ウガンダの人材採用 (3)スローライフの最先端を行く国民性
2016年9月16日
これまで、東アフリカを中心に、ウガンダ以外では、ケニア、タンザニア、エチオピア、ルワンダ、マラウイなどで仕事をしてきましたが、ウガンダ人の大きな特徴に、スローライフがあるかと思います。
※前回
”ハングリー精神”と”タフネス”
ウガンダに来て、”ハングリー精神”と”タフネス”は大きく違うのだと認識させられました。
ウガンダも貧困国なので、収入が少なく、我々からすると大変な生活をしている人は多くいます。まぁ、タフだなーといつも感心します。それは他の国でも同じ。
ただ、そういう環境にいると、特に若者などから『俺は、xxで頑張って、この環境を変えて、Bigになるんだ!』とか『私はこの村の貧しい状況を変えたい。そのためにこの活動をしているんだ!』という大きな夢を持った人に出会い、彼らは死にもの狂いで寝る間も惜しんで頑張ります。そういう姿をみて、結構勇気づけられる事もありました。
例えば、もう6年来のケニア人の友人(サンブル族というマサイ族に近いユニークな民族)などは、出会った当時は、オーナーから乗用車を借りて運転するタクシー運転手でした。
しかし、睡眠時間を3時間程度(それも車内で)としながら、固定客をつかみ、サンブル族の格好で空港に迎えに行くなどして観光客を掴み、そこから自分で車を買い、2014年に会った時には車を4台もち、ドライバーに貸し出す小さなタクシー会社を運営するまでになっていました。
彼の例は極端かもしれませんが、結構こういう方々に出会う事がありました。
ウガンダでも、もちろんいるのですが、中々そういう方に出会う機会が多くありません。
”豊かな”カンパラの気候
ウガンダでも、首都のカンパラがあるセントラルエリアでは、非常に気候に恵まれていて、基本的には食べ物に困らないと言われています。(北部などは大変と言われていますが、基本的にはセントラル、東部、西部は同じ状況かと思います。)
事実、ナイロビのような巨大なスラムはなく、スラムといっても小規模なものが散在しています。貧しいが、飢饉(食うに困る事)はあまりないと言われています。(誤解のないように伝えると、もちろん、飢餓で亡くなる人がいないわけじゃありません。相対的な話です。)
そんなノンビリした国民性のウガンダ人。
ハングリー精神がないと人材育成上は結構大変だったりもします。自分が頑張って変わろうというモチベーションには中々繋がらないからです。
(もちろん、これはこれで素晴らしいのですが、お客様からお金を貰ってトレーニングする身としては、自ら変わる意思を強く持てない方のトレーニングは大変です。)
これまで、延べ300-400名以上のウガンダ人社会人をトレーニングしてきましたが、回数の多いトレーニングで、必ず、個別面談で彼らの夢を聞くようにしています。
『あなたの夢は何ですか?』
最初のうちは皆さん、色々と言います。『この会社で支店長になる!』『起業して金持ちになって、世界中を飛び回るビジネスマンになりたい』『この会社で営業でトップセールスになる』とか何とか。。
しかし、どんどん突っ込みを入れていくと・・・・
これまで70-80%の方々から聞いたのは以下のようなものでした。
『良い仕事に就いて金を貯める。30代中盤くらいまでに貯金を作って、そこから、カンパラで良い不動産を購入して、田舎に戻って、自農作をしながら、家賃収入でのんびり暮らす。』
というもの。
これまで、他の国でも同じような事を聞いてきましたが、これが多数派なウガンダには大変驚きました!!
足るを知る
これはとても素晴らしい事だと思います。今日本で言われているスローライフの最先端ではないでしょうか。
日本のスローライフは、一度富んで一定水準まで行って人々が『おれら、ここまで必要なくない?』という原点回帰のような現象かな?と考えています。(テレビが一人一台以上いきわたってみて、やっぱりそんなにテレビはいらないよね?みたいなイメージでしょうか。)
その水準に達するまで、足るを知る。という感覚を持てないのであれば、現在発展途上の多くの国々の需要を満たすだけの資源やキャパシティはあるのか?と心配になる事もあります。
勢いがあり伸びているウガンダで、このスローライフが根本にある事は興味深いと思っています。
今後のウガンダは?
これはとても素晴らしい事だなー!と思いつつ・・
では、この生活がずっと続くのか?と考えた場合に、そこには疑問があります。。
経済成長中のウガンダ。経済政策的にもとてもオープンにしています。そのため、他国から多くの優秀な人材や起業が流れ込んでいます。人材競争で他国に大きな後れを取っている事実があります。(隣国との労働生産性の違いや中間管理職以上にしめるウガンダ人の割合、若者失業率などはまた機会のある時に記載します。)
このままでは、隣国の経済的な植民地になってしまうのでは?という危機感も感じていたりします。
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