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最高裁判所裁判官の国民審査で、司法についても考えてみよう

国民審査とは

2021年10月31日は、衆議院選挙のほか、地域によっては首長選挙(川崎市長選挙など)とともに最高裁判所裁判官の国民審査も行われます。


この機会に司法についても考えてみましょう!

最高裁判所裁判官の国民審査は、辞めさせたい裁判官がいた場合に「×」をつけて投票するというものです。「×」の数が過半数を超えないと辞めさせることができないので、今までに一度も辞めさせられた裁判官がいない審査です。

自分が関心をもつ分野でみてみよう

最高裁判所の裁判官が一度は受けなければならない国民からの審査で、今回対象となる裁判官は11人です。裁判官がどのような判決を下したかということが、審査の判断材料になりますね。


「この裁判官は、夫婦別姓では意見は同じだけど、沖縄基地問題では相いれない」とか、判決によって「×」をつけたかったり、〇をつけたかったり…
結果として全面的に考えが異なり、NOをつきつけることはなかなか難しいことだと思います。

「×」をつけるのが目的ではありませんが、自分が関心をもつ、または譲れない案件に関して、各裁判官がどのような価値観をもっているか、をみるのが自然ではないかと思います。

「再審請求」に対する判断でみてみる

自分が一番関心をもつ案件は、「再審」についてです。無罪であるのに、有罪と言われたらどうでしょう。裁判所は100%完璧なのでしょうか。

一度決められたことを覆すというのは、本当に大変なことです。冤罪であると訴える再審請求は、途方もない時間や労力を要するのに認められないという、弁護士にとって引き受けたくない案件と言われています。しかし、やってもないのに有罪と言われた人の人生はどうなるでしょう。

"再審請求裁判は過去の裁判を見直す、司法がもしかしたら間違っているかもしれない、裁判所の立場よりも、訴えている人の人権を重視するのかという裁判官の人権感覚が問われる"と江川さんがこの動画で述べています(この動画の中での再審請求は37:16~43:09)。

法の精神、司法の本質が問われるものだと思います。

再審請求に対する各裁判官の判断

今回の国民審査のなかで、再審に関しては袴田事件、大崎事件に対する判断が材料となります。

個人的には、再審を支持するので、袴田事件において、宇賀裁判官は「即刻再審開始(すぐに再審すべき)」という判断を下したので〇。

林裁判官は、即刻再審開始とまでは言いませんでしたが、再審開始を棄却した高裁決定を取り消して、審理を高裁に差し戻しているので△

一方、女性が義理の弟を殺したのではないかという大崎事件で、地裁、高裁で再審を開くべきといったにもかかわらず、”差し戻すでもなく、最高裁で再審は開きません”という最終判断をしてしまった裁判官もいます。そのときの5人の裁判官のうち1人だけ今回の対象になっています。対象となっている深山裁判官が×。

これはあくまでも個人的意見で、ひとによって見方は異なると思います。どの案件に関してどのような判決を下したか、それに基づいてどう判断するか、を考えてみてくださいね!

ちなみに〇や△を書くと無効になるのでご注意を!

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