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ジンギスカン争奪戦に負けて社会の厳しさを知ったガキンチョ時代の話

小学生の頃、父に連れられて初めて会う父のいとこ(祖母の姉の子)の家に行った時、私が今まで体験した事のないショッキングな経験をしました。

その家ではジンギスカン鍋をしていて、父は大人のテーブルに、私は子供のテーブルでジンギスカンをご馳走に?なりました。

私のテーブルには、小学生高学年~中学生くらいの男の子が5人、ピチピチのステテコ上下を着た太ったオジちゃんが1人、真っ赤な顔をして既に出来上がってる感じのオジちゃんが1人。

太ったオジちゃんがジンギスカン鍋に山盛りにジンギスカン肉を焼いていて、5人の男の子達はお皿と割りばしを持って、目をギラギラさせて今か今かと肉が焼けるのを待っていた。

酔っ払いのオジちゃんは、ぶつぶつ文句言いながらビールを飲んでいて、既に周りにはビールの空き瓶が5本くらい転がっていました。このオジちゃん、ビールが無くなるたびに「ビール!」と叫び、オバチャンがビールを持ってくると、何と瓶ビールの王冠を前歯でむしり開けてたんです!その姿は、まるで特撮映画の怪獣みたいで、最初はその姿にビビって固まってしまいました(汗

あと、ジンギスカンと言えば、メインのジンギスカン肉の他に、モヤシ、玉ねぎ、ナス、ピーマンも一緒に焼くものだと思ったけど、そこにあるのは肉!肉だけ!その時点で、ちょっとびっくりしたけど、その時は野菜はあまり好きじゃなかった私はジンギスカン鍋に肉だけ大量に乗っている事に「肉がいっぱい食べられる!」と、ちょっと嬉しかったりして。

でも、すぐに絶望することに・・・。

肉が焼けたそばから(まだ赤いのもあった)、男の子達が群がるように食べてあっという間に無くなり、私の口には一切れも入らなかったんです!あんなに山のようにあったのに(涙

すぐにオバチャンが第二弾の肉を大きなボールに入れて持ってきて、太ったオジちゃんが再び肉を鍋に上げ、「今度こそ!」と私もお皿と割りばしを持って構えていたのに・・・またしてもあっという間に男の子達が奪うように肉を平らげてしまい、また一切れも食べられなかった・・・。

そんな事を4回か5回くらい繰り返し、毎回「次こそ食べる!」と気合入れていたけど、食べ盛りの男の子のパワーには勝てませんでした。

まだまだジンギスカン争奪戦は続いていたけど帰る時間に・・。

あんなに肉があったのにほとんど食べられず、結局、男の子たちの隙間から手を伸ばして食べたのは、焦げて真っ黒になった小さな肉3キレくらい・・・完全に私は負け組で、帰りの車で空腹すぎて吐きそうになったほど。

子供同士ということもあってか、お客さんだからと配慮とかこれっぽっちもなく、肉を争うようにむさぼり食べる「あんな世界もあるんだな」と、社会の厳しさを知ったショッキングな体験でした。

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