きよた

瓶詰めお月さま通信

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瓶詰めお月さま通信〔晩冬〕

ぬすびとに 取り残されし 窓の月 良寛 瓶詰めお月さま通信(晩冬)です。 夜分、しんと静まり返った冬の道を自転車で走っていると、にわかに背後から眩ゆいひかりに照らされたので、見上げてみるとそれは雲間から顔を出した満月なのでした。冬ももうじきにおわりますね。 ✳︎✳︎✳︎ 先日、従姉から知り合いのこどもたちに絵本をプレゼントしたいのだけど、なにかおすすめがあるかしら?と聞かれて胸が躍った、絵本のことを思うといつも晴れやかな気持ちになる。こどもたちは3人、6歳から12歳、

    • 瓶詰めお月さま通信〔初夏〕

      {お月さまを}新美南吉お月さまを みいあげた。 マストにのぼつた ふなのりが 何だか青いと、さういった。   お月さまを みいあげた。 わたしが窓から 一人きり。   母さん静かね、さういった。 瓶詰めお月さま通信(初夏)です。 こどものころ、長期休みがはじまると夜ふかしをして布団の横の小さなひかりの下でたくさんの本を読んだ、時間はいまよりもひろく、ながく感ぜられた、夏の手前、ともだちと自転車で街の図書館へ行き、本を借りた、あの無数の書棚からわくわくするような

    瓶詰めお月さま通信〔晩冬〕