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Billsの1巡指名を考える。

いよいよドラフトまであと3日となりました。
ここ数年チームを支えてきた主力選手を複数失い、チームは2018-2019年あたりに戻った感じでしょうか、プチ再建期状態です。(Josh Allenがいる限り完全再建期になることは無い。)

とはいえ、ドラフトの順位は全体28位(1巡)と低く、これを如何に有効活用するかは見ものです。
そこで、今日は1巡の指名可能性を整理してみたいと思います。

1 夢物語- オールイン突撃 -
ここ数年のバリバリのエースレシーバーだったStefon Diggsをトレードで出してしてしまったため、彼に替わるWR1を指名するというシナリオ。
今年の候補の中には、これから数年確実にリーグを代表するであろうジェネレーションWRが3人います。

・Marvin Harrison Jr. WR Ohio St.
・Malik Nabers WR LSU
・Rome Odunze WR Washington

彼らを獲るためのトレードを想定しているMockやファンの声も少なくありません。
とはいえ、現実的にはほとんど可能性は無いと思います。

TOP10内での指名が予想される彼らを獲るには、少なくとも今年の1巡のスワップ+2025年1巡+今年の2巡+αなどと言われており、如何にも高い。
来年、2巡を2つ所持していることを差っ引いても、WRひとりにここまで投資するとは考えられません。
ましてや、アレンいうエリートレベルのQBがいるので、超優秀なレシーバーで彼を支えるという必要もなく、WR1がラストピースという状況でもありません。
そして、トレード先のチームから見ても、さすがに28位まで下がることを受け入れるとは思えません。

現実的な選択肢としては無し、あくまで妄想レベルの話。
何らかの事情で彼らがスリップしてきた場合でも、よく出して来年の1巡+Day3指名権複数、ってところが落とし所でしょうかね。

2 理想 -トレードアップ上等 -
ただ、彼らを逃すとTier2のWRまでの格差は結構あります。
Tier2と言われている選手は次の2人。
・Brian Thomas Jr. WR LSU
・Adonai Mitchell WR Texas

正確にいえば、この2人の間も多少は差があり、指名予想はトーマスが10-20位あたりが多く、ミッチェルは28位で予想されているのが最も多いです。

トーマスはサイズ、スピードのブレンドが素晴らしくGoルートを最も得意にしており、純粋なディープスレッドです。ディグスやGabriel Davisがいた時ですらディープゾーンへの攻撃が課題と言われていたチームにはこれ以上無い選手です。

競り合いにも強く、上手く育てばエースになる器としても十分。1年しか活躍していないということを差し引いても、BIG3が消えた後で彼が獲れれば理想的なでしょう。

ミッチェルはやや細身ですが、上背がありながらディープに走れるスピードもある。何よりセパレート技術が素晴らしくカレッジでのドロップが通算1.9%というのも魅力です。

ただ、気になるのはネット上の噂。
ミッチェルは、1型糖尿病患者であるものの、その体調管理が出来ておらず、特に体調が悪い時は非常に怠惰で横柄な態度となりミーティングなどでもそれが問題になることもあるとか。
そして、起因するのが彼の性格。とにかく周囲の話を聞かないらしい。その体調管理についても、オレ流でやるという態度で、それが理由かGeorgia大では上手くいかずにTexas大に転校することになった、そのような噂が流れてます。
これが本当なら明らかにチーム文化に合わないので、ボードからも外してると思います。ただ、この噂はメジャーなメディアやドラフト関係者からは出ておらず、現時点でも1巡予想されているので、問題ないかもしれません。

個人的には、トーマスを獲るなら来年の2巡+Day3ピックひとつ、くらい出してのトレードアップであれば良いかなという感じですね。これで狙えるレンジは、Max16位くらいでしょうか。

ミッチェルは元来好きなタイプのレシーバーで、当初は期待していなかったディープスレッドとしても期待できそうなので、こちらも◎。とはいえ、やはりキャラクターの問題が怖すぎる。
それが問題ないと判断した場合は、ここ最近お家芸のDay3ピックで数ピック上げてのトレードというのは許容範囲内。

レシーバー以外で、トレードアップして獲っても良いと思える選手がもう1人います。
・Laiatu Latu EGDE UCLA

本来はTOP10で消える選手。Washington大時代に首を痛め一度は引退したものの、プレー許可が出たUCLAに転校し過去2年は10.5、13.0のサックを記録。
とにかく対ブロック能力が素晴らしい。一歩目もクロージングスピードも速く、あっという間にブロックを抜いてQBに迫る。プロでも健康なら毎年10サック以上は確実に稼いでくれそうで、BUFがここ数年手に入れたくても入れられなかった選手です。

このクラスの選手を指名できるチャンスはそうそうありません。獲れるならトーマスよりも対価を上乗せしていいくらい。
今の時点でいえば届く可能性は少ないですが、健康面を懸念してTOP10から漏れるようなら考えてもいいかと思います。

(追記)
ただ、首の状態がかなり良ろしくないという指摘もあります。
彼が受けた首の手術は、他の部分への干渉もあり、手術後のプレー平均年数は3.2年。既にこの期間は過ぎており、長期的なプレーに関しては不安が大きいとのこと。

この指摘が本当なら、さすがにリスクが高いかなと。

3 現実路線 - WR補強路線 -
ここまで挙げた6人を逃すと、少しバリューとしては落ちます。ビーンGMも『1巡グレードつけている選手は28人いない。』と言っていましたので、そうなるとポジションニーズを優先するか、いわゆるBPAに走るか、ということになりますが、まずはWRの指名路線は外せません。
おそらく2巡が始まれば、WR祭りが始まるでしょうし、確実に獲るのであれば28位でとなるでしょう。

個人的に1巡指名を考えて良いと思うのは次の選手。
・Xavier Legette WR South Carolina
・Ladd McConkey WR Georgia
・Troy Franklin WR Oregon

このクラスになると、三者三様で一長一短が出てきます。

その中でも、レゲットは比較的バランスの取れた選手かと思います。ディープに抜けるスピードもありますし、競り合いにも強い。ルートが現時点では限定的ですが、うまく育てばDK MetcalfやAJ Brownのようなパワフルながらディープでも勝負できる選手になりそう。

何より、両親を早くに亡くし、大学時代もSTerなどの下積みが長い中でも努力を怠らず、ようやくブレークしたというメンタリティは如何にもBUF好みです。

マッコンキーは、Cooper Kupp2世とも言われ、既にプロでもトップクラスと言われるセパレート能力とルートランが最大の魅力。サイズの無さ、競り合いでの強さが課題で、プロではスロットでの起用に限定されるという話しもあります。
また、怪我の影響で昨年は30レシーブしかしていない耐久性も問題。
とはいえ、技術は間違いなく、この選手をスロットで色々なフォーメーションでセットさせれば、QBの負担は相当減りそうです。

フランクリンは文字通りのスピードスター。縦に抜けるスピードに加え、セパレートもスムーズ。どの位置からでも一発TDで持っていける魅力があります。
ただ、いかにも細く、これ以上のバルクアップも難しそう。ドロップ率も高く、リスキーな要素も結構あります。

個人的には、レゲットは28位でも指名良し。マッコンキーとフランクリンは2巡に出来ればトレードダウンして3巡をひとつくらい増やした上で指名したいところです。

2巡指名での可能性も含めて判断することになるでしょうが、今年のWR補強を現実的に考えるに、ビーンGMの『プロトタイプのWR1は要らない』という発言が何かのヒントになるかも。

現時点でアウトサイド起用となるWR1とWR2になり得そうな選手は間違いないのですが、Dalton Kincaid、Kaiir Shakir、Curtis Samuelというショートからミドルレンジを主戦場とする選手がいて、RBのJames CookとTy Johnsonを含めると、彼らは計算できそうです。
今年のアウトサイドのレシーバーはタイプの異なる彼らを有効活用するために、とりあえず縦にフィールドを引っ張っとけ、程度の期待をしているのかもしれません。

また、近年のKCやGBのように、優秀なQBの元、一定以上のレベルを持つレシーバーを複数起用しながら、オフェンスを最大化できるようなオフェンスプランを考えているのかもしれません。
そうであれば、必ずしもディグスに代わる選手は必要ない、と結論づけているのかもしれないです。

4 現実路線 - 他のポジション込み路線 -
ここまでなると、WRに拘らずBPA路線というのも十分考えられます。特に、今年はWRの層が歴史的に見ても非常に厚く、他にも補強が必要となるポジションがあるのは間違いなく、ポジションを絞ったBPAは大いにあります。
個人的に思う、その候補となる次の選手。
・Jackson Powers Johnson IOL Oregon
・Graham Burton IOL Duke
・Byron Murphy DT Texas
・Jer'Zhan Newton DT Illinois

Mitch Morseがいなくなり、ぽっかり空いたCenterは昨季LGのConnor McGovernを起用予定、LGには昨季リザーブだったDavid Edwardsが一番手となっていますが、もちろんこれが確定的なプランでは無し。特にセンターの重要性を考えると1巡を出すのは十分考えられます。このポジションは一度固定できれば10年は持ちますので。

JPJとバートンはそれに値する選手だと思います。パワーのJPJ、機動力のバートンとタイプは異なりますが、ユニットの柱になるフットボールIQの高さがあります。特にバートンは、チームが重視するゾーンブロックスキームにジャストフィットする選手で、彼がハズレになることはほとんど考えられない。場合によってはDay3ピックを出す程度でトレードアップできるのならそれでも良いかと思うほど。

DTもDaQuan Jonesと再契約したものの短期でのプランであるのは明らか。チームとしても、EDGEをアウトサイドのコンテイン重視の役割に当てているので、インサイドラッシュが強い選手を獲るのは非常に効果的だと思います。マーフィーとニュートンらこれにジャストフィットする選手。いずれもサイズの問題はあり、Ed Oliverとキャラが被るような感じもしますが、逆に言えばハマるのは間違いなさそう。

5 選手とのトレード
このレンジになれば、確実に指名選手が戦力になるとも言えず、むしろベテラン選手をトレードで獲るというのも方法のひとつ。
今年で言えば、SFのBrandon AiyukとCINのTee Higginsという1000ヤードを記録した実績の持つWRがトレードの可能性アリと言われいれています。
彼らについては、1で挙げた選手ほどの対価は不要と言われており、基本としては1巡+αとなるので、そこまで出血覚悟という感じではありません。

ただ、ここで大きな要因となるのはチームのキャップ状況。彼ら2人にトレードの可能性があると言われているのは、契約が難航しているのは間違いありません。
噂では、年25-30M程度はかかると言われていますし、いくらトレード時に新契約を結ぶとしてバックリロード型でも2024年のサラリーが10Mを下回ることはないでしょう。

このオフ、チームが多くの高額なベテラン選手を放出したのは、ここ数年自転車操業となっていたのをリセットするため。ようやく健全化のメドが立ったのに、それに反するような動きをするとは思えないという声も多いです。

また、現時点でのキャップ状況からそもそも現実味が無いという指摘もあります。
現時点でのキャップ枠は約2.9M。6/1にはTre’Davious Whiteの6/1リリースの分として10Mほどスペースが空きますが、それまでは契約をするとなるとこの枠内でなんとかしないといけない。トレードの場合リリースと違って制度上、6/1以降のトレード指定というのは出来ません。

要するに、ドラフト時にトレードするためには彼らの2024年サラリーのキャップ枠を確保しないといけないということ。
ちなみに、今の時点で6/1以降のトレードをウチウチに合意しておくという方法もありますが、その場合は2024年の指名権を当然ながらトレードの対価に使えません。さすがに、この時点で6/1以降のトレードを約束してくれるようなお人好しチームは無いでしょう。その場合は来年以降のトレード指名権が対価になるのも相手にとって見れば、ナンセンスです。

このシナリオを完成させるには余りにも解消すべき問題が多すぎて、そこまで無理をして獲るとは思えません。

6 まとめ
個人的な願望としては、
①Laiatu Latu
②Brian Thomas
③Xavier Legetteって感じですが、

予想としては、
◎Brian Thomas Jr.
◯Graham Burton
▲Xavier Legette
×Adonai Mitchell
という感じ。
やはり、今のチーム状況からして、BTJは理想的。今年と来年の指名権を考えると、今年のDay3と来年のDay2くらいは出すつもりはあると思います。
ちなみにこんなデータも。要はBTJの得意なルートはアレンも得意にしてまっせ。けど、Patrick Mahomesも一緒でっせ。今度こそ獲られたらあきませんで、って話。

意外と隠れ本命と思うのはバートン。ラン攻撃への依存が増えそうなことを考えると、やはりIOLは強力なユニットにしておきたい。BPA的にも28位あたりでバートンを獲れるなら美味しいかも。

レゲットは、残った選手の中では最もフィットしそう。マッコンキーも好きだし、フランクリンの速さも魅力。うーん、結局誰でも良いか。。。


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