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飼育日記「めだかのきもち」㉕ハナとボス♀

飼育を始めてから、ずっと気にかけている♀がいる。ヒメ♂のお気に入りだったあの控えめな子である。

若魚の頃は背中の黒が艶めいて、美しいメダカだった。大人しくて、仲間と回遊するよりも水草の隅を定位置にしていた。

今はすっかり成魚の体になって、隠れ場所を卒業しているが、餌を撒く時は、今でもこの子がいるのを確かめてから始める。特別の愛情を込めて、ハナと名付ける。

ほぼ毎日抱卵しているが、ボス♀と違って、いつも3粒位と控えめなのが彼女らしい。

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こちらは今日も派手なシュシュを付けたボス♀。初めての抱卵以来、休んだのはいきなり気温が下がった1日だけ。生命力に溢れている。

ふてぶてしくて可愛くないけれど、憎めないところもある。

よく水草につっかえる。下や横に張り出したお腹がつっかえて、何度か切り返しをしている時も。 

シュシュを付けている時はさらに苦戦する。

卵を水草に産み付けられるように、粘着性の付着糸でまとまっているシュシュが、今日は、通り抜けようとする水草に体ごとくっ付いてジタバタしていた。

困った気性だけど、そんなドジなところが仲間に受け入れられているのかなあ、と飼育者はまた、人間になぞらえて妄想するのである。                                                              

                                                                        9.   14

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