンタル品の白いポケットチーフで汗拭いて大丈夫だろうか…?と悩んだが垂れ流しは許容できずさっと拭く。

白金の八芳園に到着し建物に入るとすぐ係の人が寄って来て話しかけられる。プロだ。高校の友人Iの結婚式に来たことを伝えるとご友人様のお名前は?と聞き返されて友人の旧姓を言ってから"そういえばあの子はもうその姓じゃなかった"と気付き夫の方の苗字を伝える。が、ちょっと珍しい苗字だったため微妙に言い間違えてたことに控え室に入るタイミングで気付いた。
控え室で高校の同期と再会。新郎側の招待客、Iの大学時代の友人、幼馴染、色々な人がいたので知らない人だらけでちよっと肩身が狭い。しばらくして神前式が始まり、白無垢を着たIが現れる。記録映像のカメラがこちらの顔面を捉えて神妙な面持ちをするのが大変だった。
式が終わった後、庭で記念撮影。エレベーターで他に招待されていた高校の同期と遭遇。嬉しくておー!と思わず声が出てしまう。白無垢の姿のまま現れたIは高校時代と変わらないニカっとした笑顔で笑っていてちょっとおかしかった。その後披露宴へ。結婚式なんて自分が主催する側になることはまずないし、友人も少ないので生涯関係ないイベントと思っていた。Iの人生を披露宴で垣間見て、何というかずっと幸せでいてほしいと心から思った。19歳以降の記憶が強すぎて高校時代、美術部の部長と副部長という関係だったことを忘れていた。彼女には随分支えられたし、ただ他のみんなより多く顔を出して作品制作してただけの僕より遥かに人の上に立つ器がある人だと思うが、なぜか彼女は影から支える役割が多かったなとふと思う。お色直し、挨拶回りなど、主催した2人は忙しそうで思い出話に浸るどころかご馳走を食べる暇も無さそうだった。ファーストバイトのケーキくらいしか食べてないんじゃないか。Iの両親がお礼に来られて"いやそんなお礼を言われるようなことは…"と思う。各テーブルを回っていたカメラマンから記念映像のお祝いの一言コメントを求められて、うっかり「お誕生日…」と言ってしまった。誕生日くらいでしか人におめでとうと言ってこなかったんだなと思う。
式が終わり、新郎新婦に見送られる。「せっかくみんなと会えたのに全然話せなかった〜😭」と悔しそう(?)にしていて、こういう人懐っこくて心を許してしまう感じはずっと変わんないだなぁと安心した。テーブルフラワーを束ねたブーケが女性陣に配られていたのだが、同期の1人が「花もらっちゃった」といらなそうにしていたので譲り受けた。

八芳園を後にしてアトレ品川の適当なカフェで同期と茶をしばいて、同じ電車で色々話しながら帰った。皆僕が知らないうちに人生の舵を切っていて、どんどん遠くへ行ってしまう。不思議と寂しくはない。

帰宅後、レンタルしたスーツを梱包している時に「スーツの匂いが移らないようにご注意ください!」という文言に気付く。香水付けてたけど大丈夫かな。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?