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猫と金木犀と私の地球会議②
「きこえているのね?ありがとう。」
「いえいえ。こちらこそです。あなたはとっても美しいですね!」
「まあ!そんなこと、人間に初めて言われた」
「そうなの?去年引っ越ししてきてから、ずっと思っていましたよ。家はオンボロだけど」
「ありがとう。君は、寄り添ってくれたのね」
「寄り添う?そんなことは意識してなかったけど」
私はどうやら、金木犀と会話をしているみたいだ。
「人間って、植物というか木というか、、、こうしてお話できるんですね」
「できない方がおかしいじゃない。同じ地球で生まれて暮らしている・・・人間の言葉でいうと友達とか家族?なんだから」
私はびっくりした。
友だちとか家族って、てっきり人間だけだと思っていたからだ。
「私とお話できる君が、ずいぶん狭い世界で物事を考えていたのね。だから、最近、世界を全部繋いじゃおうって、、、今流行りのマジックウイルスがあらわれたのね」
「あなたはそんなことまで知っているの?テレビもユーチューブもみていないのに」
金木犀は大笑いした。
「だって、私たちは過去も未来も全部知っているのよ。これまでも、たくさんのウイルスが流行ったじゃない。そしてこれから先、どんなことが起こるか予測もつく。環境に適応して進化するのは得意ですもの」
少し間をあけて、金木犀が話し始めた。
「私がここで生まれてから、ずっと一緒にたくさんのウイルスと住んでいるからね。ちゃんと相手の邪魔はしないように住み分けて暮らしながら。でも、心は繋がっているの。つまり、尊重、ね。とにかく、ウイルスとずっと君たち人間は共生しているんだよ」
金木犀は続けた。
「でも、、このあたりにはいない気がする。多分、それは君たち人間が自分たちでつくったものじゃない?うん。やはり、マジックウイルスは私のところにはいないわ。でも、結局人間がつくったものなら、私たち自然がつくったものでもあるしね。地球の運命ってやつかしら」
金木犀がカラダを揺らし始めた。
「ちょっと私の葉っぱに触れてみて。目を閉じて5回深呼吸してみて」
私は縁側から島ぞうりに履き替え、急いで外へ出て言われた通りに葉っぱに触れてみた。
大きく深呼吸して、1,2,3,4,5・・・
「ん――――――――――――!!!!!!!!」
葉っぱと私は、ぐんぐん上へ上へと飛んでいく。
「私が住んでいる町が良く見える!この前行ったカフェ!うわー、もう群馬県全体が見える!桐生も前橋も沼田、館林!あ、スカイツリー・・・うぁぁぁ日本だぁ!本当に龍の形をしているね。すごい!海がめっちゃきれいー!あ、ニュージーランド!行ってみたいな~。インドのブッダガヤ、あれ、イスラエルのダマスカス門だね。おおおお!!!!!アメリカはラスベガスじゃあない???ベラージオホテルでしょ?一度泊まってみたいと思ってたんだよねー!!!!!」
私の部屋の世界地図と地球儀が、今、こうして目の前に広がっている。興奮して目にしたものを次々と口にせずにはいられない。今夜は眠れそうにないな。
「これ、使ってごらん」
金木犀の葉っぱが私に、透明のVRゴーグルみたいなものを渡してきた。
「これは君たちの世界のVRじゃないよ。そうね・・・ものすごく性能のいい双眼鏡みたいなものかな」
「こんなもの、なんで葉っぱが持っているの?」
「ふふふ。だってここは3次元じゃないエリアよ。だから透明なのにあなたには見えているでしょ?」
なるほど…と私は思い、あまり深く考えずにとにかくそれを付けてみた。
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読んで頂き、誠にありがとうございました🙇♀️未来の地球を生きる方々に活かしていきたいと思います。時々、アイスカフェラテ代に使わせて頂きます。初めてサポートして下さった方が、そうおっしゃったので🤭🎶