Favero Assioma DUOをSPDに換装する話

このノートのコンセプトに反してこれは一部でさんざん書かれている話なのだが、改造Assiomaを売りに出すことと、一部誤った理解や危険な状態が散見されるので書いておきます。

結論:AssiomaにCXPペダルやその他話題のペダルをつけるのはやめとけ。やるならCXWXC CX-151の方が簡単ただし、自己責任。

話の出元は2019年にまでさかのぼる。トレイナーロードのフォーラムでFavero AssiomaのパワーメーターペダルにXPedoのSPDボディが付くとなり祭りとなった。

当初はm-force4という高級ペダルで確か3-4万円していたし、あまり流通もなかったがCXRという2万円程度のペダルが付く、ということで俄然盛り上がり日本でも一部で話題になっていた。

CXRペダル

ただ、「ポン付けできない」「回転超重い」という意見が少しだけ見れていて、自分としてはランニングチェンジがあったかな~程度で静観していたのだが、どうもナットを緩く締めてロックタイト(青)で緩み止めにしていたようだ。これは危険すぎる。 ロックタイトは適正トルクで締まっているものの緩みを防ぐものであって、ユルユルのボルトを固定するものではない。

日本でもスクミズさんが片面ペダルで実施していたが、彼がどのようにこの問題を回避したかは不明。緩く締めてロックタイトでも短期的にはまぁいいと思うが、オイルリテーナーを抜いたのかもしれない。1mm弱ペダルが左右に動きそうだ。彼と同じペダルでやはり締めこめないと言っている人の書き込みを引用しておく。

Same issue as others, can’t torque the inner bolt to the recommended value.

trainnerroad forum


ここで状況を上手に説明したエンジニアが現れる(俺じゃないよこんなにきれいな絵は描けない)。つまるところ、想定しているベアリング間距離がAssiomaは26.5mm, Xpedoは27.7mmと異なるのだ。短いassiomaスピンドルでエンドボルトを締めこめば、アキシャル負荷過大でまともに回らないだろう。 オイルリテーナーを除けば2.5mm稼げるが今度は長すぎて1.2mm程度左右にぶれるペダルになる。これではペダリングのたびにロックナットやベアリングに打撃を与える構造でやはりによろしくないし、最悪テーパー箇所から折れる可能性すらある。


上半分がストックの状態、下はAssioma軸にXPEDOボディでリテーナー有と無しを書いている。

ややこしい話を書きまくってすまないが、つまりAssiomaにCXPボディを付けたらOKみたいな簡単な話ではなく、どうあがいても安全なペダルにはならないよ、という話。

もちろん、定期的に緩みをチェックしてロックタイトを付け直せば問題は出ないかもしれないが、これは厳しいと思う。自分はライドでも部品でも割とリスクをとっていく方だと思うが、ダメなものはダメでアウト判定した。

で自分がどうしたか、というのは長くなるので後編へ。これもマシ、というだけだが。

次回はこれのやり方を書く。

後編というか追記

skmzさんとX上でお話しして、だいぶ情報開示がなされたので、後編は書かずにここに追記する。もし実施される方は、以下のツイートと前後の流れを熟読、理解し、そしてご自分でリスク管理を行なって実施してください。 これはあくまで「こうしました」という開示であって、私や他の誰かが何かを保証するものではありません。 使用法や使い方によっては故障や事故を招くかもしれないし、あるいは逆にもっといい結果になるかもしれません。

もう20年ちかく自転車にのっていて、ネタは色々あると気づきました。できるだけ他では語られないコンテンツを書いてコミュニティに貢献していこうとおもっています。 いつかどこかで一緒にライドしましょう!
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