導入文って何を書けばいいの?

美女読書サロンで添削をしていると、パラグラフごとの話がつながっておらず、ゴールのないマラソンを走らされているような感覚になる文章によく出会います。

特に「導入」と「本論」で話がつながっていないケースが多いです。

導入というのは、本論を読んでもらうためのリードの役割ですから、必然的に、本論と密接に関係する内容となるはずです。

しかし導入で伝えたテーマやエピソードと全く関係ない話が本論でなされているケースが驚くほど多いのです。

たとえば導入では「経済に興味があるからこの本を読んでみた」という話をしているのに、本論で何の脈絡もなく「政治」の話をされたら、読者は「え、何で急に政治の話になったの?」と疑問に思ってしまいます。

文章に脈絡がないと、行き先(ゴール)が想像できないため、読者は読み進めるのが苦痛になり、途中で離脱してしまいます。

導入とは「本論のテーマに関係がある雑談話」をする場所ではありません。

「この先(本論)に書かれているのはこんなことです。それを読むとこんなメリットがあります(=こんな問題解決に役立つ情報が書かれています)」という点を伝えて、読者が先を読み進めたいと思わせるためのものです。

とすれば、本論の内容が決まらないと、適切な導入文は書けないということになります。文章を書くときは頭から終わりまで一直線に書くものと思われがちですが、それは事前に「構成」をきちんと詰められているからできることです。

構成を決めるというのは、「何を」「どの順番で」「どれくらいのボリュームで」伝えるかを決めるということです。これは各パラグラフの見出しを決める作業でもあります。

パラグラフ同士のつながりを明確にし、文章全体の流れを自然かつロジカルなものにするためには、書き始める前に

「記事を通して伝えたいこと=主眼」と、

「それを伝えるために必要な骨組み=骨子」

を決める必要があります。その上で、本論を読みたくなるような導入文を書くのです。

たとえば「主眼」を

・『○○』という本の中で面白かったポイントを2つ紹介する。

として、

「骨子」を

・「経済」について面白かったポイント
・「政治」について面白かったポイント

とした場合。当然、導入では「政治・経済」両方について触れた内容にする必要があります。「経済」だけにしか触れていないと、「政治」のパラグラフに入った時に、「え、経済の話がテーマじゃないの?」と読者は疑問に思い、ついていけなくなってしまいます。

本論の「主眼」と「骨子」を決めてから、それらの要点を抽出して読者に興味を持たせられるように「導入文」を付け加える。

そんな順番で記事を書いてみてください。


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