名称未設定_1

星砂の由来

今年の子年。今回は子年の方角(北)にある星、「北極星が父親」というお話をしたいと思います。竹富島に伝わる貴重な星のお話です。

むかし、北極星が父親。南にある星が母親になって子供を産むことになった。母星はお産が近づいたので、天の大明神にどこでお産したらよいのか相談した。

天の大明神はしばらく下界をながめて目にとまったのは、珊瑚礁が広がる南の海に浮かぶ、
とても美しい竹富島だった。「子供を産むなら、水があたたかくて潮の流れもゆるい、竹富島の南の海がよいだろう」母星は天明神におしえられたとおり、竹富島の南の海におりて、珊瑚がキラキラと光る海に、たくさんの子供を産んだ。

ところが、海をおさめている七龍宮神は、母星が自分にことわりもなく海に子供を産んだので、美しい海をよごしたといって、大変腹をたてた。そして、自分につかえている大蛇に「私の海に、勝手に子供を産むのは許せない。すぐに行ってあの星の子供をぜんぶ殺してしまえ」と命令した。

大蛇は竹富島の南の海にやってきて、その大きな口をあけて子供の星を噛み殺してしまった。こうして、大蛇に殺された子供たちの星の亡き骸は、小さな星の形をした砂となり、波を漂うたちにしだいに竹富島の南の東三崎の浜に打ち寄せられた。これが星砂のはじまりなった。

竹富島の東三崎には、土地の神様をまつった御嶽があり、そこにはやさしい女神が住んでいた。この女神は、子供の星の亡き骸である星砂をみつけると、可哀想に思い、砂浜からこれらをていねいに拾い集めて自分の御嶽の香炉に入れた。香炉に入れた星砂は祭りの時に、ツカサたちが焚く線香の煙と一緒に天にのぼっていった。

それから竹富島では、年に一度の東三崎の御嶽の祭りになると、かならず香炉の星砂を入れ替えるようになった。そのおかげで、星砂はつぎつぎと天にのぼり、南の方角にいる母星のまわりで光るようになったという。

おしまい。

なんて、素敵なお話♡竹富島で満点の星空の下で寝転びたいですね!

それではまた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?