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緊張しすぎて妙な行動をとってしまった話

実は私、市川染五郎さんの時代から松本白鸚さんに憧れています。
そんな私がやらかした、恥ずかしいエピソードを書きたいと思います。

東京に就職して勤務していたのが銀座の歌舞伎座の近くで、職場の隣には超高級ホテルがありました。

当時はまだ携帯電話なんてなく、私用の電話をかけたい時は休み時間に隣のホテルまで行って電話ボックスを使用してました。

ある日、電話をかけにホテルに入ると、正面から(当時は)松本幸四郎さんが歩いてくる!このまま歩いていくと、すれ違う!

どんどん憧れの人が自分に近づいてくる・・・(素敵すぎて失神しそう)
そんなことを考えただけで顔は熱くなり、心臓の鼓動も早くなり、よくわからない汗をかきはじめた。

どうしよう・・・どうしよう・・・松本幸四郎様とすれ違ったら、私、倒れるかもしれない!
ほとんど意識が無くなりそうになるほど緊張もピークになり・・

すれ違う瞬間、私は思いもよらない行動に出た。
私は松本幸四郎さんに「こんにちは」と挨拶をしてしまった!
松本幸四郎さんも静かに「こんにちは」と言って頭を下げて、何事もなくすれ違った。

人間、緊張がピークに達すると妙な行動に出るものだ。
すれ違う瞬間は、まるで隣に住んでいるオジサンに挨拶するような感覚だった。

握手を求めるわけでもなく、サインを求めるわけでもない、何故私は憧れの松本幸四郎さんに挨拶をしたのかよくわからなかった。

その後は、何事もなかったかのように電話をかけて職場に戻った。

職場に戻って同僚に話をすると、「えー!挨拶だけ?すごく好きなんだよね?握手してもらうとかすればよかったのに!」と全員に驚かれた。
いやいや・・・一番驚いているのは私自身なのさ(^^;

でも、よくわからないお姉ちゃんに突然「こんにちは」と挨拶された松本幸四郎さん、ちゃんと挨拶を返してくれる素敵な方だと分かってますます好きになりました。
もちろん、今でも憧れの御方です。

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