見出し画像

サントリー・ビアボール

ビール好きが夢見た、濃縮ビールに炭酸水を入れて割る自由なビール。

ビール好きの誰もが考えたコンセプトを「やってみなはれ」精神のサントリーが形にした

やりやがった!!
マジかよあの野郎!!
やりやがった!!

そんな感じで話題になってたビールを私も飲みました。

■全景とコンセプトと前置き

炭酸水で割って美味しいビール。
好みで作れる自由なビール。カスタムビール。

みたいなコンセプト。
日本の大手が出したビールの中で16%の高アルコールはおそらく初、というのも隠れ面白いポイントです。好。

ドイツビール好きやクラフトビール好きならアイスボックを知っているからそこまでインパクトが無いかもしれないですけど、まぁそれはそれとして。
※アイスボックはラガービールを氷結させ水分を取り除き濃縮していくスタイル。シュナイダー・アヴェンティヌス・アイスボックが有名。

またカスタムビールについても2011年に氷で割るビール「アイスプラス」をキリンビールが出していたので、割って飲む系ビールが完全に初ではない。
地ビールメーカーも氷で割るビールとか、いくつか出してたましたね。秋田の湖畔の杜さんのオンザロックとか。

炭酸水でビールを割るのも、そういう飲み方をやる人はやっていました。
味やフレーバーが濃くてちょっと口に合わない時とか、炭酸水で割るとけっこう美味しくなるんですよ。私はシュナイダーのホッペンヴァイセを少し炭酸で割ると好き。

https://twitter.com/bigurou/status/1356769571399553024

閑話休題。

上から見た図。


■早速飲んでいこう。まずは推奨の割合で。


君たちは最初に説明書を読むタイプ?
それとも困ってから読むタイプ?

私は後者!

だけど、説明書を読むときもある。

ネックラベルに書いてある。優しい。

何々?
1、氷をギッシリ。
2、キンキンに冷えた炭酸水。
3、ビアボールをそーっと注ぐ。オススメは3:1。

はい。
専用グラスに目盛りが付いてるのが親切ですね。16Gメモリです。

味は………うん。
なんだろね……。ホッピーっぽいね。
ホッピーとビールの中間というか。
麦芽糖のような甘さを感じる所もなんかね。

あと味が微妙に決まり切らない。
もうちょっと濃いと美味しいんだけどなぁ…もっと軽いと美味しいんだけどなぁ……を行き来してしまう。

■それじゃ、お待たせのストレートだよなぁ!



むしろこっちを飲みたかったまであるよ!
当然でしょ!役目でしょ!

………養命酒?
かなり甘い。そしてホップもかなり濃い。
ホップが濃い割にはそれほど香りは立たないかな。
フレーバーと苦みはあるので、どことなく薬っぽい。

アイスボックよりもオーストリアのサミクラウス(アルコール度数14度のラガー)に少し近い気もする。

■どうやったら自分好みになるんだろうか?

てなわけで。
ここまで飲んできました。
全然ピンと来てないです。好みではないです。

推奨の飲み方とストレートを飲んだことで、だいたい味の構成と味の伸び方がわかったので、自由にカスタムしろってことですね。

その1、ビールで割れ!

まぁず考えたのはビールで割ること。
他のセッションIPAやピルスナーで割ると美味しいんじゃないかなって。

ちょうどいい所に、黄桜の限定商品ラッキーラビットが。

ラッキーラビットちゃんはアメリカンペールエールなので、必ずしも愛称は良くない気もしますが、割ってみると味は中々。
どちらかと言えば、メインのラッキーラビットに少し入れて、風味と度数を強化すると良いな。強めのビールを飲みたいときに面白そう。
(ウオッカちょい足しとかで良いんじゃない?とか言ってはいけない)

ビールの銘柄を色々と試してみると面白いかもしれない。
肝臓と金に限界があるのでそれは難しいんだけども。
ピルスナーでもジャーマンとかがいいんじゃなかろうか。
逆にボヘミアンはどうかな?ビアボールが五月蠅い気もする。

その2、ジンジャーエールで割る。鉄板。

割材としての万能感があるジンジャーエールで割ってみた。
普通に美味しかったので写真撮るの忘れたはすまん。
ビアボール側が濃くても薄くても味は決まる。
スイートスポットが広いってのは有難い。


その3、最強レモン汁

レモン果汁最強説ですよ。
だいたいちょっと悪くなった酒とか、口に合わなかった酒とかね、レモン果汁をちょい足しするとだいたい美味しく飲めるんですよ。

はい、美味しい。

トマトジュースで割るレッドアイとかも良いと思う。


■まとめ

これが美味いか不味いかは、やっぱり人によるって意見に終始しちゃうんですけども。
面白いかって言われると「まぁまぁ」くらい。
そして、ビアボールが市民権を得て定番になるかって言われると、私は難しいと思う。

理由の1つは価格。500mlの中瓶1つで900円弱。
炭酸で割って増えること考えても価格的には安くない。
気軽にいじって楽しめる価格じゃないんだよなぁ。

理由の2つ目は味。試みは面白いけど、純粋に魅力的な味かと言われると俺は…うーんって。それってあなたの感想ですよねとか言わんといてくださいよ。

理由の3つ目はサントリーだから。サントリーを馬鹿にしてるわけじゃなくて、サントリーって当たればラッキーと思ってるのか年に幾つも企画を打ち出してるもんで。流行るまで改良を続けて取り組むような姿勢はあまりない。コンビニの変わり種の中華まんと同じで基本的に市場刺激のために投入して、その中から大ヒットすればいいやくらいでやってそう。(開発の人は真面目なんだろうけどそれはそれとして)
今年か来年くらいでササッと結果でて損切りしそうなんだよなぁ。

そんな厳しめの感想でした。
外飲みで割られたものを飲むより、とりあえず1本買って、家で色々いじってみるのは良い経験になると思います。まる。






■ぶっちゃけ
こういうこと言うのはサントリーさんにも、開発に携わられた人、営業の人等等にも失礼かなぁと思うのだけど、どうしても思ってしまう……そして言いたくてしょうがないので、言います。

ぶっちゃけ、ホッピーで良いんじゃね?

ビール(テイスト)を弄るって意味で、偉大な先駆者がいるわけです。
ホッピーは焼酎+氷+ホッピーだから異なるだろって?
確かに細分化したら違うけど、酒を弄って遊ぶってスタイルだと限りなく近いですよ。しかも弄り方だとホッピーの方が幅を出しやすいし。

そもそも「いじって遊ぶ」ことを楽しめる層、それを継続して遊んで楽しいと思い続けられる層は、そんなに多くないと思うんですよね……。

うん……。