ウガンダ人採用の実態(3)
2018年5月19日
前々回、前回と、1)書類選考、2)電話確認、3)一次面接のポイントを紹介しました。
今回は、2次面接のポイントです。ドライバーの場合、現在は二次面接がほぼ最終面接となっています。
ここが採用の大きな肝であり、今でも悩むポイントが多い部分になります。
4)二次面接
以前はもう一つ面接を入れていましたが、期間短縮のため、二次面接を最終面接としています。
今のところは、私一人で、一応募者あたり、1時間程度をかけてじっくり話をしていきます。
一次面接で、スキルや要件、勤務条件の確認をしているので、
二次面接での主なポイントは、人間性、理解力(Intelligence)、モチベーション、キャリアゴール(ライフプラン)などの人となりを確認し、弊社と合うかどうかを確認していきます。
(二次面接で、スキルや要件を気にしなくていいのは、本当に助かります。)
また、応募者側からも『この会社の仕事が自分にあっているのかどうか?』をきちんと考えてもらう場にしています。
(応募者にオープンクエスチョンを投げかけても考えてくれない事が多いため、こちらから、色んな観点で質問し、確認してもらいます。)
この二次面接が一番難しく、悩むポイントとなります。。。。
代表的な確認項目(質問)が以下です。
①人生の夢、ゴール、キャリアプラン、ライフプランは何か?
大半の応募者が、そんな先のキャリア・人生設計を持っていません。また、持っている場合でも、この時点では本音で話してくれません。
それでいいのです。。
ただ、ここでチェックしているのは、彼らのキャリアゴールでも夢でもなく、
・質問の意図を理解しているか?
・誤魔化さないか?(正直に答えてくれるか?)
などを確認します。
しかし、そんなにうまく行きません。。。
よくありがちな問答を紹介すると。。。。
伊『人生の夢、ゴール、キャリアプラン、ライフプランは何ですか?』
応『夢をかなえたいです。』
伊『分かりました。あなたにとっての夢とはなんですか?』
応『夢とは、自分が将来なりたい事です。』(夢の定義を説明しようとする)
伊『いや、夢の言葉の定義ではなく、”あなた”の夢を聞かせてください。』
応『(沈黙)』
または
伊『人生の夢、ゴール、キャリアプラン、ライフプランは何ですか?』
応『ビジネスしたいです。』
伊『なんのビジネスですか?』
応『特にありません。』
伊『起業したいってことですか?自分で会社を持ちたいと?』
応『はいそうです。』
伊『わかりました。』(ここで深く突っ込んでも時間の無駄。。)
伊『では、なぜ、この会社なのですか?この仕事なのですか?』
応『スキルを磨きたいです。』
伊『何のスキルですか?』
応『(沈黙)』
・・・ここで何度か押し問答があり、・・・・
応『バイクの運転スキルです。』
伊『それは、自分でビジネスする夢・目標のためですか?』
応『そうです。』
伊『どうしてバイクの運転スキルをつけると、ビジネスしやすくなるのですか?』
応『マネジメント力です。』
とまぁ、こういう意味不明な会話が続くわけです。。
②応募者の経歴、志向に矛盾がないか確認
履歴書を元に、一次面接の結果を元に、
なぜ、その学校を選んだのか。その選考を選んだのか。
なぜ、そのタイミングで学校をやめたのか
なぜ、その仕事を始めたのか、
なぜ、カンパラに来たのか
なぜ、その仕事をやめたのか
などじっくり話を聞いていきます。
半数くらいの応募者は、意味不明な回答を連発します。
そして、その矛盾点を深ぼると、隠したい過去などが見えてきます。
代表的な例は、仕事を辞めた理由です。最初は自分からポジティブな理由で辞めているのが多いのですが、矛盾点をつくと息詰まります。
そして、面接後にバックグラウンドチェックで前職の上司に確認すると、バックレた、お金を盗んだ、などの理由が出てきます。
③なぜ、この会社、この仕事に応募したいのですか?
一発できちんと答える人は少数ですが、深ぼると、『お金』『家族を養うため』『定職に就きたい』が大半です。
ただ、皆さん、とってつけた回答が多いので、本音を知るのに時間がかかります。
応『スキルをあげたいです』
伊『何のスキルですか?』
応『スキルです。』
伊『だから何の?』
応『スキルをつければ暮らしがよくなります。』
伊『・・・・』
とまぁ、不毛な押し問答が続くときも多いわけです。。
④なぜ、弊社はあなたを採用すべきですか?
この質問はとても重要で、示唆に富んでいるのですが、ドライバー応募者の場合、何度も何度も質問の意図を噛み砕いて説明する必要があります。
これまで、マネジャーレベルの採用も含めて、ちゃんと納得した答えを出せる人はほぼいません。
ウガンダの一流大学卒の応募者に聞いても、半分は質問の意図さえ理解してくれません。。
この質問には、以下の示唆があります。
会社がどんな人材を求めているか?その要件が分かっている事
競合となる他応募者のプロフィールが想像できている事
自身が競合と比べて、要件の中で特質すべき点が理解できている事
そして、その特質すべき点を、面接の中で、相手に証明できる事
よくある問答は、(何度も意図を説明した後に)
応『スキルがあります。』
伊『どのスキルですか?』
応『運転できます。』
伊『はい。みなさん、運転できる人しか二次面接には来ていません。なぜ、あなたであるべきなのでしょうか?』
応『(沈黙)』
応『自分がベストだからです。』
伊『どうしてそう思うのですか?』
応『雇ってみればわかります。』
伊『そうなのですが、皆さん同じ事を言います。雇ってみないと分からないでは、判断できません。過去の経験などを踏まえて、説明頂けませんか?』
応『(沈黙)』
応『私ならば、目標を達成できます。』
伊『目標とは具体的に何ですか?なぜそう言い切れますか?』
応『与えられた仕事をちゃんとこなします。』
伊『それってなんですか?それを聞きたいのですが。。』
応『目標を達成します。』
伊『・・・・』
応『私は信頼できる人間です。持ち逃げなどしません。』
伊『そうですか。この場でどうやって私に証明できますか?』
応『雇ってみればわかります。』
伊『そうなのですが、皆さん同じ事を言います。雇ってみないと分からないでは、判断できません。私がこの場で判断できるように、説明頂けませんか?』
応『(沈黙)』
とまぁ、一事が万事、このように進むため、今日のように3件の面接をすると、どっと疲れます。。。
上記の押し問答が続く事が多く、普通に判断すると誰も残らなくなります。。
そうはいっても、採用しないわけにはいかないため、妥協をします。
そのため、一次面接でパスさせたマネジャー(現地スタッフ)と二人で、私の判断ポイントを伝えた上で、
誰を残すか?
どんなリスクがあるか?
そのリスクは後から判断出来るものか?どうやって?
バックグラウンドチェックで確認できる事はあるか?
などを話し合っていきます。
さて、次回はバックグラウンドチェックです。
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