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コミュニティーの水源管理を支援するソリューション SUNDAの紹介

2019年2月2日 
本業の宅配事業とは別に、昨年春に数名の仲間とウガンダの田舎で、コミュニティ水源(井戸など)の料金徴収システムを開発し、10月よりトライアルを行っています。(Sundaと呼んでいます。)

昨年(2018年)の2月頃に着想を得て、アフリカの田舎の水源管理に関わっていた人、協力隊の水セクターの人などから意見を得て、スタートしました。

私自身は本業があるため、後方支援のみですが、現場では協力隊の方を中心に現地エンジニア、コミュニティのメンバーが日々奮闘しています。

本業が忙しく、中々現場に行けなかったのですが、先日、機会を得て、日本企業の方々の同行で現場へ行ってきたのでご紹介します。。

Sundaとは?
そもそも、Sundaは、センサーデバイスで使用量管理、クラウドでのモニタリングと情報公開、モバイルマネーによる利用料課金(pay-as-you-fetch : PAYF)をするプロダクトです。

こちらWebサイト:http://sunda-banana.com

日本語の動画:https://youtu.be/bldfejKH_MM

先進国と違い、水道の普及率が低いウガンダ。特に田舎では、町の中心以外では水道は行き渡っておりません。

とはいえ、水は人間生活の必需品。そのため、コミュニティが自治管理する水源が全国各地に多く設置されています。ウガンダのコミュニティ水源は10万以上と推定されています。

コミュニティ水源自体は、地方行政、国際機関、NGOが無償で設置しますが、修繕維持管理はコミュニティに任されています。政府は、各水源毎にコミュニティの管理組合WUC(Water User Committe)の設置を求めています。

しかし、WUCは基本ボランティアベースで、きちんと料金徴収をして、維持管理できているところは多くありません。

日本でも、マンションの自治体で、10年後にエレベーターを修理する修繕費を集めるので、毎月1万円払ってください。と言われても、きちんとした管理会社を入れていなければ、住民だけではうまくいかないケースも多いでしょう。

まして、ウガンダの田舎。。別に払わなくても水源は使える。今はタダで使えるからいいよね。と、お金を払うものが損をしている雰囲気になり、数年後に本当に修理が必要な時にお金はなく、故障し、せっかく作った水源は使われず、また汚い水に戻る。

または、お金を払っていたが、管理が杜撰で集金したお金が消えてしまう。使い込まれていた。。

これで、コミュニティの社会関係資本(Social Capital:信用など)も失われていきます。

数年後に、近くに別の水源が出来ても、『また、数年前と同じでしょ?すぐに使えなくなるよ』と否定的な雰囲気が広がります。

これでは、せっかく作っても持続的に使われません。。

多くの場所で、この負のスパイラルが蔓延しています。

そもそも、村の人にとっても決して高額ではない月額使用料(修繕費)を現金で各家庭(100世帯など)から集める事。同じ村に住んでいるとはいえ、面倒です。やりたくありません。。。

であれば、水源管理の住民負担を軽減させ、適切に維持管理し、持続的に使えるようにするシステムを提供すればよい。

というのがSundaというソリューションになります。

詳しくは上で挙げたWebや動画をご覧ください。

Sundaの設置現場
先日、そのSundaの初号機を導入した場所へ行ってきました。

私自身、設置された現場へ行くのはこれが初です。(中々本業が忙しく、カンパラを離れることが出来ません。)

場所はカンパラから2-3時間の距離にある田舎町Gombaです。

ウガンダでは主流なハンドポンプの井戸に設置しています。

井戸

Sundaが設置された井戸
昨年7月頃から開発が始まり、これまで7-8回、作っては直しを繰り返し、やっと稼働するプロトタイプが完成しました。

RFIDの入った札を掲げるとユーザー認証をして、お金を払っている人はバルブが開き、ハンドポンプの取っ手を用いて水をくみ上げることが出来ます。(お金を払っていない人はバルブが閉じたまま)

tag利用

RFIDタグを入れるとユーザー認証が行われ、ロックが外れる。
現在は20Lジェリカンあたり50UGX。事前に村人と協議をして合意した金額です。

お金の徴収は、今のところはモバイルマネーを使用し集金しています。

支払状況、使用状況はWeb上に公開されており、住民は閲覧することが出来ます。

Sunda仕組み

今後について
今年は少なくとも5-10箇所へのパイロット導入、ニーズに合わせた製品改善、サービス改善、効果測定、次年度の大規模展開の準備を計画しています。

将来的には、水資源に限らず、コミュニティで公益自治で管理するようなインフラやサービス(電気、教育、グループ保険、貸付組合など)にも応用していけたらよいなと思います。

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