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エッセイ149.なにそれやめてよの巻(超駄)

 前回の続きで、あと数時間の間、四人家族でおります。
京都から長女が短い帰省をしているのです。

昨晩ですが、娘らがトイレに行きかけて歩いていた私に、

おかんちょっと、これ見てみな!

と言います。

見ると、妹が姉の前に腕を差し出しています。
姉がその手首を握り、

いい? おかん、見てなきゃだめだよ?

と念を押しますから、「うんうん」と身を乗り出しました。

姉は片手の人差し指で、妹の肘の内側の柔らかいあたりを、つんつんとつつき、それからすー、と同じ指で撫で下ろしますと、妹が背中を丸めて、

うほほ〜〜〜い

みたいなことを言います。

えっ? なになに?
それしたらどうなったの?

ーーうほほ〜いって、なっちゃうんだよ。

うほほ〜い・・・って?

ーーそう。

えっ、どんな感じ? 私にもやって?!

ーーだめ〜

えっ、そんなこと言わないで、やってよ!!

ーーじゃあおかん、手を出しな。

素直に手を出しますと、次女が私の手首を握って、同じことをします。

つんつん、すー



んが・・・

何も起きません。

何も、うほほ〜い、
と言わなければならないようなセンセーションは感じません。


しーーーーんんーーーー

としました。


えっ。

あれっ?

あっ、うそっ?  だましたな!?

ーーおかん、馬鹿でぇ〜! ぎゃ〜〜〜っはっはっは!!

これで皆さん、23歳と25歳の花恥ずかしい、アゲハ系娘なんですけど。

いまこういうの、流行っているんですか?

っっったくもう!

とか言いながらトイレに入ってから、急に笑いが込み上げて、馬鹿笑いをしてしまいました。


それだけでは終わりませんでした。

トイレでの用を済ませて戻ってくると、
いつのまにか夫が娘たちと三人で立っています。
全員背が高いので、林の中に踏み込んだようになりました。
天井灯が遮られ、部屋が薄暗い感じです。

君、tamadocaくん、こういうのがあるんだよ。知ってる?

と言います。

ーーえっ、なになに?


見ていると夫が、自分のおでこに1円玉を押し付けます。
汚いおでこだったのか、1円玉はそこに張り付いたままです。

この状態でね、頭を後ろから自分で叩くんだよね。
それで、何回で1円玉が落ちるかという・・。

と言っているうちに、1円玉がぽろっと畳に落ちました。


ーーで? 落ちるとなんなの?

訊くと、やって、落ちてから教えると言います。

ーーじゃやる。貼って?

と言って、素直におでこを差し出しました。

ーー私のおでこは、
       あなたのそれのようにグリ〜スィ〜(脂っこい)ではないからね。
       くっつきにくいかもね?

と言いながら、1円玉を夫が押しつけ終わるのを待ちました。


夫が言います。

じゃ、後ろ頭を、トントントン・・・って、
1円玉が落ちるまで叩いてみな。

ーーわかりました。

はい、トントントントン・・・

落ちないなぁ。

トントントントントントン・・

あれ?

床を見ても、1円玉は落ちていません。

そこではっと気づき、おでこに触ると、おでこにも1円玉はない。

🔥  あっ、ちょっ、だましたな〜!?🔥


見ると、夫と娘らは腹を抱えて馬鹿笑いしています。

はぁ〜っ、くるしい!

おかん、おかんってなんでそんなに、騙されやすいの?!


放っておいていただきたい。


いま、私の日本語授業は 全てオンラインです。
残念ですね、もし対面であったなら、絶対この1円玉のトリック(?)、
生徒にしかけるのですが・・・。


最後までくだらないのを読んでくださって、ありがとうございました。



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