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小さな田舎町で起きた感動的な話②

小さな田舎町で起きた感動的な話①」の続きですが、今回は感動的というよりも、ちょっとお笑い要素の方が多いです。

いつもはちょっと憎たらしいと思う弟だったけど、廃品回収を頑張っている弟を応援したいと思い、大学の男子寮にいる友人に「古新聞か古雑誌は無い?」と聞いてみた。

幸い3月ということもあり、卒業する学生が処分する雑誌などをまとめていた時期で、友人が4年生の部屋を廻って回収してくれたおかげで、思っていたよりも大量の雑誌や本が集まった。

が、重要な問題が1つ!
半分以上が子供には見せられないエッチぃものだったということ。

教育上良くないものを廃品回収とは言え小学6年生に渡して良いものか悩んだが、今の状況を考えれば貴重なお宝!捨てるなんてあり得ない。
「全部新聞紙で包んで見えないようにしよう」という事になり、全部のエッチぃ本を新聞紙に包んで紐でまとめ、廃品回収最終日に車1台いっぱいに積んだ新聞紙(にくるんだエッチぃ本)を弟の学校の保管所に持って行った。

新聞紙に包んだ本に誰も気が付かない事を願うだけ。
かなりしっかり包んだし、古新聞も一緒にしてじっくり見ないと本が混じってるようには見えないから、きっと大丈夫!と思っていた。

いち町民からとして「名乗るほどの者じゃありません」と格好良く置いてくるつもりだったけど学校で弟と会ってしまい、先生とPTAの人と6年生のガキンチョ達に紹介されてしまった・・・思えばこれが・・・

その日、廃品回収を終えた弟が私の部屋に来て「姉ちゃん!姉ちゃんが持ってきてくれた本ね、新しい本ばかりで、中には外国の本とか貴重なのもあって、古本屋に持っていったら凄く高く売れたんだよ!」と言った。

え?ちょっと待て!
今「本」って言わなかったか?

冷や汗かきながら「本じゃなく、新聞だよね・・・・」という私に、「新聞に包んであった本だよ!たくさんあったから、全部外すの大変だったんだよ。それにしても、凄かったわ~」と嬉しそうに言う弟。

ヤバいよ~!!
担任の先生と、小6の子供たちとその親(PTA)の前に、あのエッチぃ本の山がある現場を想像しただけで、罪悪感でいっぱいになった。

絶対に、マズイしょ!

言葉が出なく固まってしまった私に「先生やPTAのお母さんたちも凄く喜んでいて、「お姉さんにお礼言っておいてね。」って言われたよ。サンキュ!姉ちゃん」と言って私の部屋を出て行った。

先生やPTAのお母さんたちの「ありがとう」を素直に受けて良いものか分からず、罪悪感と同時に恥ずかしさで顔が熱くなってきた私だったが、その後「お姉さんも協力してくれて、本当に助かりました」と、わざわざ弟の担任の先生から母へ丁寧にお礼の電話が来たので、少なくとも迷惑行為ではなかったとホッとした。

小6の弟にエッチぃ本の山を提供した私は絶対、状況が読めない変態の姉と思われただろうな・・・と思っていたが、弟に「そんなこと誰も思ってないよ」と言ってもらい、ちょっと安心した。

でも、子どもたちが見ている前で、あの本を積み上げていく担任の先生(しかも女性)やPTAの人たち(6年生の母さんたち)の姿を想像すると、未だに顔が熱くなる私だった。

つづく


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