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宇崎ちゃん騒動の陰で

 2019年10月16日、米司法省は韓国人男性ソン・ジョンウ(英語表記JongWooSon。当時23歳)が運営していた児童ポルノサイト、Welcome to Videoとユーザー337人(そのうち韓国人男性223人。本国では書類送検)の逮捕・摘発を公表した。ソン・ジョンウは既に2018年8月に韓国で逮捕され本国で懲役18カ月の刑を受けているが米国で改めて起訴されたのだ。25万本の動画あるいは8テラバイトのデータが押収され、10歳未満の児童や生後半年の幼児が性的虐待を受けたこの事件は「最大規模のダークウェブ児童ポルノサイトの一つの摘発」と呼ばれ、BBC、Wall Street Journal、Reuters、The Independentなど各英語メディアで報じられた。

 最初は私も英語報道でこの事件を知った。ソン・ジョンウが漢字表記で孫鍾宇となるのはWeiboで確認した。つまり中国語のネットでも話題になっていたのだ。その他スペイン語やドイツ語の報道もあった。それも当然で、逮捕者は英国、カナダ、ブラジルなど12か国に及んだ。また前述サイトは少なくとも37万USドル相当のビットコインの利益を得ていた。

 一応英語ソースを示しておく。どのソースも同じようなことを書いているが、どれをソースとして示すか迷うくらい記事が多かった。

 だが、日本語ではほんのわずかの翻訳記事しかなかった。

 ハフィントンポストならTwitterでアカウントをフォローしている人も多いだろう。だがこの記事はタイムラインに流れていたかどうか。Twitter検索で「ソン・ジョンウ」「孫鍾宇」「#JongWooSon」「#welcometovideo」で検索して出てくるのはほとんどが私のものだと思う。BBCなど英語メディアは全てを確認しきれないが、BBCNewsJapan、ロイター.は確実にこの件をタイムラインに流していない。Twitterで話題になるわけがないのだ。

 そして10月後半Twitterで話題になっていたのは「ソン・ジョンウ」ではなく「宇崎ちゃん」の胸が大きすぎるという、児童強姦及び脅迫に比べたら他愛もない話題。UnseenJapanSiteのジェイ・アレン氏が「たまたま街中で見かけた宇崎ちゃんポスター」をツイートしたのが10月14日、同じく14日に太田啓子弁護士がリツイート、そして文春オンラインが記事にしたのが10月20日。

 太田啓子弁護士は職業柄米司法省の公式発表が10月16日にあることを知っていた可能性はあるが断言出来ない。だがワシントン在住のジェイ・アレン氏は明らかにJongWooSonとWelcome to Videoの件を知りながら「宇崎ちゃんポスターが性的搾取となっている」「Soft core porn(とツイートしていた)は公共の場に相応しいのだろうか」と主張していた。

 私はジェイ・アレン氏と彼の奥さん(日本人)が来日した日時や滞在期間及び搭乗した飛行機便は確認していない。ただ、Twitterに画像をアップすると撮影日時やカメラの機種など画像データが確認出来ない。つまり彼が本当に2019年10月14日に新宿西口献血ルーム前であの画像を撮影したのだと誰も断言出来ないし証明も出来ないのだ。

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