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猫と金木犀と私の地球会議⑤

「物事は基本、今の君より低ければ君は落ち込む。君より高いと君を上げてくれる。それは全部じゃなくて、たった一部でもいい話。さっき私が空高くまで連れて行ったでしょ?その方法は、言葉だったり出来事だったり、そういった噂話、情報、まぁ人そのものだったりするけどね。とにかく、相手が君より高ければ、高いところまで見えるようになる。それはいろんな世界のいろんな景色に例えられる」
また、金木犀が話した。
「だから、君はその噂話を信じちゃいけない。心地よい風が吹いているところにいればいい。今の君にとってその場所が秘密基地なんだね。素晴らしいじゃない。そして、もう一つ忘れちゃいけないのが・・・」
金木犀が暫く沈黙した後、ゆっくりと話始めた。
「さっき高い空からみた景色。ゴミ山の少年のことだよ。君が誰かのおかげで高い景色を見ることができたなら、今度は是非、君が高い場所を吹く風となって、あのゴミ山の少年に高い景色を見られる機会をつくってほしい」
私はじっと二人を見つめた。二人もまた、私をじっと見つめていた。
「君が直接ゴミ山に行く必要はない。もちろん、ゴミ山に行ったっていいんだよ。大切なことだから何度も伝えている。世界は繋がっているんだ。目に見えないウイルスでも、情報社会でも、この空でも、君の日常の選択でも。繋がっているからこそ、君は目の前の誰かの高い風になってほしい。たった一人でも」
私は、金木犀のちょうど真ん中あたりをじっと見つめていた。
 
「方法はたくさんあるニャー!」
ニヤニヤしながら猫が庭のバッタとじゃれ合いながら言った。
「3次元!君が生きている世界は人間が作った人間のルールで生きる場所だ。君みたいな人間じゃ、生きづらくて当たり前だよ。ボクたちとこれだけ話ができるんだからね。でも、決して君だけじゃないし、案外たくさんいるんだよ。ボクは町中走り回っているから、そのへんは良く知っている」
猫は得意気に話を続けた。
「だからこそ!3次元だけじゃない。世界がたくさんのレイヤーで出来ているから、神様は人間に・・・」
「想像力をくれた!」
「正解!」
今度は金木犀の出番。
「人間社会で生きる生き方は人間に聞けばいいわ。物事は実にシンプルね。英語を話したいなら英語を話せる人に聞けばいいし、歌手になりたいなら歌手に聞けばいい」
「地球での生き方を知りたかったら、、」
金木犀が少し目を丸くして私を見つめた。
「地球。自然。つまりあなたに聞けばいい」
「そう。私じゃなくても、近くにある森や湖、道端のお花や、畑とか田んぼでもいい。もうマスターしたね」
 
オレンジジュースを飲みほした私は、「ちょっと待ってて!」と二人に声をかけ、小走りで台所に行き、普段あまり使わない高価なカップにグリーンコーヒーをいれて戻ってきた。
一口飲むと、なぜかいつもより何倍もおいしく感じた。中身はいつもと変わらない。よほどワクワクする時間を過ごしているのだろう。時間の質。「人間なんてこんなものね」と一人つぶやきカップを置くと、「はい!続けてください」と二人に話しかけた。


読んで頂き、誠にありがとうございました🙇‍♀️未来の地球を生きる方々に活かしていきたいと思います。時々、アイスカフェラテ代に使わせて頂きます。初めてサポートして下さった方が、そうおっしゃったので🤭🎶