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力で相手をねじ伏せて、排除をすることがアタリマエの時代?

11月中旬から約3週間で約20記事、これだけの期間と記事数を使って【国際情勢】について、国際ニュースで報じられた内容を自分なりに考えたことをボソッとしてきましたが、『ここ最近の国際情勢にボソッと』することは、ここらでいったん中締めをしたいなと思っております。

そこで、今日から4回に渡って、ここ3週間にわたるボソッとの【まとめ編】として2回ボソッと、さらに「ここ最近の国際情勢」を知ることで芽生えた【新たな問い】について2回ボソッとさせてください。

それでは、今回は【まとめ編】1回目として、今年の夏以降、頻繁に国際ニュースで取り上げられているここ最近の国際情勢のトレンドである、”力でねじ伏せることが大きな成果となると考える世界”で起きている事象についてボソッとしたいと思います。



最近、頻繁に国際ニュースで取り上げられている話題


今年の夏以降、ロシアによるウクライナ侵攻や、イスラエル・パレスチナ情勢の悪化といった”力でねじ伏せることが大きな成果となると考える勢力”が台頭する、そんな世界ではどのようなニュースが報道されていたのか?

そのような目線でボソッとしてきた内容をまとめてみたいと思います。


相次ぐアフリカのクーデター


この夏、アフリカで相次いで起こったクーデター
”力でねじ伏せることが大きな成果となる”時代、我も我もとクーデターを起こして政権転覆をはかるという小規模な軍事衝突が相次ぐ事態が起きています。

そのクーデターの特徴をまとめると2点、
①”アンチ・フランス”の感情が噴出している
②”ロシアのナラティブ”が広がっている

「フランスはアフリカを見下しているだけだ、頼りになるのはロシアだ」

欧米の先進国中心の国際社会への反発が起きる前触れのような事象が世界では起きている。


極右が躍進する


様々な問題が複雑に起きているから”力でねじ伏せることが大きな成果となると考える世界”となったのか?それとも、”力でねじ伏せることが大きな成果となると考える世界”だからこそ解決が難しい問題が噴出しているのか?

私にはどちらなのかはわからないですが、このような世界で目立ってきたのが、”大きな変化を望む声”が各国で広がりを見せていることです。

そんな”大きな変化を望む声”が高まった国に起きていること、それが極右躍進です。

果たして今後、「〇〇のトランプ」の登場が世界で相次ぐのか?


移民・難民問題への対応に失敗したのか?


極右躍進が起こった国で問題提起されたのが「移民・難民問題への対応に失敗したので、今後は大きな変化を望む」という声の高まりでした。

さらに、難民問題に寛容な対応をとっていた国や都市でも、これまでの対応とは異なるやり方をとる国も出てきています。イギリスはルワンダ移送計画を強行するのか?、アメリカ・ニューヨークでも受け入れ限界状態を訴える状況となっています。

個人的には、”時間銀行”や”労働者協同組合”と言った移民とともに社会問題に取り組む活動を推進してきたスペインにおいて起こった移民受け入れに反対する極右が躍進したニュース、この事実は改めてこの問題をどう考えるのか見つめなす機会となりました。


ハイブリッド攻撃が世界で起こるのか?


”力でねじ伏せることが大きな成果となると考える世界”だからこそ、世界で深刻化を増すであろう問題が起こっています、それが力でねじ伏せてやろうと目論む国が仕掛けるハイブリッド攻撃です。

ハイブリッド攻撃の最大の悲劇は移民・難民を武器にした非人道的な攻撃であること、そして、相手国を不安定化させるということです、この攻撃が行われてることで、さらに戦争の時代に突入するのではないかという不安を抱えるだけでなく、日本もハイブリッド攻撃を受ける可能性も高まるのではないかという危惧もあります。

世界では激増する移民・難民に対して、このハイブリッド攻撃を恐れる国は難民受け入れを拒否する動きを加速させることでしょう。その結果、どのような世界となるのか、私のいまの知識では妄想すらできないですが、今後も注目してきたい事象だと思います。


欧米は弱体化、力でねじ伏せる国が強さを増している時代なのか?


ロシアによるウクライナ侵攻、そしてイスラエル・パレスチナ情勢の悪化に対応するために、アメリカの戦略は”諸刃の剣”であるダブルスタンダードを採用、さらにアメリカの軍産複合体を拡大させながらアメリカ主導の世界秩序を続けようとしています。

しかし、この”諸刃の剣”の戦略を逆手に取り、反米感情を高めさせアメリカの弱体化につながることを目論むのが、力でねじ伏せることで大きな成果を生もうとする勢力です。


さらに、EUを取り巻く情勢において国際ニュースではここ最近目立ち始めてきたのは、EUの生命線である”結束”は「言葉ひとつ」で簡単に崩れる状態であること。

「EUの結束力は意外と弱いかも」と思われるようなEU加盟国での意見の不一致が目立ち始め、共通の価値観を共有できない状態となったEU、このような状況となった理由は、やはり力でねじ伏せることで大きな成果を生もうとする勢力を止められないからか。


ただ、力でねじ伏せることで大きな成果を生もうとする勢力は、本来、国際社会では淘汰されるという仕組みがあったのに、なぜこのような時代となったのか?それは、国連の存在感が喪失した時代となったから。

なぜなら、国連が力でねじ伏せることで大きな成果を生もうとする勢力を止められないのは、大国同士で繰り広げられている”対立軸”の思考から国連は抜け出せないから。


そんな欧米や国連の姿を見ているグローバル・サウスはこの時代、存在感を高めております。中にはロシアのナラティブに賛同するグローバル・サウスの国もあります。

ロシアのプーチン大統領が描く「ロシアこそが公正・公平な世界秩序を築き上げることができる、だから不公正なアメリカ主導の国際秩序を排除すべき」だという、ロシアのナラティブに賛同するグローバル・サウスの国は決して少なくはないことでしょう。


このように、欧米、そして国連の弱体化が目立ち始めたことを報道する国際ニュースを観る限り、ロシアやイスラエル、パレスチナのような力でねじ伏せることで大きな成果を生もうとする勢力のほうが勢いを増してそうなイメージを与えますが、実はロシアの外交戦略もアメリカの戦略のように”諸刃の剣”なのです。

ただ、今後、もしも、力でねじ伏せることで大きな成果を生もうとする勢力が、実際に大きな成果を得た場合、戦略が”諸刃の剣”ではなくなったら、どのような時代になるのか・・・国際政治が専門の藤原帰一さん(千葉大学特任教授)はこのように語ってくれています。


「この件、実はかなりの期間続いてきたものだと思います。今、私たちは戦争の時代を迎えていて、国連が何の役割も果たさないことが当たり前だと考え、更に力でねじ伏せれば、大きな成果があると。」

「アメリカと中国の競合がそもそも大きな課題だったんですけども、ロシアのウクライナ侵攻が、事実上のこう着状態になった中で、今度は、ハマスもネタニヤフ政権も、力で相手をねじ伏せるという立場なんですね。それが成果を得てしまえば、戦争の時代はさらに拡大します。」

「厳しい言い方ですが、「抑止では足りないから相手を倒さなければいけない」「排除しなくてはいけない」、そこまで今、エスカレートしかかっていると思います。」

「だからこそ、ここで文民の犠牲者や一般市民の犠牲者が大量に生まれてしまう紛争に対して、直ちに行動を起こさなければいけない。停戦を実現することが何よりも重要だということを今、考えなければいけないと思っています。」

NHK番組『国際報道2023』「イスラエル・パレスチナ情勢 専門家と徹底分析した 90分特別版 」(23/11/7放送分より)

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