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BIM/CIMを活用した設計ってどうしてます?

皆様、こんにちは!
いきなりな質問ですが、BIM/CIMを活用した設計って、どうやって対応されていますか?
なかなか使えるソフトウェアがないので、たくさんのソフトウェアを組み合わせて使ってなんとかしている・・というのが実態だと思います。いいソフトがあったら、教えてほしいです。ほんと。

ソフトウェアの構成について

当社はどうしているかというと、20年以上前からSTRAX Cubeという3次元設計ソフトを導入している関係もあって、STRAXの利用を基軸として下図のような構成で対応しています。
■STRAXのソフト紹介ページはこちら■
STRAXでは平面図・縦断面図・横断面図を仕上げていくような、従来型の設計手法で3次元設計データを作成できますので、イチから設計していくような場合はとても効率的に設計が進められます。

当社のBIM/CIMに関するソフト体系(2023.7月時点)

その他細かい所の処理

STRAXは標準断面の法面を連続するような場合の作図には強いのですが、構造物まわりや排水などの細かい部分の3次元作図まで行うソフトではありませんので、そのあたりをAutoCAD Civil3DやBricsCADなどの汎用性の高いCADで補っています。
■AUTOCAD Civil3Dのソフト紹介ページはこちら■
■BricsCADのソフト紹介ページはこちら■
■BricsCADのnoteはこちら■

ただし、土木作図で求められる正確な作図を行う場合は、往々にして線形計算により点座標を求めていく必要がありますので、そのあたりはVBAで作成したマクロを併用して対応しているという状態です。

VBAによる作図のイメージ

なんでVBA?と思われるかもしれませんが、昔からEXCELのVBAで測量計算から線形計算までいろいろ計算してきた名残のようなものです。Dynamoのような今風のツールを使って描くことができるかもしれませんが、現在挫折中・・いや、研究中という状況です。

あともうひとつ、英語のアドオンソフトになるのですが、CADToolsというのを使っています。
CadTools (glamsen.se)
作図上必要になったマニアックな編集は、これを使っています。

それで、どんなことができるの?

3次元作図を行うと、従来の2次元図面では見えなかったいろいろなことが見えるようになります[視覚化]
そして、正確な3次元作図を行うと従来の2次元図面では表現の難しかった3次元的な取合いを正しく表現できるため、とてもわかりやすく、空間的に整合した(ミスのない)図面が作成できます。[特定部の確認]
実際、2次元で設計した図面を3次元化すると、無理なすりつけが必要な箇所や緩衝が発生している箇所など、結構な確率で不整合が見つかります。
それら不整合を事前につぶしておくということだけでも、価値があると思います。[フロントローディングというやつです]
また、従来の2次元図面では表現できなかった3次元的な面方向の確認や、その組合せによる計画を行うことが可能になり、特に急峻な地形における計画の最適化に効果を感じます。
3次元図面ではすべての点が3次元の座標をもっていますので、施工にもきっと役に立つと思いますよ。

急斜面部への遊歩道配置計画例
同上 谷部拡大(コンター間隔10cm)
※わかりにくいですが、 階段など構造物の配置が絶妙なんです。
詳細かつ正確な点群測量との組み合わせにより、従来手法では
困難であった複雑な地形においても、きれいにフィットした、
最適化された計画が可能になります。(と言いつつこれは職人芸!)
構造物まわりの取合い検討例
上の事例の3次元設計結果を使用して作成したパース
※VRで中に入ることができます
3次元検討による床掘の緩勾配化例
※®国土交通省中国地方整備局倉吉河川国道事務所

さいごに

そんなこんなで、なんとかBIM/CIM設計(3次元設計)に対応している当社です。
当社ではこんな感じで、紆余曲折しながら設計の3次元化に取り組んでおりますが、皆さんどうやって取り組まれていますか?

※このような取組に興味がある方、良い情報をお持ちの方がおられましたら、是非コメントください。


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