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買ってよかったもの 2019(キッチン編)

今年も、食べることへの熱が高まり続けた1年だった。
夏から秋にかけて仕事が忙しすぎて食生活が滅茶苦茶になっており、夜ご飯をきちんと食べられないならせめて昼は自分で作ったものを食べよう、と思い、週末に黙々と調理をし、詰めるだけのお弁当を持っていくように。温めて美味しく食べられる和食やサンドイッチをよく作っていたような気がする。
作ってすぐ食べるのが美味しいイタリアンは、家でさっと作って食べることが多かった。

ディ・マルティーノ スパゲッティ 1.8mm No.3 

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米が炊けるのを待てないような日にとって、パスタはありがたい存在。愛するオステリアが乾麺はこれを使っていると聞き、Amazonで購入。デュラムセモリナ粉のしっかりした旨みが本当に好み、表面がざらついているのでソースが絡みやすいのも素敵。
500グラムと2キロがあるのだけど、私は2キロを買うことが多い。
ちなみに川上未映子のエッセイで読んで以来、パスタは半分に折ってから茹でている。(径の小さな鍋にも入る、そして食べやすい)

クラタペッパーの完熟胡椒

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お取り寄せ好きな友人経由ですごくいい胡椒が手に入ったので、と数年前に祖母からもらった胡椒。
日本人のおじさんがカンボジアで作っている胡椒らしいのだけど、一房に1.2粒しかできない完熟実のみで集めた「完熟胡椒」が、胡椒の概念を覆すようなフルーティな香り(柑橘やレーズンのような香り)で、やみつきに。
ゴリゴリ引いていろんなものにかけると、料理がうまくなったような錯覚を覚える。たまに高級路線のスーパーで売っているのを見かける。


蕪木の珈琲豆とチョコレート

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台東区の珈琲とチョコレートのお店「蕪木」、建物の取り壊しのため春に閉店されてしまい悲しみに暮れていたのだけど、めでたく移転開店されたので行ってきた。
最上級、これぞ嗜好品、もうこれ以外必要ありません、本当にありがとうございます…という気持ちになる滋味深い珈琲とチョコレート。ホットチョコレートの蠱惑的な噂も聞いているけど、いつも珈琲を頼んでしまう。
珈琲は勿論、お人柄、照明や音楽、調度品などすべてがパーフェクトなお店。密度の濃い空間があることは変わらないけど、移転してすこし雰囲気がひらけたような気がする。
前置きが長くなったが、このお店では蕪木さんの手がける珈琲豆とチョコレートが購入できる。セット買いがおすすめ、お店の方がベストの組み合わせを教えてくださる。特別に美味しいので、ギフトにも。大量買いするジェントルマンなどをよく見かける。


ROSTI MEPAL CIRQULA 350ML WHITE

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お弁当箱の汁漏れが嫌で長年タッパーウェアを使っていたけど、においが取れにくいこと、すこし洗いづらいことがあって、よりよい品を探していたときに出会ったのがこの薄グレーの友人。汁漏れしないうえ、底がカーブしているので洗いやすい。そのまま電子レンジできるのも嬉しい。かつ、佇まいが綺麗で最高。
汁物も漏れなしなので、これに一品とおにぎりで、土井善晴的昼食がおもいのままに。


琺瑯のバット

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バルミューダを買ったときについてきた琺瑯の薄いバット、たまに料理の下ごしらえに使う程度で存在感が薄かった。
あるとき琺瑯は直火OKということを思い出し、湯煎に使えると気づいてから大活躍。レトルトパウチの湯煎ははもちろん、冷凍うどんを温めるときにも使える。収納時じつは嵩張らないのもありがたい。

と思ったら、敬愛する京都の道具屋・LADERさんも同じ結論にたどり着いていたみたい。オーブンにも入れられることを忘れていた。


三浦哲哉『食べたくなる本』

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映画研究者による料理本批評。
料理好きの上司からおすすめされて以来ずっと読みたかったけれどようやく購入して(みすず書房なので少し高い)、この年末に読みすすめている。これが本当に面白い。

知らない料理本についての批評本なんて面白いのか?と思ったけれど、著者の実践に基づく切実な批評、そして食に関するさまざまな文献を取り混ぜながら書かれており、知識なしでも十分に読ませる。(もちろん、既に知っている書き手について読むのも楽しい。秋に細川亜衣が料理の監修をつとめる尾道のLOGで食事をし、その体験は忘れがたいものだけれど、彼女の研ぎ澄まされ方が丁寧に解き明かされており、腑に落ちた。)
料理家の思想を観察するだけにとどまらず、スローフードからスローフードまで、日本の食文化に関連づけて語っているのが面白い。
ちなみに1990年以降生まれのわたしたちは、目新しい食材や食事(ファッション・フード)が出尽くした後の世代、平野紗季子が言うところの「新しい舌」を持っているポストモダン世代、というということになるらしい。


つい長く書きすぎた、これまで食についてあまり書いてこなかったけれど、永遠と語ることができる気がする。(面倒なやつと言われようがもうなんとも思わない)
来年はどんなものを食べるだろう。誰と食べるか、というのも重要だ。

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