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飼育日記「めだかのきもち」'21夏🫧メダカに心を掴まれた日

数日姿を見せなかったメダカが、かなり痩せた姿で上がってきた。餌も食べないので、弱って隔離した老メダカのいるガラス鉢に移して様子を見ることにした。

しばらく餌も少し食べて泳いでいたが、今日は隅で逆立ちしていたり、底砂に横たわったり、再び力無く泳ぎ出したり、を繰り返すようになった。

ガラス鉢を覗くと、老メダカが泳ぎを止めたメダカを覗き込んでいる。一旦は離れるが、また近づいて心配そうに寄り添う様子が続く。

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どうしたの?
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くるしいの?
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そばにいるよ

弱っていくメダカの姿は痛ましく胸が詰まるが、これは記録しない訳にはいかない。

ヒメダカが飛び出し事故に遭った日の、あのヒメ♀もこうだった。でもあの時は半信半疑だった。

横になっても、昼の内はずっとエラを動かしたり、少し移動したりしていたのだが、夜には動きが止まってしまった。離れた砂の窪みでじっとしていた老メダカが、しばらくして覗くと動かないメダカに体を寄せている。離れては寄り添う、をずっと繰り返している。

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・・・
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夜のうちに引き上げようと思ったが、老メダカが離れないので、そのままにしておくことにする。

                 *             *             *             *

弱った仲間を労わり、仲間の死を嘆く。個体差はあっても、これはメダカの持つ本性だと、今は確信できる。

卵の誕生から死まで見届けるのが飼育者の役割りだが、今日は仲間の死を見届けるメダカの姿を見せてもらった。                                            

8.   21

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朝、老メダカも動かなくなっていた。

言葉にならない感情が残る。                      

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画像を改めて見て、老メダカが優しい、とてもいい顔をしているのに気づく。幽霊のようにフラつきながら泳いでいた同じメダカとは思えない。

最後の一日、かつての仲間に寄り添うことに、残りの命全てを燃やしたのだろうか。

私は今、めちゃくちゃメダカファンである。

'21. 8. 23



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