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日本国憲法はどのように「平和」をめざすのか

日本維新の会と国民民主党が憲法改正に前向きな姿勢をみせて、日本国憲法の議論がもりあがってきました。あらためて日本国憲法って何なのかを深めていきたいと思います。

日本の憲法とは

YouTube魚屋のおっちゃんねるのパーラー異世界(2021/11/11)での憲政史家の倉山満さんの話が圧倒的すぎて面白かったです。帝国憲法と日本国憲法の違いは、なるほど~そうだったのかと感心しきりです。

例えば、帝国憲法と日本国憲法の違いを原文そのままではありませんが紹介します。(動画では20分頃~)

帝国憲法と日本国憲法の違い
帝国憲法は良くも悪くも日本の歴史にのっとって日本人が守ってきた法を文字にしたものである。
帝国憲法も日本国憲法も第一章第一条は天皇から始まるが、発想が真逆。
帝国憲法は、帝国憲法の前から皇室はいるから存在を確認するだけである。今までやってきたことを文字にしただけ、あくまで確認。
日本国憲法は、憲法によって天皇を認めてやるという発想。
帝国憲法は歴史を受け継ぐ憲法
日本国憲法は歴史をぶった切る憲法
昭和20年8月15日に革命が起きたというのが日本国憲法の説。歴史をぶった切り、歴史がこの日から始まったという発想。日本国憲法は歴史をぶった切るために作られた「占領憲法」である。

■憲法論とは価値観のぶつかり合い
本来の憲法論とはちまちまとした法の解釈ではなく価値観そのものの議論である。
コロナで経済とめるのは何のために?人の命は尊い、経済を止めることで死ぬことはどうなんだ?
価値観どうしのぶつかり合いなんです。

日本はどうやって国をまもるのか、平和をまもるのか。その価値観が問われます。憲法改正では9条がたびたび話題になります。

そもそも平和とは何なのでしょうか。


戦争の反対は平和ではない

また虎ノ門ニュース(2021/11/10)のケントギルバートさんの憲法の話の中で、注視したいのは、戦争の反対は平和ではないというところ。

「戦争」の対義語 ⇒ 平和ではない
「戦争」の対義語 ⇒ 戦争を防ぐのに充分な秩序

その発想は、やはりウェストファリア条約に来るものだと思います。


ウェストファリア条約の結論は、力の均衡で平和がもたらされる

ウェストファリア条約とは1648年に締結された三十年戦争の講和条約で、最初の近代的な国際条約とされています。主権国家間の国際関係である主権国家体制が成立しました。ウェストファリア条約によって、中世封建国家に代わって主権国家がヨーロッパの国家形態として確立し、「西欧国際体制」ができあがりました。西欧国際体制(western state system )とは、「主権国家の概念の確立」「国際法の原則」「勢力均衡の国際政治」の三要素からなる、近現代の国際関係の特質です。

国際法だけで主権国家間の利害を調整できない場合、戦争を回避する手段として、ある国家だけが絶大な力を持つことがないように同盟関係を築いて、国家間の力の均衡(バランス・オブ・パワー)を図ったとしています。

つまり、平和になるためには、戦争を起こさないようにしようと叫ぶのではなく、残念ながら話し合いを続けるのでもなく、今までさんざんいろいろやってきたけど、これが現在の戦争を起こさないための最良の結論であると。そして現在の国際社会が成り立っているベースとなっています。

日本国がどこにいくのか。これからはじまるであろう憲法の議論で価値観のぶつかり合いを注視したいと思います。


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