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エッセイ350.しんきらりーやまだ紫

やまださん。
今日、朝日朝刊で、「しんきらり」がまた出版されると知りました。
とても嬉しいです。
今読んでも、全く色褪せていません。



作品の中に、「めし」「風呂」・・だけの夫に対して、
・・私はあなたの名詞処理機ではない・・
という一文があって、独身だった私は、どきりとしたことを覚えています。

刊行から四十年になりますか。
やまださんが言いたかったこと、伝わっています。
でも、天国から私たちをご覧になったら、
あなたたち、変わってないじゃない、ふふ!
と言われそうです。

私も結婚してから、やまださんと、お連れ合いの白鳥さんや谷田部さんと飲みに行ったり、高島平の団地のお宅にお邪魔することもなくなり、幾星霜。

あるときやまださんから唐突に電話をいただいて、驚いたことがあります。
荒木さんの奥様の陽子さんが亡くなられたときでした。
くぐもった声で、泣いていらっしゃるのかなと思ったら、

「tamadocaさんも、女性なんだから、
ちょっとでもおかしいと思ったら、ためらわずに、癌検診は受けてね」

という内容でしたね。
気にかけてくださって、ありがとう。
そのやまださんが、愛する娘さんたちと、白鳥さんを残して急にいかれてしまったこと、私はずいぶん長い間、知らなかったのです。
お互い東京にいたので、いつでも会えると思っていたのでしょう。

お悔やみをと思って白鳥さんにメールしたら、とても難しい病気で入院中でした。

あのころは、いつまでも続く青春みたいでとても楽しかったですね。
もうちょっと落ち着いたら、飲みましょう。

と返信をくださっていたけれど、叶いませんでした。
この3月17日で6年になっていましたね。

やまださん、新聞を読む人も本当に少なくなり、
「通勤電車の男性が、みな漫画雑誌を読んでいて嘆かわしい」
なんて言われていたのも、もう今は昔なんですよ。
今は、通学の小学生も含めて、スマホを電車内でいじっていない人を見つける方が難しいのです。
そうそう、週刊朝日も廃刊になりますって。

この話はしたかしら、谷田部さんが白鳥さんを褒めるとき、

「俺、参っちゃうよ。白鳥のやつ、大学出たてだぜ?
颯爽と現れる時に、脇に文春なんか抱えちゃってさ、
俺、立場ないよ」

ですって。
イケメンだったしね。
お似合いでした。

妥協を許さない、鮮烈な感じの作風と比べ、
実際のやまださんは、ふんわりとして、
口を開いても、一息ついてから、考えて言葉を出す人でした。
やまださんみたいに、雰囲気のある、ぶれない人になりたいと思っていました。

じゃあ、tamadocaさん、もうちょっと頑張らないと。

って、今言いました?

いつも、白鳥さんとやまださんの命日の、ちょうど真ん中あたりでお二人を思い出します。
今、まいりappに行ってお参りしてきました。

ご冥福をお祈りしています。
また会いたいです。






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