河和田での”to do list” =夢の漆自転車に乗る/河和田微住
文 : 蔡 奕屏(yiiping)
攝影:Jerry Wang
翻訳:伊藤ゆか
もしあなたが河和田の漆器工房や眼鏡工房、雑貨屋を一軒ずつくまなく見たいのならば、散歩するのが一番良い方法だ。
けれど、もし日が落ちる前に、色々な夕焼けの風景を見飽きるまで見たいのならば、自転車に乗った方が良いだろう。風に乗ったように早く進めるのだから。特急「しらさぎ」を追いかけて、一緒に走ろう。
ここ数日は温かい日が多い。日が落ちるとちょっと冷えるけれど、紅色に染まる地平線はとても美しく、感嘆を禁じ得ない。急いでコートを着てカメラを持ち、デザイン事務所TSUGIが運営する「TOURISTORE」で自転車を借りる。こんな調子で自転車に乗って出発だ。
思った通り、桃色を従えた黄金色の地平線もまた、私たちをけして失望させない美しさだ。もちろん夕日が西に沈むのにつれ、気温はどんどん低くなって自転車のハンドルを持つ手も徐々に冷えてくる。けれど、地平線の雲、山の尾根の樹影、そして日が暮れると灯される車のライト───まるで一幅の絵のように全てが美しい風景だ。
私は一緒に自転車に乗って動画を撮影していた太一に言った。
「もし私が監督で、こんなふうに自転車に乗った風景を撮ることになったら、絶対にとっても興奮する」
太一はこれ以上ないほど同意して「本当だね」と言った。
「絶対にたくさんの撮影機材を持ち込むよ。左、右、後ろ、上、それから近景に遠景、引きも寄りも」
それから話しておかなければならないのは、たいへん美しく、普通とはかけ離れた自転車のことだ。これはデザイン事務所TSUGIのアイデアで、越前漆器共同組合の「漆淋堂」と人気自転車ブランド「tokyobike」が共同開発した河和田の伝統漆工芸の技と、現代的な美しさを十分に兼ね備えた自転車だ。
自転車を借りる時、デザイン事務所TSUGIの新山さんが「これは日本の自転車ブランドのものだけれど、自転車のフレームは台湾で作られているんだよ」と教えてくれた。そう言われてみると、この自転車たちは「微住」のコンセプトにぴったりハマる。日本と台湾、伝統と現代!
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