理想のチームに向けて
2018年12月8日
ここ1か月ほど、事業的には色々な困難な課題が降り注いでいるのですが、多くのスタッフが自分事として積極的に動いてくれています。(ちょっと嬉しかったので走り書きします)
元々は人材育成からスタート
5年ほど前にウガンダで起業した際、最初の事業は人材育成事業でした。
プロのサラリーマンを育成したい。
これが私の最初の事業のMissonでした。
※サラリーマンとは、組織や企業の中で働く人材という意味です。
社名のWBPFはWorld-class Business Professional Fundamentalという長ったらしい名前で、世界に通用するビジネスプロフェッショナルのベースを付ける。みたいなイメージです。
大企業の中間管理職以上のポジションが、他国出身の人材によって取られているウガンダ社会。
企業や組織は現地の人材を雇いたい意思はあっても、管理職を担える人材が育っていない現状があります。そこには、欧米人や中国人、インド人に加え、ケニア人、ナイジェリア人、南ア人などが採用されています。
会社の中間管理職以上を担えるプロフェッショナルな人材を育成したいと思い起業しました
さて、そんな思いをもって起業したこともあり、社内のスタッフには、オフィスワーカーだけでなく、宅配ドライバーであってもプロフェッショナルなマインドを持った人材を育てていきたいし、そういう人たちに囲まれて仕事をするのが理想だと思っています。
ウガンダで事業をする中で、これは相当な理想論であることは承知していますし、多くの方に、妥協しないとお互いに(私もスタッフも)疲れてしまう。というアドバイスを頂きます。その通りだと思います。
ウガンダで事業をする目的は、あくまでウガンダ社会に対して貢献する事。そして、ウガンダ発のサービスで世界のイノベーションに貢献する事なので、ウガンダ人スタッフを育成することは最終ゴールではありません。
それは承知の上で、理想論でも良いので、少しずつ、理想のチームを実現を目指してきましたし、これからもする予定です。
当事者意識が芽生え始めたチーム
ここ数か月の困難な状況がスタッフたちの当事者意識を刺激しています。
困難な課題は本当に大変なのですが、チームに共有する事で、皆が自分の問題として考えてくれるようになっています。
以前は、会社にとって大変な問題が起こり、私が問題提起しても、他人事でした。
ミーティングの時は、色々と意見を言いますが、数日経った後に誰もフォローしていない。という事が多々ありました。
『Junがフォローしていると思った』
『xxがやるんじゃないの?』
『あー、それは難しいよね。』(じゃあ、どうするの?がない)
のような他人事でした。
しかし、ここ2年、口を酸っぱく言っていた甲斐もあり、最近は自分事として捉えてくれる機会が増えてきました。
以前は、『じゃあ、この問題に対してどう対応したらいい?』と聞くと、
・誰も発言しないで、シーンとする。
・(自分はやらないけど)、こうすればいいんじゃない?と、批判屋のような意見をだす。
・こうすればいいんじゃない?とアドバイスはするが、非現実な案を丸投げする。
・それは、Director(私)が決めるモノでしょ。従うから言ってくれ。のような発言をする。
最近は、
『自分でこういう風に対応したいがどう思うか?』
『先方と、こういう風に対応してくるので、こちらの思惑通りにいかなかったら、報告するよ』
『自分がこういう風に動くので、Junはこういうサポートをしてほしい』
という発言が増えました。
こういう発言が増えた時に、涙が出るくらい嬉しくなります。
営業を任せた宅配ドライバーの例
例えば、
宅配注文が少なくなり、空き時間が多くなってきたので、ドライバーに街中で営業するようお願いしました。最初は嫌がる人も多かったのですが、ちらほら、営業を楽しんでくれる人が出てきました。
そのうちの一人は、当初は、自分はクビにになるのでは?という不安もあり、営業活動にはネガティブでした。
しかし、数週間の間に、一番積極的に動いてくれています。
『あの会社はBidding(入札)なんだけど、入札プロセスはこんな感じだから、早めに申請した方がいいんじゃないの?』
『この業界は、会社案内のような資料作って話さないと、我々のような零細企業は相手にされない。会社案内作って配ろうよ。』
のような発言が続きます。
宅配のアレンジをするオペレーターの例
また、オペレーターの一人は、オンラインショップのオーダーがキャンセルになる率を下げるべく、色々な案を検討してくれています。
数か月前は、相当口を酸っぱく、キャンセル率の分析をして、理由を考えて、解決策を考えてくれと言っても、分析はしてくれ、こちらから尋ねれば報告はしてくれるのですが、
『じゃあ、この結果に対してどう思うの?』と聞いても、『うーん。良くないね。』でその先が続きませんでした。
また、当初は、キャンセル率を下げる事自体が自分の仕事だという感覚もありませんでした。
それが最近では、
『固定のオフィスや家のアドレスを書かないで注文する人は、最初の確認の電話でOKといっても、その後に電話に出ずにキャンセルとなるケースが多い。だから最初の電話ではxxxx』
『お客さんからxxな質問を受ける。我々(宅配会社)として答えるべきじゃない質問だけど、言い方を工夫すれば、答えてもいいのではないか?』
などのTacticsに富んだ回答も出てくるようになりました。
まだまだ、一例に過ぎないのだが
もちろん、多くのケースではまだまだな部分も多いです。
ただ、こういう当事者意識を持った発言がポコポコ出てきた事は、大きな一歩だと思います。
この文化を社風として根付かせれば、新しく入ったスタッフも、私が直接育成するまでもなく、周りに染まる形で当事者意識をもって仕事してくれるようになるのかなと期待しています。
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