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アーユルヴェーダ染めで環境も体も健康に

2022年4月3日、妻と友人とともに環境と健康に配慮した伝承医学「アーユルヴェーダ」に基づいてケミカルフリーで仕上げた天然素材の「ころも」たちをみてきました。

アーユルヴェーダは「生命の科学」

アーユルヴェーダはインドに伝わる生命の科学という意味のサンスクリット語です。

古代インドで生まれ、約5000年以上の歴史をもつ「生命そのもの」を科学する医学、あるいは実践的な生活健康法として受け継がれてきた世界最古の伝統医療です。


草根木皮、これ小薬なり。

鍼灸、これ中薬なり。

飲食衣服、これ大薬なり。

草根木皮とは、漢方薬のこと。鍼灸は、鍼やお灸の治療のこと。これらよりも、食べ物、衣服のほうが薬になるという意味です。昔の人は植物にさまざまな薬効があることを知っていて、草木染めはそのエキスに布をひたして湿布を作ったことが始まりだそうです。薬を飲むことを「服用する」というように衣服は草木の薬効を皮膚を通して吸収させ、病をいやすものだったのです。

『あいをよる おもいをつむぐ』より抜粋


薬を服用するというように、衣類も肌にふれる大事なものという考えがあります。衣類に含まれる化学染料や洗剤は、体内に吸収されることで健康に害を及ぼす場合があります。

肌で感じるとは自分らしく自然体で生きること

インドの染めのグルによると、考えるのではなく、肌でどう感じるのかというのが大事だと言います。

染めのグル、先生であるクマールからは、毎度神様の話、生死について、日々のマインドの整え方など、染色だけでない哲学を教えてもらいます。

よく言われる言葉が「どう感じる?」私が、頭で考え判断しようとすると、「触れてどう感じる?」「頬に、衣をつけてごらん」と。

私は、インドへ行く度自由になった。

それは、「肌感覚」を大切にし始めたからだ。

素直に、心地良いのか、そうじゃないのか。大切なことはシンプルなのです。

【肌で感じる】とは自分らしく自然体で生きること

衣たちが、皆さまの日々をより自分らしく、心地よく、彩りのある暮らしのエッセンスとしてお届けできましたら幸いです。

いのちのころもより

アーユルヴェーダ染めのプロセス

アーユルヴェーダ染めは、染料となる植物の実の皮をむく作業から始まります。染色の工程(DYE PROCESS)は、前処理、カシャヤム、ガムプロセス、天日干しの作業となります。

前処理
・精錬(ソープナッツ)(バナナリーフ、ニーム、タマリンドの灰)
・漂白
Kashayan
・調合
・染液つくり
・染める
ガムプロセス
・アロエベラ、ニーム、カレーリーフなど数十種
・カストロオイル、ココナッツオイル、ガム(樹脂)
天日干し
・太陽のエナジー

Wikipediaによると、Kashayan(カシャヤム) またはカシャヤは、アーユルヴェーダで広く使用されている剤形であり、特定のアーユルヴェーダ薬を表すものではありませんが、アーユルヴェーダのさまざまな種類の薬用調合薬の総称です。カシャヤムとは、単一のハーブまたはハーブのグループの水煎じ薬または水抽出物を指し、消化不良、咳、風邪などの病気に使用できます。

今でもこちらの南インドの工房では、伝統的な製法で衣を染めていきます。
衣(綿)は薬剤で枯らしたものではなく化学肥料を一切使わないものを使用します。

エナジーあふれるKashayamの中に真っ白な衣を入れ、10時間以上浸したまま自然にゆっくり冷えるのを待ちます。真っ白な衣に水から、薬効成分、色素、エナジーが真っ白な衣に移っていき、色鮮やかに染まっていきます。

時をコクコク飲み込んで、やわらかな風も土の香りも目には見えないあらゆるものを衣に移していく

数種類の薬草、フラワーウォーター、精油などからつくられた100%植物のみのガムエキスは繊維の一本一本まで行き渡り、繊維はやわらかくなめらかになり、さらに生命を行き渡らせます。

このプロセスこそ、「アーユルヴェーダ染め」の特徴です。

最後に太陽の光で天日干しします。

こうして薬効が衣に移ったアーユルヴェーダ染めの「いのちのころも」ができていきます。


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