リミポ電力 艱難辛苦に立ち向かう

資源エネルギー庁が新電力の販売量を発表しました

これは3ヶ月遅れで発表されるため2021年12月の出来高の発表です

ご存知の通り世界的なエコエネ化でCO2を出さない液化天然ガス(LNG)が高騰したところに、ロシアの侵略でさらにエネルギー源が奪い合いになり電気代は高騰の一途をたどっており、JEPX価格はMAX80円をつける時間帯も珍しくはなくなってきました。直近ではホープ、ウェストホールディングス、エルピオ電気など販売量ランキング上位の会社が実質倒産とも言える電気の供給停止を行う異常事態です。

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リミポホルダーはご存知でしょうがリミックスポイントはほぼ全量をヘッジしているので3Qはマイナス2億円に治めることが出来、これはもう大成功といっていいでしょう。

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ここで疑問に思うのは「なぜ他の会社はリミポのようにヘッジしないのか?」ですよね。

まずベースロード電源というのはベースロード取引市場で売買され年4回開催、翌年度1年分の電力を売買する取引なのです。つまりちょっと高い電力を1年分支払わないといけないわけです。2021年で言えば5円代で買えていた電力を7円台で買ってリスクヘッジしていたわけです。これをやると1年分の資金が抑えられキャッシュフローが悪くなるので自転車操業の新電力には出来ません。

次に相対電力ですがこれは地方電力(東京電力など)から直接買い付ける方法です。これも市場価格より高く買うため、地方電力としては電力が安かったときに助けてもらってるわけです。信頼関係を築いた所は余り値段を上げないで供給されますが、付き合いの無いところが急に「相対電力買わせて」といっても相手にされないわけです。


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つまりリミポは数年前から電気代高騰に備えて手を打っていたわけです。


リミポは恐らく全ての新電力の中で最善の手を打ちました。しかし更なる電気代高騰がリミポを襲います。ヘッジで耐えられる限度ははるかに越えることが予想されたときリミポに残された手は3つでした。

①電力供給を辞め、撤退する

②電力供給は続けるが、採算が取れない会社は契約を打ち切る

③ワラントを行いさらに有利な条件で電気を買う


リミポが選んだのは②でした。営業は全国を飛び回り、罵声を浴びせられてもひたすら頭を下げ、せっかくとった顧客を涙を呑んで契約を解除してもらいました。

その結果がこれです。

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過去2年の12月を見てください。冬の真っただ中の12月は10月の1.5倍ほどに伸びる稼ぎ時です。しかし電気代が高騰している今年は販売量が増えれば増えるほど赤字になったことでしょう。

まず特高が3185MWhから705MWhまで落ちています。特高というのは特別高圧といい、それを必要とする施設は、年間電気代が数億円~数百億円規模の工場や商業施設、オフィスビルなどです。つまり超大口のお客さんです。しかし大口であるがゆえに契約する電気代は安くさせられてしまいます。いつか電気代が安くなったときのためにおいときたい・・・これを切るのは断腸の思いだったと思います。

高圧は46807MWhから41029MWhへ落ちました。12月でこの数字ですからこれも下手すると数的には半分は切ったかもしれません。

低圧は夏冬で高が知れていますから、低圧を増やす方向にはいくようですね。大きくアップしています。

この傾向は今後も進み、無理しないでヘッジできる程度まで落ちていくでしょう。

私はリミポは契約をどんどん切って販売量が下がると予測しましたが当たりました。

今のように電気代が高騰すれば顧客を切るしかないという判断になるのはわかります。しかし電気の契約というものは大体年間契約で途中では切れない。リミポはおそらく1年くらい前から少しずつ契約の切り替わりを待って頭を下げに回ったのだと思います。

他の会社は電力高騰に怯えつつ、顧客を切る勇気もなく呆然状態のまま12月を迎え取り返しのつかない負債を負ってしまった。

リミポはもう電気は上がるものだと考え、JEPXからの購入に頼らねばならないギャンブル要素を排除するために、蓄電池、太陽光を推進しはじめました。

そして今日2022年3月31日電気の買電が発表されました。これでリミックスポイントはVPP(バーチャルパワープラント)になる前提条件がそろったわけです。

私はリミポがVPPなんてなれるわけないと思ってました。電気の販売でもランキング下位なのに発電所なんか作れるわけないしどうするんだよと。

しかしリミポは5年越しで夢をかなえようとしています。私は彼らの諦めの悪さに感動し胸が熱くなりました。この会社がでかくならないわけがないですよ。ほんとに。




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