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聞いてみたら、台湾に帰った後、みんな変わったって!?/河和田微住

文:蔡 奕屏(yiiping)
攝影:Jerry Wang、曾 祈惟(太一)
翻訳:伊藤ゆか

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微住が終わって2ヶ月が経ったが、今もまだ時折まぶたの裏にinstagramで見た、メンバーたちがシェアした微住中の写真を思い描く。うっかりアプリを開けると、あの時の古民家や、突然降ってきた雪を見てしまって、ついつい思い出の中に沈み込んでいってしまう。

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後になってから皆んなとゆっくり話して気づいたのだが、時々思い出の中に没入してしまうのは私だけではなく、微住の記憶は皆んなの心の中に特別な因子として留まっているのだ。微住を終え台湾へ帰った後、私たちはそれぞれに日常生活の中へと戻っていったが、何やらひっそりと変わっていたようだ。

ちょっと不思議なかんじで語り始めてしまって、微住の怪しい広告みたいになってしまったので、広告疑惑を払拭するために、以下に簡単に微住者たちの台湾帰国後の心境を抜粋する。

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台湾帰国後の変化が最も不思議なかんじだったのが、最も感性的な、映像作家である太一だ。彼は「生活が以前のように窮屈じゃなくなった」と語る。

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このような形容は、そのまま受け取るとどうも漠然としているが、同様に感性が鋭いBuBuちゃんも「私も太一の思いが理解できる。私も同じように感じているもの」と語っていた。彼女は「元々台湾で生活していた時は、ひとつの混み合った円の中にいるように感じていたけれど、微住の後、その円はもっと大きく広げられるんだと気づいた」と言う。

これもまた抽象的だが、彼女は補うようにこうも言っている。「以前の旅行は、どれも仕事とは切り離されていた。でも、それに比べて微住は、私に皆んなと一緒に仕事をする達成感をもたらしてくれたし、自分の能力を使って福井で何ができるかに気づかせてくれた。台湾に帰ってから、自分が専門とする仕事に多くの可能性があることに気づいた」。

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Debbieちゃんもまた、自分に多くの可能性があることに気づいたメンバーだ。彼女は、以前ルームメイトとよく「家のドアを開けて、外国人旅行客をもてなそう」と計画を立てていた。しかし考えるには考えたものの色々想像して躊躇してしまっていたところ、微住でたくさんの日本人の友達と喋り、どの人も皆んなとても面白いのだと気づき、それが彼女に多くの自信を与えることとなった。そのため、台湾に帰ってきた後、すぐに行動を伴う具体的な計画を始めたのだそうだ!

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台北のベンチャー企業から来たJerryは、既存の仕事を超えるチャンスを掴むのが困難だと感じると、違う専門分野の人や、違う職種の人と一緒に「仕事」をする。全く新しいチームや場所・文化で、自分自身を多様な考え方による刺激の中に短期間おき、成長させる。台湾に帰ってそれまでの仕事に戻った後に、新しい思考や見方が生まれたという。

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最後にSakanaちゃんは締めくくるように、皆んなが微住を経て「旅行」というものに対して衝撃的ともいえる感覚の変化を体験したことに言及してくれた。彼女は「以前は国の外へ出るのは全部様子見のためだったから、こんなふうに『働く人』として地方に長期滞在するだなんて思ってもみなかった」と言う。土地の文化をより深く体験し地元の人と仲良くなることで、一般的な旅行とは異なる濃い思い出を作り、より深く繋がったのだ!

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私自身のことを言うと、目下のところ千葉に住んでいて、皆んなと一緒に台湾へ帰ることはできなかった。ただ、微住の後に人生のステージに細い線が刻まれ始め、変化するという経験をした。私もまた皆んなと同じように歩んだのだ。

いったいどう言うべきか……日本のたくさんの都市と地方を訪れてきたが、どの地方もみな独特な美しさがあり、特有の良さがあった。けれど福井は、本当に不思議なところで、もし一言で言い表すならば「粘り強さが特別に強い」。福井での微住期間は正直なところ短かった。けれどその短い数日間に、地元の人が心を開いて親切にしてくれたことが、はっきりと分かった。また、それぞれのもてなしに心がこもっていた。包み隠さずに言えば、日本の関東首都圏に慣れていた私は、あんなに温度の高い厚意に接してちょっと驚いた。また同時に、相手のために自らのことを投げうつほどの厚意を分かち合うことで、私たちの心の扉を開き、お互いに心を通わせる気持ちになった。

私の大学院での研究テーマは「外国人の関係人口創造」で、元々は研究動機というものが無かった。それが生まれてから、福井を研究対象に入れることはできないかと考え始めた。研究・分析をしながら、独自の方法で福井と長く続く友誼を結べないだろうか……さらに、福井で得た様々な素晴らしいものを無駄にせず、独自の方法でフィードバックできないだろうか……。

要するに、福井は粘り強い。新型コロナウイルスの災禍がいつ収束するのかは分からないが、今回の微住者たちに「一度来たらまた来たくなる」と思わせた、一期三会の場所なのだ。

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