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2021/5/13

fantaという炭酸飲料がある。コーラが調達できないとき・・・

水源―The Fountainhead 単行本 – 2004/7/8
アイン・ランド (著), 藤森 かよこ (翻訳)

p272

第二部 エルスワース・トゥーイー


失われた時を求めて(3)――花咲く乙女たちのかげにI (岩波文庫) 文庫 – 2011/11/17
プルースト (著), 吉川 一義 (翻訳)

3-p122

忘れたので、3巻の最初から読み始める。

第二篇 花咲く乙女たちのかげに

スワン夫人をめぐって

 本巻収録の第一部「スワン夫人をめぐって」は、表題の示すとおり、むしろ『スワン家のほうへ』の続篇と考えられる。前編第三部『土地の名--名』におけるシャンゼリゼでの出会いを受けて本館では、「私」がスワン夫妻の娘ジルベルトに寄せる恋心の顛末が語られる。「スワンの恋」の中年男をさいなむ嫉妬心とは趣を異にするが、やはり想像力の病というほかない少年の恋愛心理の容赦ない分析は、本巻の第一の読みどころである。


3-p102

この悲劇的格言の奥深さに打たれたオデットは、それをみずからの格言としてなにかにつけ口にしたが、そのときの沈んだ顔はこう言っているようだった、「結局なにがおこっても不思議じゃない、運のないときはこんなものよ。」結果として、これまでのオデットの人生を導いてきた「惚れている男は何をしても構わない、ばかなんだから」という楽観的格言、しかも「怖がることはないわ、あの男にはなにひとつ壊したりできないんだから」と言わんばかりの目配せで顔にあらわされた楽観的格言からは、霊験あらたかな効力がすっかり消え失せていた。


作家はその書物を通じてのみ知りうる。
  『サント=ブーヴに反論する』プルースト


3-p128   (『失われた時を求めて』3巻の頁(ページ)128という意味)

「放っておきなさい、と言ってるんだ」と父は大声をあげた、「なにより大切なのは、やっていることが楽しいかどうかだ。あれはもう子供じゃない。今では、なにが好きなのかもよくわきまえている。これから変わるとは思えんし、どうしたら幸せな人生が送れるかを自分で気づく能力もあるんだから。」父のことばが授けてくれた自由のおか気で私が幸福な人生を送れるかどうかはまだ結論が出なかったが、その夜、私はこのことばにずいぶん苦しめられた。父の想いがけない親切な面に触れると、昔から私はその髯のうえの日焼けした頬に接吻したい気持に駆られたものだ。それを我慢していたのは父の機嫌を損ねるのを恐れたからにすぎない。

3-p130

地球が回っていることは理論としてだれしもが知っているが、実際にはそうと気づくことはなく、自分の歩く大地は動かないように見えることでだれもが安心して暮らしている。人生における「時間」も同様である。そこで小説家は、時間の流れを感じられるように、時計の針の動きを途方もなく速めて読者に十年、二十年、三十年という歳月をわずか二分で通過させる。あるページの最初で希望に満ちた恋する男と別れたかと思うと、つぎのページの終わりでは男はすでに八十代となり、毎日養老院の中庭を散歩するのが関の山で、ことばを掛けてもろくに返事もなく過去を忘れている。「あれはもう子供じゃない、好みはもはや変わらないだろう」と言った父のことばで、突然、私は自分が「時間」のなかにいることに気づき、悲しみを感じた。私は、耄碌(もうろく)して養老院に入居したわけではないが、本の最後で作者からとりわけ冷酷さの際立つ無関心な口調で「男はますます田舎を離れなくなり、とうとうそこに住み着いてしまった」などと書かれる人物になったような悲哀を感じたのである。


死んで亡くなっても今なお名前が残る人々は偉大である。それらの人々を知ることは喜びである。しかし、今現在生きて活動している人々に、より注意を払いたい、尊敬したいと思う。この同じ時を生きて、呼吸して、この境遇で、こういう生き方ができるのかと示してくれる。勇気であり、気概である。そういう人々を推して、応援し、僕も生きていきたい。

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「あたしの親しいお友だちへ」と手紙には書いてあった、「重い病気で、シャンゼリゼにはもういらっしゃらないそうですね。あたしもほとんど行かなくなりました。病人がたくさん出たからです。でも、あたしのお友だちは毎週、月曜と金曜に家におやつに来ます。ママから伝言を頼まれました。ご病気がよくなりしだい来てくださるとあたしたちは大喜びです、と。そうしてくだされば、シャンゼリゼでの楽しいおしゃべりのつづきが家でできますから。さようなら、あたしの親しいお友だち、ご両親のお許しが出てたびたびおやつに来ていただけますように。友情をこめて、ジルベルト。」



3-p169

そもそも人生において、また人生の明暗の別れる状況において、恋愛に絡んで生じるどんなできごとであろうと、その一番いい対処法は理解しようとしないことである。なぜならそうしたできごとは、無慈悲なものであれ望外なものであれ、合理的法則ではなくむしろ魔法に支配されていると思えるからである。億万長者でなおかつ魅力を備えた男が、いっしょに暮らす貧しく可愛げのない女から別れ話をもち出されて絶望のなかで財力にものを言わせ現世のありとあらゆる影響力を行使してもりを戻せないとき、手の施しようもなく頑固な愛人を前にしてなすべきは、なにか理屈にあう説明を探し求めるより、むしろ「運命」が恋煩いで自分を苦しめ死に至らしめようとしているのだと想定することである。

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教訓。

屈服した。結局、吉行淳之介全集全15巻、あと2巻が定価や定価より高くなっている中古本であった。他のそれより前の全集を1巻買ったりしたが、結局、今、2巻とも注文した。
全集で作家を揃えたいと思えば、古本屋さんで全巻一挙買いである。
三島由紀夫は好きなのだけ、個別に揃えよう。
これで、全集を持つ作家は、埴谷雄高、須賀敦子、吉行淳之介となる。文庫本では夏目漱石。『失われた時を求めて』は鈴木訳、吉川訳の文庫本。
ま、購入経緯もそれなりに楽しい。夏目漱石も全集のいろんな時期のを数巻持っているが、よく読まずに注文して缶(箱)がない状態の本を買ったこともあるし。まあまあ、趣味な世界。

と言いながら、吉行淳之介全集の注文した1冊が在庫なかったと連絡。う、キャンセルになる。

その本、今見たら、こんな値段になっとるし。もうお。

私の文学放浪・湿った空乾いた空・沈む都・わが文学生活 (吉行淳之介全集) 単行本 – 1998/5/1
吉行 淳之介 (著)

縁がなかった。

作家の全集を揃えるのなら、一括全巻購入すべし。




今日届いた本。

アンセム 単行本 – 2019/5/31
アイン・ランド (著), 佐々木 一郎 (翻訳)

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とても薄い本でびっくり。


宮城まり子が選ぶ吉行淳之介短編集 単行本 – 2007/7/1
吉行 淳之介 (著), 宮城 まり子 (編集)

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吉行淳之介さまへ  まり子

序にかえて   夢のような話 宮城まり子

『驟雨』
『夜の病室』
『寝台の舟』
『鳥獣虫魚』
『童謡』
『子供の領分』
『風呂焚く男』
『手品師』
『紫陽花』
『灰神楽』
『菓子祭』
『夢の車輪』

是非に及ばず