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世界最難関レースを完走するには『弱虫ペダル』から学ぶ
先週、過酷な環境シリーズを5回続けてボソッとさせていただきましたが、まさか第6弾を展開することになるとは思っていませんでした・・・申し訳ございません、今回も過酷な環境シリーズ第6弾としてボソッとさせてくださいませ。
なぜ過酷な環境シリーズが再び復活したかと言うと、NHK番組で”世界で最も過酷なレース”のドキュメンタリー番組を観てしまったためです。
それだけでなく、その番組を観たことで分かったことがあります、それは・・・
世界最難関レースを完走する方法を『弱虫ペダル』が教えてくれる
『弱虫ペダル』、私が大好きなアニメです。
”世界で最も過酷なレース”で繰り広げられていた戦いは、まさに『弱虫ペダル』そのものだったんです。
もちろん、このレースは自転車を使ったロードレースでありません。
しかし、このレース、まさに『弱虫ペダル』のリアル実写版と言っても過言でありません!
ただの実写版ではありません、リアルな実写版です!
そのレースの名は【レヴェナント(Revenant)】、意味は”死して蘇えりし者レース”です。
このレースが我々に伝えたいこと
人類史上、最も過酷なレースである”レヴェナント”。
なぜ過酷なのか?
それは他のレースと大きく異なる点があるからです、なぜならばこのレース、完走率はわずか4%だからです。
過去4回のレースで105人が挑戦し、完走できたのはわずか4人だけ。
この参加者、ただの一般人ではありません、なぜならあまりにも過酷な環境でのレースのため、実績や経験がない人でないとあまりにも危険だから、参加者は選考されるんです。そのため、選ばれたスーパーアスリートしか挑戦できないレース。
そんなスーパーアスリートが挑戦しても、完走率はわずか4%だけです。
そんな世界最難関レースを完走するために人類が考えた方法こそがアニメ『弱虫ペダル』で描かれた内容そのものだったです。
アニメ『弱虫ペダル』が我々に伝えたいことそのもの、そうです、『弱虫ペダル』ファンならお分かりになると思いますが、それは・・・
チームワークとモチベーションが奇跡を生む
このレースで戦ったメンバーは、まさに「チーム総北」状態でした。
私たち人類が過酷な環境にチャレンジするとき、最も成功率が高まる方法は『弱虫ペダル』が教えてくれる。
つまり・・・
世界最難関のレースだからこそ、仲間と一緒に乗り越えられる!
完走率4%!非情のレース「レヴェナント」とは
それでは「レヴェナント」についてご紹介します。
NHK番組『グレートレース 完走率4%!非情のレース ニュージーランド216km』で観た内容を皆さんへもお伝えしたいと思います。
※ちなみに同番組のネタバレとなってしまいますのでご注意ください。
レース概要
まずは、レース概要です。
2023年1月、ニュージーランドで開かれた世界最難関といわれるレース「レヴェナント」。
累積標高:15,000m、総距離:216km、エベレスト2つ分に相当するルートで実施されるこのレースに参加するのは、男女合わせて37人。
実はこのレースに300人以上参加申し込みしたが、実績や経験をもとに主催者側が選考して選ばれたのが37人、つまり実力者だけが参加できるレースなのです。
レース参加者は、一切の電子機器使用不可、GPSはおろか、時計すら所持を許されず、地図とコンパスを駆使して進むことになります。
そして、斜度40度の理不尽すぎる急斜面が延々に続き、イバラだらけの藪の中に、あえてわかりにくく隠された大きさ30cmしかない小さな箱を順番に56個見つけ出すというチェックポイント通過制というルールがあります。
事前に参加者に渡された地図にはチェックポイントとして「番号と赤丸」が”大雑把”に書かれているだけ。
普通なら迷って探すことすら困難。しかも”暗闇”の中から小さな箱を見つけるというあまりにも無謀な課題設定。
そんな過酷極まりない課題をクリアしながら、エベレスト2つ分に相当する過酷なレース環境を昼夜問わず走り回って合計サーキット4周行ったうえで、時計が無い中、制限時間30時間以内に2週目を終え、なおかつカットオフタイム60時間以内が完走の絶対条件という、非常すぎるルールもこのレースの特徴。
むき出しの自然が容赦なく参加者を襲い掛かり、目まぐるしく変わる悪天候が追い打ちをかける、つまり、予測不能な過酷な環境を最後まで生き残ることができるのか!?
“過酷なコース”と“非情なルール”を耐え抜き5人目の完走者になるのは誰だ!?
【競争型!?】それとも【チームワーク型!?】
尚、このレースはAグループ、Bグループの2つのグループに分かれてレースすることになります。
狭い山道で傾斜面が多いコース上では人数が多いと危険なため、リスク回避のためチェックポイントを順番通り回るグループと、順番を逆回りするグループに分かれるルールになっております。
今回開催されたレース、実はこの両グループ、まったく正反対の動きをするんです。
Bチームは”個人主義”重視の【競争型】
Aチームは”協力関係”重視の【チームワーク型】
あれ?このレースってチーム戦なの?と疑問に思った方もいらっしゃることでしょう。
いえ、全くチーム戦ではありません、マラソン同様に、本質は個人戦です。
しかし、人類にとってあまりにも過酷すぎるレースなので、人類は【チームワーク】を形成することで、みんなで完走しようじゃないか!そういう考えを持った個人たちが集まったら、どんなレースになると思いますか?
Bチームの特徴
今回のレースで完走達成者候補は2人います(俗にいう、優勝候補みたいな存在です)。
ショーン・コリンズ(48)
別名:走る野獣
ヒゲだらけの風貌通りの力強く走るランナー。
実は4人しかいない完走経験者の1人がショーン。
しかも大会初の完走者であり、完走時間58時間という歴代最速記録も残している。
イエン・エバンス(36)
別名:人間コンパス
地図読みの技術に長けているランナー。
イエンも完走経験者の1人。完走時間もシェーンよりも1時間多い59時間という記録を持っている。
この”超スーパーアスリート”2人がいるのがBグループです。
レース序盤からこの2人が先頭で抜きつ抜かれつの熾烈な展開でレースは進みます。
そのため、グループ同士での協力は一切なく、Bグループの特徴は【個人主義】です。
序盤トップだったイエン
「一人だと誰にも合わせることなく自分のペースで行ける」
「遅いランナーに邪魔されるのは嫌だ」
個人主義的かなと思われる印象的なシーンがありました、それがこちらです。
Bチームではショーンとイエン含む4人でレースを進めていましたが、そのうち1人が誤った道を進んでしまって、なんと、その先は崖。3人に「助けてくれ!」と助けを求めるが・・・
「気を付けて!」と、結局、みんなに置いて行かれました・・・
なぜなら”時間”はとっても重要な要素だからです、完走経験者だからわかる、”時間”は絶対だと。
イエン
「1周目は13時間までに終わらせたい。」
「そうしないと後半がきつくなるから時間を稼いでおきたい。」
そうレースはあくまでも競争なんだ、レースは非情なんだと、グループBをみて思いました。
Aチームの特徴
このチームにはダークホース的な存在がいました。
ディーン・スチュアート(19)
今大会最年少の参加者
実家は羊農家、幼いころから山を駆け回ってきた。
「若さをいかし、逃げ切るつもりだ!」
レース序盤からグループ1位で駆け出していましたが、暗闇の中でチェックポイントを探すことができません。
後続の集団にも追いつかれて、しかも先にチェックポイントを見つけ出され、せっかくのリードを活かすことができない失敗をしてしまいます。
ここで彼は悟るんです、「一人では大勢より不利だと思った」と。
なぜならAグループを率いている女性ランナーの存在があったためです。
その女性こそが、ローラ・パティです。
彼女はナビゲーションでもリーダーシップを発揮してチームをチェックポイントに導いています。
なんとも頼もしいリーダー的な存在で、見事なリーダーシップでチームをひとつにまとめています。
ではなぜ、他のランナーと一緒に進んでいるのか?
ローラ
「目標は完走であってお互いを打ち負かすことではない。」
「このレースは精神的な戦い、励ましあっていくことが大事。」
ローラ・パティ(36)
2度目の参加、前回は途中リタイヤ。
前回の経験から競いあうのではなく協力しあうことがこのレースで生き残る条件であることに気づいたのです。
あるレースで彼女はチーム戦に挑んだが、ローラの失敗が原因でチームは惨敗。
しかしチームメイトは一言も攻めずに励ましてくれた。
この経験を活かして、「仲間が一緒であること」がレヴェナント攻略には欠かせないと考えたようです。
Aグループではローラ含む女性2人とディーン含む男性6人、計8人が集団となって【協力体制】をとってレースに挑みます。
ローラの集団では1人の脱落者も出さずにレース展開しています。
力が必要な場合は男性が女性を助けたり、背中に背負っているカバンから必要なものを出し合うことすらも協力し合っています。
昨日会ったばかりのランナーたちが一致団結して、「みんなで行こう!」という助け合い精神をもったAグループ。
1人で抜け出そうとしていた若者ディーンもいまや仲間の1人、それどころかグループのナビゲーションも任されています。
ディーン
「初めて会った人たちだけど一緒に走るのは楽しいよ。」
「協力することが大切だと分かった。」
ローラ
「みんなそれぞれ調子が良いときや悪いときがある。」
「助け合って力を出せれば全員に完走のチャンスが生まれる。」
次々とチェックポイントをクリアしていくAグループ。
Bチームのその後・・・
まさに油断でした。
イエン
「1周目でナビゲーション作業は終わった。」
「2週目は簡単さ!」
しかし、いくら過去に完走経験したものが2人いたとしても、今回も確実に完走できるわけでありません。
恐らく、自身の体調が悪かったこともあったことでしょう、運も悪かったのかもしれません、寒暖差が激しい気候変動が大きく関係したかもしれません。
実は2週目ゴール寸前、彼らは3人で協力体制をしくようになっていたんです。
どうしても先に進むことができなくなってしまったため、自然発生的に協力体制をとったようです。
ショーン
「協力しようと話し合ったわけではない。自然とチームのようになったのだ。」
「とてもクールなことだ。我々のグループは変わった。」
イエン
「私たちは疲れていた。誰かがそばにいて相談できるのは大きな支えだった。」
「友人とともに戦いに挑んでいるような気持だった」
優勝候補が2人もいるグループは結局、2週目途中でリタイヤすることになります。
完走できなかったものの、これまでにない何かを見つけたショーンとイエン・・・
ショーン
「マイケルもイエンも夢遊病のようだった。」
「そこで睡眠をとろうと話し合った」
「イエンと私は完走経験者同士でお互いの実力をよく知っている」
「早い段階で力を合わせていればいいタイムで完走できたかもしれない」
イエン
「マイケルとショーンが一緒でよかった」
「私は限界でした。彼らが寝る提案をしてくれてよかった」
「彼らと過ごした時間はとても充実していた、私の宝物となった。
Aチームのその後・・・
見事に2週目をゴール、そのまま3週目に突入しますが・・・
Aチーム、先に進めたのは結局5人だけですが、レースが始まって28時間以上、ずっと一緒です。
先頭を引っ張るのは19歳のディーンです。
なぜなら、これまでみんなを引っ張ってきたローラはみるみるうちにペースを落としていたんです。
ローラ
「ディーンにはまだまだ余力がある。」
「このままではディーンも間に合わなくなってしまう」
「私は”何のためにここにいるのか?”と思っていた」
「決断するときだと思った」
ローラはディーンに声を掛けました。
ディーン
「”みんなのために行って”と優しい言葉をかけてくれました。」
「一緒に進んできたから離れたくはありませんでした」
「でも、みんなは僕ならできると信じてくれたから期待に応えようと思いました」
ローラ
「仲間は家族のようなもの。誰かの成功はみんなの成功」
「このレースは自分のできることをやってお互いが助け合う」
「他にない素晴らしいレース」
その後、ディーンを送り出したあと、ローラは途中リタイヤしてしまいました。
仲間たちの想いを背負い、ディーンはひとりで進みます。
1人で進んでいるけど、ひとりではない。
ディーン
「みんなのためにも絶対にやり遂げる」
「俺ならできると自分に言い聞かせた、最後の望みになるんだと」
そして結果は・・・
今回のレースの大きなテーマは【競争か!?】【協力か!?】
完走経験者が2人もいて競いながら進むBグループ、
女性のリーダーシップのもと協力関係を築きながら進むAグループ、
どちらが完走できるのか!?
と、ついにレースは終焉となります。
1人で黙々とチェックポイントを制覇していくディーンでしたが・・・
27分オーバーでタイムオーバー、3週目時点で失格となりました。
そして、今回は誰もゴールにたどり着けなかった。
レヴェナントと弱虫ペダル
『弱虫ペダル』ファンならばもうお分かりですよね。
Bチームこそがまさに「チーム総北」でしたね。
ローラは「チーム総北」のキャプテン金城さん、
そして、ディーンはまさに坂道そのもの!
仲間たちの想いを背負い戦ったディーン、
1人で進んでいるけど、決して一人ではないと感じていたディーン、
ディーンのモチベーション、まさに坂道そのもの!
そんなディーンの言葉を再びご紹介します、
ディーン
「みんなのためにも絶対にやり遂げる」
「俺ならできると自分に言い聞かせた、最後の望みになるんだと」
ローラのようなリーダーシップによって築き上げたチームワーク、
何がこの”チームのため”になるかを考えて行動できたローラの存在は大きかったですね。
彼女がいなかったらディーンはもっと早い段階でリタイヤしていたことでしょう。
このような過酷な環境でもあそこまでのチーム統率ができたのが女性と考えると、先週私がボソッとした過酷シリーズの結論、
総じて、女性のほうが過酷な環境でも強く生きていける素質を持っている可能性が高いのではないか?
ちなみに、ショーンとイエンは・・・
『弱虫ペダル』でいえば、御堂筋くん当たりのキャラクターでしょうか・・・
<考察>なぜAチームは完走できなかった?
最後に、まるで「チーム総北」状態だったグループAは、なぜ『弱虫ペダル』のように最後、奇跡を起こせなかったのか?
私が考えるには2つ理由があります。
1つ目の理由、それは、あまりにも”過酷すぎるレース”だからでしょう。
チームリーダー的な存在だったローラも体力的に相当やられてしまっていましたので、チームワークだけではなかなかカバーできないほどの過酷なレースだったからでしょう。
しかし、今回の反省点を踏まえれば、非日常的なことばかりのこのレースも、「チーム総北」のようにそれぞれに得意分野を持つメンバーが役割分担しながらレースを進めていけば、体力温存も可能となることでしょう。
そして2つ目の理由、それはリーダーだったローラの判断だったと思います。
「チーム総北」の金城さんだったなら、ディーンの体力温存を図り、いつディーンをチームから切り離してゴールに突き進めさせるか、的確な判断ができたかもしれません。
ローラは、エースであるディーンのチームからの切り離しの判断が少し遅かった、そのため、ディーンの3週目達成時間が27分オーバーで失格となった理由なのではと思います。
でも、これも次回はリカバリーできる課題でしょう。
ローラのグループがみんなで手をつないでゴールするシーンを想像します。
そう『弱虫ペダル』のように・・・
だからこそ、このレース、次回は完走率4%を上回る成績を残しそうな予感です。
なぜならば、人類は過酷すぎるレースをクリアするためには何が必要かを知ったからです。
それを私は『弱虫ペダル』から教わりました。
チームワークとモチベーションが奇跡を生む
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