シメイ・グリーン
ベルギー系スパイスフレーバーをやり過ぎレベルに盛ったトラピストビール。これを「シメイ」が出したというのがまた面白い。
ベルギーのトラピストで一番メジャーなシメイから新ビールが出たよ!よ!との話を聞き及んでから2か月程。ようやく出会えた。
その名もシメイグリーン。度数10%のハイアルコールタイプ。
グリーンなのか……?グリーン……。
いや、ちょっとネーミングに混乱した。
ベルギーで自家用タイプの飲みやすい銘柄に「グリーン」って名前つけること多い……多くない??デュベルグリーンとか。気のせい?
それはともかく。
ベルギービール、10%近い度数、金の液色とくれば、3役揃ったストロングゴールデンエール、あるいはトリペル。
シメイ・グリーンもベースはそういう味わい。
コクがあって滑らかな舌触りと喉ごし。梨や青りんご、ドライフルーツなどの果実と複雑なフレーバー。甘味旨味強め苦みもやや強め。アルコールは度数にしては目立ちにくいけど胃の中で温かみが出てくる強さ。
他のトリペルと比べるとデュベルよりはウェストマールのトリペル寄りかなぁ。
と、ここまではベースの話。
まぁそれよりなにより
ファーストインプレッションは「めっっちゃスパイシー」なんだよこれ。
コショウ中心にスパイスが炸裂する爆弾のようなフレーバー。
今まで飲んだベルギーの中で一番スパイシーだと思う。オルヴァルの華やかに弾ける感じとは違う炸裂っぷり。
原料に香味料って書いてあるから、酵母由来のスパイシーさに加えてあるんだろうけど何だろ。風味的にはクローブ?オレンジピール?キャラウェイとかアニスとかリコリスとか?とか?コショウそのものも入れてるのか?
わからん……ぜんぜんわからん。
(※スパイスに何を使ってるかはシークレットらしい)
まぁとにかく、ベルビー特有のスパイス風味がフルスロットルなので、ベルギービール初心者には全くもってオススメできない。
自分にとっても「いつ飲んでも美味しいビールではない」と思う。
このビールを飲むために環境整えてから飲みたいもんだと思う面白さ。
■おまけの感想
ベルギービールを考える上で、核(中心)の1つであるトラピストビールのシメイがこれを出した、というその事実が面白い。
ベルギーには醸造所や小規模な醸造所がいくつもあり、伝統を固持するところもあれば、アメリカ中心のクラフトビールの流れ(指向)に少し合わせた銘柄を出し始めたところもある。デュベルのトリプルホップとか。
シメイも最近になってエイジドを出したりして、クラフトビールを意識した立ち回りが始まったのかな…と思ってたところに、このグリーン。
単にクラフトビールブームに乗っかるんじゃなく、ベルギービールとはこれじゃい!ベルギービールを味わえ!どうや他国じゃ真似できんだろ!オラァン!というドストレートの殴り込みなのかなって。
誰向けのビールかというとベルギービールファンに対してでもあるし、クラフトビアギーグに対してでもあると思う。たぶん。