通信制大学院 博士前期課程 英語学専攻への道①

 私は公立中学校の教師として働きながら、2021年3月に某通信制大学院博士前期課程外国語学研究科英語学専攻を修了し、修士号を取得することができた。せっかくなので、記録に残しておき、誰かの役に立てば幸いである。

 私は某大学文学部文学科英米文学専攻で学んだ。ゼミの教授の専門は社会言語学、言語人類学、認知言語学であり、いわゆる普通の英語学を学んだわけではないし、英語教育について学んだわけではないが、ここでの経験はコミュニケーション重視の英語教育に非常に役立った。

 学部4年生の時に採用試験に合格できたので、卒業してすぐに4月1日から公立中学校の英語の教師となった。しかし、授業のやり方はまったく教えてもらえない状況で、学級担任や部活動も含め、通常の業務が始まった。

 これでは困ると思い、さっそく、学部3年の時に英語科教育法の授業の一環として参加した学会の大会を思い出し、そこで発表されていた先生方の著書を読み、学会の大会や例会に参加するようになった。なんとか授業に困らなくなり、学会の運営側にも回ることになる。

 このころ、学会の先輩たちが、自治体の研修として、1年間、現場を離れて大学院で学び、2年目は勤務しながら修士論文を執筆するということが頻繁に見られた。自分もいつかそうなりたいと思っていた。

 1校目を6年間勤務し、2校目での勤務が始まると、自治体の研修に参加するようになる。中英研では毎月集まってコミュニカティブ・テスティングについて学び、それ以外に、授業研究に関する2年間の研修、10名のグループでテーマを設定して研究する研修、自治体より依頼されて4名のグループで研究する研修を受講した。

 2校目に7年間勤務し、3校目では、授業研究に関する2年間の研修の講師を務める。これが終わったら、いよいよ先輩たちのような大学院派遣研修に挑戦しようと思っていた。ところが、ここに落とし穴があった。勤務校のスタッフは1名減員になるが、授業の分は非常勤講師で賄われること、中英研の仕事、部活動の役員の仕事、検定教科書執筆の仕事に携わることができなくなることが判明した。そこで、現場を離れなくてもできる大学院について調べ始める。

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