DD4D・ブレイキング・ジ・アイス
DD4DのCOLD IPA。コールドIPAスタイルの魅力に溢れた1本。
DD4Dさんは公式のテイスティングノートの解像度が高い。
ラガー酵母を使ったIPA……それってIPLでは?と思ってしまうが、
エールと同様の高温帯で発酵する点が異なっている。
カリフォルニア・コモンスタイル(スチームビール)の醸造方法でIPAを作るという解釈だろう。
ラガー酵母特有のキレの良さがありつつ、香りも豊かになる良いとこどり。
IPLより香りが立つ銘柄が多い印象だが、技術とコンセプトでひっくり返せる要素な気もする。
ビールスタイルとして味と風味がどうこうというより、アメリカンIPAの系譜の、ウエストコースト派とイーストコースト派に端を発する中からIPLに近いものが生まれたと考える方が面白い。
文化としてのビールの面白さの1つだろう。
ただ、技術の差異を前面に出したビールスタイルはそこまで流行らないのだが、コールドIPAはどうなるだろうか。
ここまで余談。
テントを張って火を起こして1段落ついたところの、コールドIPA。
これが染みないわけがない。
口当たりは水のごとし、喉越しはスルスルと入り、キレもよくホップの風味が口と腹を満たしてくれる。
セッションIPAよりも飲みごたえがあり風味が豊かで滋味がある。
それでいてひっかかりが少ないので素直に美味い。
ホップはトロピカルも少しあるが樹脂っぽさが目立つ。
ジューシーで膨らみもあるが苦みはそこそこなので、飲みやすい部類。
2本くらいは軽くいけそうで美味すぎ注意報発令ものだ。
キャンプとクラフトビール、BBQとクラフトビールは相性がそれほど良くないのでは?と思っているが、こういうスタイルは合わせやすい。
コールドIPAは自分の中では優先度の低いスタイルだが、この銘柄は見かけたらまた飲みたい。