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買い付け旅チェコ編

私はチェコに2週間滞在しました。これは、プラハを中心としてハンガリーやオーストリア、ドイツを回ろうと考えていたからです。

アンティーショップと工房、工場巡りで2週間過ぎるとは渡航前の私は全く考えていなかったです。

チェコに行ったらヤブロネツニソウというガラス工芸が盛んな街に行くことが目標でした。

かなり詳しくビーズショップの情報をブログやサイトに載せてくれているし、私もそこを参考にまわりました。

初めてヤブロネツに行った時、
日本とは圧倒的に違う量や種類に驚いたものの、
このままショップを回って終わりで良いのだろうかという謎のモヤモヤが出てきました。

それでも初回はガラスミュージアムを楽しんだり、
2、3時間お店に滞在したり
満喫したのですが

ガラスミュージアム、また行きたいな

調べてみるとガラスボタン工房を見学できるということを発見し
ホームページから問い合わせをしてみることにしました。
すると返信があり、今は工房で作業していなくてほとんど家で仕事をしてるけど
ボタンはたくさん見せることはできるから来ますか?と返信がありました。

私はすぐ行きたいですと返信しましたが
なぜか4日も返信がなく、、

やっぱり縁がないのだろうか。。諦めようかなと思ったのですが
ここは海外、多少しつこくしても大丈夫だろうと思い
行きたいです!今回ダメならまた近いうちに来ますから次お願いしますとメールを送りました。
なぜかすぐに返信がきて、無事にガラスボタンのオーナーに会えることになりました。

2回目のヤブロネツ
1回目は寒かったけど、2回目はあまり寒さを感じませんでした。


私がバス停で待っていると
オーナーことアドルフさんが現れて、声をかけてくれました。
『あなたもトモコなの?今日は別のトモコがいる。騙されたのかと思ったよ』

初めは何を言ってるのかしらと思ったけど
アドルフさんの車の中には別のトモコさんがいらっしゃいました。
聞けばトモコさん、前日にチェコに来てヤブロネツニ来るのは急遽決めたらしい。

夜にメールしたら、8時半に待ち合わせでとアドルフさんからメールが返ってきて来られたと。
4日間返信がなかったのはこの奇跡の出会いのためだったのだろうか。

3人で隣の村にあるアドルフさんのお家まで行きました。
途中ものすごい霧のうえ山道で、ガラスボタンを見る前に死んだらどうしようと思いましたが、無事につきました。

ガラスボタンを作るための道具を見せてもらいました。

出来立てのガラスボタン

出来立てのボタンがクッキーみたいな並んでいたのはとても印象的でした。
これがあなたのファーストチェコボタンだよと言って渡された
お花のボタンは一生忘れないでしょう。

それからお家に行って
色々お話ししながら、ガラスボタンを見せてもらいました。
かなり種類が多い上、どれも本当に素敵でずっと見ていても飽きない感じです。

こんなにたくさんの種類を見たのは初めてでした。


ヤブロネツの中心地まで送ってもらい、トモコさんと街を散策することにしました。話していると私たちは似たような業界で働いていたことがわかりとてもびっくりしました。偶然って面白いですね。

トモコさんはその日にオランダに行く予定だったけど
予定変更してプラハに1泊滞在し、蚤の市を一緒に回ることになりました。
不思議なもので、誰かと一緒に行くと全く違うものに目が入ったり
面白いものが見つかったりして、1人で行くより何倍も楽しかったです。

蚤の市を回った後、疲れたし寒かったのでカフェで休憩しました。
トモコさんが、蚤の市で見つけた大量のヴィンテージビーズのサンプルを一緒に見ていたんですね。
そうたしら、紙の裏に住所が書かれていて
『チェコスロバキアだからもうこの会社はないのかな』と言いながら
トモコさんが調べてくれました。

『まだこの会社あるみたいだよ!HPをラインに送ってあげる
もし行けたら訪ねてみたら』

今思えば、この古い住所が私の運命を変えたなと思っています。
そしてトモコさんに出会えなかったら、
今回の買い付けは、中途半端な感じで終わっていたかもしれません。

この日の夕方、オランダに行くトモコさんを見送って、
部屋に戻り、早速問い合わせをしてみました。そうしたらかなり丁寧に返信が返ってきて


そっか、こんな風に探すのもアリなのかと思った私は
色んな工場工房、メーカーを調べ問い合わせをして会いに行くということを3日行いました。

正直、ヤブロネツにこんなに沢山行くことは計画していなかったのですが、

チェコはフランスみたいに日本からの直行便もないし
ましてやこの小さな町に次来れるにはいつなんだろうか。
もしかした今回が最後かもしれないと思ったら、恥ずかしさも言葉の問題も
疲労感も全てなくなりました。

とにかく探偵になった気分で、本当にすみからすみまで調べたと思う。

こんな所にアジア人がいるのが珍しいためか、バスの運転手に顔を覚えられていたのは良い思い出です。

いろんな人にあったけど
フランスと同じで、嫌な顔せずに私の話を聞いてくれました。

一番印象に残っているのは
ガラスメーカーを訪ねた時。小さな会社で場所がわからず迷ったほど。

上品な感じのおじさんが優しい笑顔で迎えてくれました。
1時間ぐらいおしゃべりをして、いろんなことを教えてくれました。

ここ3年でガラスビーズ、ボタンを巡る環境が激変したこと。
職人が別の仕事や引退をして、工房が減っていること。
原材料の高騰など。

少し悲しい表情だったことを覚えいています。

私は、正直日本にいる時安く売ることばかり考えていました。
というのも私の中に少しでも安くしないとお客さんが来てくれないと思いがずっとあったから。
当然チェコボタンやビーズを扱ったアクセサリーも安くしようとということばかり考えていた時期もあります。
でもきちんとした値段をつけないと裏で泣く人がいると知りました。

今はオンラインでものを売りやすくなり、
ハンドメイド=安いと思っている人も少なからずいると思いますが
ちゃんと後ろにいる人のことも考えて創作していきたいと強く思いました。

最後におじさんが
『あなたとこれからも縁があることを楽しみにしています』と言ってくれたのは
本当に嬉しかったです。

たくさんの良い出会いと、美しいビーズ、ボタンを
スーツケースに詰めてパリに戻りました。

ビーズ工場で見た大量のガラスビーズ


あまりうまく書けていない部分もありますが、本当に貴重な体験になりました。
チェコに2週間近く滞在して本当に良かったと思います。

日本でチェコビーズ、ボタンに出会えていなかったら
ヤブロネツを知ることもなかったのかもしれません。

私は、2年前からアクセサリーを作り始めました。
と言ってもよし!やるぞみたいなものでなく、仕事が休業状態になりあまりにも暇すぎて作ったというのが始まりです。その時はダイソーで買ったレジンで作っていました。
だからまさかこんな所まで来れると思わなかったので人生不思議なものです。

フランス語も、同じで
特に買い付けに行きたいとか仕事として活かしたいとは初めは考えていませんでした。ただただ夢中でやっていたら、縁に恵まれていました。

もしかしたら、自分のやっていることって見えないところで繋がっているのかもしれませんね。

少しでも誰かの役に立てたり、勇気になればいいなと思い書きました。
買い付け旅、お読み頂きありがとうございました。






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