30代社会人の統計検定2級(CBT)合格体験記



統計検定とは

「統計検定」は、統計に関する知識や活用力を評価する全国統一試験です。
データに基づいて客観的に判断し、科学的に問題を解決する能力は、仕事や研究をするための21世紀型スキルとして国際社会で広く認められています。

https://www.toukei-kentei.jp/about/

統計検定2級のレベル

大学基礎課程(1・2年次学部共通)レベルとのこと。出題範囲は変更の可能性もあるため、以下リンク参照。

本記事の対象

  • 学習計画を立てる上でどのような勉強をして何が良くて何が悪かったか知りたい方

本記事の対象外

・短時間で効率よく試験に合格するための勉強方法を知りたい方
・試験のテクニックや出題内容を知りたい方(守秘義務云々)

前提(about me)

  • とあるメーカーの研究開発職として分析業務をしており、業務で平均、分散、相関係数など記述統計量を求めて云々は多少。でも体系的な勉強をしたことがないので正直ノリで使っている側面があった。

  • 最近、機械学習に興味を持ち、データ分析コンペティション(SIGNATE, Kaggleなど)に参加し遊んでみたものの、「うん、なるほど!これはわからん!!」となり、機械学習を基礎から学習しようと決意。

  • 有識者の方のブログやtwitterを読み漁った結果、機械学習のカッコイイモデルとかの勉強以前に「統計学をきちん理解することが大事」とのことで統計検定2級を受験するに至った。

受験結果

1回目(2022/2月) 57点→不合格

実は1度受験し不合格でした。敗因は「本質的理解が不十分だった」と振り返ってみて思います。CBT方式は過去問とガラッと雰囲気も異なり、少しテンパったのも事実ですが、それもちゃんと自分の中で学習した内容を整理できていなかったのだと反省。当時、統計webと過去問中心の勉強スタイルをとっていたのですが、試験にパスするためのテクニカルな学習をしていた気がしてしまい、これはよくないと考えさせられました。

2回目(2022/4月) 65点 →合格

2, 3月の年度末は公私ともにバタつきそれほど学習時間がとれませんでしたが、隙間時間にちょこちょこ勉強して2回目でなんとか合格できました。
高得点は取れませんでしたが、3. 推定・検定・線形モデルの正解率が80%だったのは少し嬉しかったです(一方で記述統計はまだ理解が甘い点があるし、確率問題は相変わらず苦手なので引き続き研鑽します)。
具体的に何したかは後述しますが、勉強方針を「教科書中心の理解するための学習」に切り替えたことが結果に反映されたと個人的には考えています。

学習計画・勉強方法

2,3か月くらいで合格ライン到達を目標にnoteやQitaの統計検定2級合格体験記読んで学習計画を立てました。1回目の受験までをPhase1、上述の不合格の反省を受け、Phase2としています。

Phase1(2021/12/初旬-2022/2/12)
・統計Webを1周やりきること(最初の1か月くらい)
・公式過去問(3年分)を2周くらい(テストまでの残り約1か月)
・苦手箇所は教科書や動画教材などを活用すること(必要に応じて)

Phase2(2022/3/中旬-2022/4/16)
・教科書(入門統計解析、統計学入門(赤本))を読み、ノートにまとめる
・過去問を解く

以下、具体的に記載していきます。

1.統計web

学習時間:約20~30時間(Phase1)
勉強方法:ノートに要点を整理しながらまずは1周しました(練習問題も含む)。その後は過去問解いて定着が不十分な点は適宜参照しました。
批評:言わずもがなのケチのつけようがない優れたサイトだと思います。私のような大学で統計を勉強していない人はまずはこちらから入るのはおススメします。

2.公式問題集

学習時間:約20時間(Phase1,2)
勉強方法①:普通に解く(目的:本番を想定し90分間ぶっ通しで解く)
勉強方法②:単元ごとに一気通貫して解く(あつまれ統計の森の出題項目別目次を参照しました)
批評:過去問なので当然解いた方がよいです。但し、出題傾向パターンを覚えるような(あるいは無意識にそのような)使い方をしてしまう可能性があるのでご注意を。

3.あつまれ統計の森

学習時間:約20時間(Phase1,2)
勉強方法:過去問解説確認など。
批評:こちらも統計web同様素晴らしいサイトです。過去問解答解説が非常に丁寧です。

ちなみに過去問すべて購入しましたので一応リンク張ります(正直全部解かなくてよいと思います)。あと、2021/6月は難易度鬼なので解けなくても泣かなくて大丈夫です。PBT方式最後の試験とのことで日本統計学会の気合を感じました。しっかり復習しましょう。

4.入門統計解析(倉田・星野共著)

学習時間:約20時間(Phase2)
勉強方法:ノートに要点を整理しながら1周読む(練習問題は苦手単元のみ解いた)。
批評:統計検定2級の出題範囲をおよそカバーしている教科書と思います。
特に分散分析は統計webだと少し説明が不十分かつ、テクニック寄りな印象を感じていましたが、こちらは前提の定理部分をほどよく数式で説明してくれたおかげで理解が進みました。上述の1回目の不合格後に購入してよかった本の一つです。

5.統計学入門(基礎統計学I)(東京大学出版会;赤本)

学習時間:約10時間(Phase2)
勉強方法:苦手単元についてノートに要点を整理しながら読む。
批評:言わずと知れた名著。但し、いきなりこれを読むのはかなりハードルがあり統計検定2級合格だけ考えるならオーバースペック気味と言われています(私もそう思いました)。統計検定2級から準1級の橋渡しをしてくれる存在らしく、これから熟読したい所存です。個人的には一致推定量、不偏推定量のちがいについてはこれで理解できた気がします。

6.統計検定2級対策講座(Udemy)

学習時間:約8時間(Phase2,2回目受験1週間前)
勉強方法:テスト前の総復習目的で使用(計画外購入のため後付け的理由ですが)
批評:その名の通り、統計検定2級の範囲が網羅されており小テストも豊富で短時間での総復習に便利でした。以下少し抽象的な感想です。統計の世界は独特の雰囲気がある気がしていて、本読むだけではいまいち腑に落ちないことも多々ありました。この講座を受けて「なるほど、そう理解すればよいのか」と考え方に感銘を受けることがありました。特に推定・検定あたりを今回8割取れたのも直前のこの講座による復習が大きく寄与した気がしています。(Udemyの回し者ではないので)悪かった点も少し言うと小テストの解説は薄い気がする(行間が埋められない方もいるかも)のである程度勉強してからの受講をお勧めします。
(★4/24追記)
なんと小テストの解説集ができたようです!(絶対作るの大変…すごいなあ)

終わりに

大学卒業以来久しぶりに受験勉強しましたが、仕事やプライベートと両立しながら勉強時間を確保するのは大変でした。2週間くらい勉強しないとかなり忘れてしまって過去問解けないこともありました。今回ありがたいことに(?)に2回もテストを受ける機会があり、おかげで継続的に統計の勉強をすることができ長期記憶的に定着してくれた気がします。今後はデータ分析コンペティションに参加しつつ、準1級の勉強も並行しながら継続して統計を勉強したいと思います。

ここまで読んでくださった方、誠にありがとうございました。ご指摘・ご質問などございましたらお問い合わせください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?